2019年5月7日更新

ポルトガル政府観光局・新局長にインタビュー

オリヴィエラ局長(右)とプロモーションマネージャーの高岡千津さん(左)
親しみいっぱいの国・ポルトガルへ

2019年1月から8年振りに、日本のポルトガル政府観光局が再開しました。かつて同観光局から様々な情報をいただきながら、他社に先駆けてポルトガル1カ国の周遊ツアーに取り組んできた私どもにとって、これは非常にうれしいニュースです。早速新たに日本局長として着任したオットー・オリヴェイラ氏に『WORLD旅のひろば』編集部がお話を伺ってきました。

–––局長はポルトガル観光局の北欧事務局長から日本・韓国局長へ就任されました。

オリヴェイラ局長(以下局長) 以前から日本に興味を持っており、昨年内部で日本事務所立ち上げの話が出たときに立候補し、着任できました。実は昨年のツーリズム・エキスポで来日はしていたんですよ(笑) 8年振りの日本局長としての栄誉を賜り、光栄であると同時に責任も感じています。

–––日本のお客様に対して、ポルトガルのどのような魅力を発信していこうと考えていますか。

局長 着任して以来、いろいろな方にお話を聞くと、皆ポルトガルに非常にいいイメージを持ってくださっており、とてもありがたく思います。しかしまだ漠然としたイメージにとどまっているところもあるので、今後は実際にどのような体験ができるかなどをしっかり伝え、旅行会社の方々には必要なサポートをしていきたいと思います。現在日本からポルトガルを訪れるお客様は、年間約13万人で推移しています。日本からポルトガルへの直行便はありませんが、ヨーロッパのほとんどの航空会社はリスボンに乗り入れています。またエミレーツ航空もリスボンへのフライトがあるほか、2019年7月からドバイ/ポルト便の運航を開始します。リスボンやポルトを拠点に、様々なポルトガルを見ていただければと思います。

–––当社ではポルトを歴史的な絵になる町として捉え、さらに北部の小さな村やドウロ渓谷、山岳部のモンサントなどを訪れる旅もつくっています。
巨大な岩の町モンサント
局長 北部から東部の山岳地方の小さな村々は「本当のポルトガル」といえる魅力があり、個人的にも好きな地域です。ポルトガルにも過疎化の問題があり、観光産業がなかったら寂れていくだけの村が、皆様が訪れてくれることでその地や人々に活気が出て、より魅力ある地になっています。

日本の皆様はリスボンやポルトといったメインの町のほか、田舎の小さな村々を訪ねたいという方々が非常に多く、これは当局の統計にも出ているのですが、それはポルトガルにとっては本当にありがたいことです。


ポルトガルと日本の親近感

–––日本人はポルトガルと歴史的な交流があったことから、親近感を覚えるところがあります。

局長 理由はわかりませんが、私も子どもの頃から日本と聞くと親しみのような特別な感情がありました。不思議ですね(笑) 先日、旅行業者向けにポルトガルのセミナーを実施し、その際に「ポルトガル語になった日本語」をいくつか紹介しました。ビョウブ(屏風)、シャー(茶)、シャーベナ(茶碗)、カタナ(刀)などです。逆にカステラ、カッパ(合羽)、ビイドロなど、日本語になったポルトガル語もありますね。こうした大航海時代による文化の交流もまた、互いの国に親しみを感じる理由のひとつだと思います。

–––感性の面でも似ているところがあると思いますか?
ポルトガルの歴史が始まったポルト
局長 個人的な意見ですが、ポルトガルと日本がとても似ているのは、海に理由があるような気がします。日本は海に囲まれた島国ですね。ポルトガルも東側は山に囲まれ、西側は海に面しています。歴史的に東側から山を越え、強大な力を持つスペインに抜けるのは実は非常に困難だったため
–––それでポルトガル人は海を目指したのですが–––ポルトガルには島国のようなところがあるのです。そこが日本と非常によく似ていて、またこれがポルトガル人の明るいながらも繊細な国民性を育んできたのではないかと思います。また日本人に次いで、世界で2番目に魚を食べる民族ですし(笑) ファドなど、心の中を歌う運命や定めといった繊細な歌もあります。

–––日本の侘び寂びに通じるものがありますね。


避暑地・マデイラ島の魅力
マデイラ島のラブラドーレス市場
–––局長はポルトガルのどちらのご出身ですか?

局長 実は私はマデイラ島の出身です。マデイラ島はフラワーアイランドと言われ、フラワーフェスティバルも開かれる、とてもカラフルな島です。島の中央に東西に走る山脈があり、それが島を南北に分けています。北部は雨が多く緑豊かで、南部は農業地域。歴史的にサトウキビのプランテーションが行われ、今ではワインの生産のほか、バナナも採れます。  マデイラ島の気温は、夏は26~29度、冬は17~18度。厳しい夏を避けてマデイラに来る人もいますよ。

–––最近はヨーロッパも40度を超えることがありますから、絶好の避暑地ですね。当社でもマデイラ島を訪れるツアーを作っています。主都フンシャルでのおすすめの過ごし方を教えてください。

局長 まず市場です。ラブラドーレス市場は色とりどりの魚やフルーツ、花々が並び、見ているだけで楽しくなります。日本で食べる魚もたくさんあります。たとえばタチウオ。マデイラのタチウオ(エスパーダ)は黒いんですよ。一見グロテスクに見えなくもないのですが、テンプラ(フリット)が絶品です。フンシャルには庭や公園などにはいつも花々が溢れています。4月にはジャカランダも咲きますよ。

–––最後に当社のお客様にメッセージをお願いします。

局長 ポルトガル人は伝統的にお客様を歓迎する国民性です。いつも両手を広げて、皆様のお越しを、心からの笑顔とともに歓迎します。

–––ありがとうございました。