町並み百選

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2023年02月28日

小泉八雲が愛した松江・塩見縄手(島根)

松江城の北堀に沿って広がる「塩見縄手」。かつて松江藩の500石から1000石取りの中老格藩士が屋敷を構えた通りで、約500メートルに渡り、江戸時代の城下町の風情を今に伝えています。縄手とは平地に細く延びる一本道のこと。塩見縄手の名称は、このほぼ中央に武家屋敷を構えた中老・塩見小兵衛の栄進を祝い名付けられたといわれています。堀沿いに残る巨松の並木は江戸当時に植えられ、太い幹や垂れ下がった枝をくぐり抜けながらの散策もまた楽しいものです。松江市伝統美観地区に指定され、「日本の道100選」にも選ばれています。

小泉八雲記念館前から明々庵周辺まで、江戸時代から残る巨松が並ぶ塩見縄手
船頭さんの解説を聞きながら松江城のお堀を船で巡る「ぐるっと松江堀川めぐり」
中老格の家中屋敷ができあがったのは1638年の松平直政入府ごろといわれています ©島根県観光連盟

松江をこよなく愛した作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が暮らしたのがこの塩見縄手です。1890年、日本文化に魅せられ来日した小泉八雲は、英語教師として松江に赴任。妻の小泉セツと結婚後、「侍の屋敷で暮らしたい」というかねてからの念願を叶え、松江藩士根岸家の武家屋敷を借り生活しました。日本庭園を望む居間では『知られざる日本の面影』をはじめとする多くの作品が執筆され、小泉八雲旧居として国指定史跡に登録されています。

小泉八雲旧居の隣に建つ小泉八雲記念館は、小泉八雲の曾孫である小泉凡さんが館長を務められ、過去のツアーでもお会いした方もいらっしゃるでしょう。

町の人たちから「へるんさん」と親しまれていた小泉八雲が暮らした旧居
居間には執筆活動をした机が再現されています

塩見縄手にある月照寺にも立ち寄りました。月照寺は茶人として名高い松平治郷(不昧公)はじめ松江藩の歴代藩主の菩提寺。併設の茶室で、抹茶と茶菓子をいただきました。書院でお茶を味わい、静かに石庭を眺めるのも松江の粋な過ごし方。大人の散策を楽しみました。

月照寺は松江の藩主・松平家の菩提寺 ©島根県観光連盟
月照寺にて。風流堂の銘菓「路芝」と共にお抹茶を

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