歴史ある風景

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2021年11月09日

温泉大国九州① 由布院 

九州支店:柴尾祐樹

温泉大国九州。私自身、大の温泉好きで、先日の添乗では鹿児島・大隅半島の温泉を堪能したばかりです。そこで2週にわたって九州の温泉地をご紹介いたします。今週は由布院温泉。数多ある九州の温泉のなかでも抜群の知名度を誇りますが、源泉数、湧出量ともに全国2位。名実ともに九州を代表する温泉地です。

ヨーロッパ式の湯治リゾート構想・由布院

由布院温泉は標高1,584mの活火山・由布岳の麓に位置し、前述のように源泉数、湧出量ともに全国2位を誇ります。ちなみに、第一位はどちらも別府。両者は車でわずか1時間弱の距離にあり、かつては由布院も、“別府十湯”という別府温泉のひとつに数えられていました。

別府から由布院へ車で向かう途中に位置する挟霧台(さぎりだい)展望台からの風景。由布岳をはじめとした山に囲まれた地に由布院温泉があることがよく分かります。
角のような二つの頂を持つ由布岳は温泉地のシンボルです。

さてこの由布院温泉ですが、温泉地を整備するにあたりモデルにしたのがヨーロッパ式の湯治リゾートです。温泉のちからで疾病を治療、緩和、予防する自然療法の本場、ドイツに若手経営者を派遣。大型ホテルが並ぶ開発型観光地ではなく、自然景観や地域に根付いた文化を生かした長期滞在型の保養地を目指して、景観や街並みの整備を行っています。

高度成長期にはダムやゴルフ場建設がもちあがりますが、そのたびに青年団が先頭になって反対運動を推進。静かな景観と環境資源を守ってきました。いまでも100室を越える大型ホテルは1か所もなく、部屋数10~20前後の宿が中心です。

1975年、地震による風評被害を逆にチャンスととらえ運行開始した辻馬車。今も3月~12月の間、元気に走っています。
目抜き通りであっても大型ホテルやネオンなどはなく、景観に溶け込んだ建物が並びます。
温泉街の中に位置し、多くの観光客でにぎわう金鱗湖
年間を通じて水温が高いため、冬の早朝には湖面から湯気が立ち上る幻想的な光景を見ることができます。

抜群のアクセスが一躍人気温泉地へ

由布院にとって大きな転換期となったのが平成元年。大分自動車道の湯布院IC~別府ICが開業し自動車によるアクセス利便性が大幅アップいたしました。さらにJR九州初の観光列車「ゆふいんの森」が博多~由布院間で運行を開始。こうして一躍人気観光地として認識されるようになったのです。この「ゆふいんの森」はヨーロッパの保養地へむかう高原列車というコンセプトのもと、JR側が何度も湯布院へ足を運び温泉保養地を目指すまちづくりを学んでデザインしたといわれます。

グリーンの車体が周囲の景観によく溶け込む「ゆふいんの森」
大分出身の建築家・磯崎新氏が手掛けた由布院駅。
建物全体が黒で統一されシックにしてモダンな印象です。
由布院駅には足湯もあります。

地元の人々の尽力によって、温かく寛げる古き良き景観が現在も守られている由布院。今後もこの景観を守りつづけていきたいものです。

来週は山間の秘湯から一躍人気温泉地へ飛躍した黒川温泉をご紹介します。

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