2010年の米アカデミー賞を賑わせた映画、『アバター』に登場する「パンドラ」のモデルになったのが、武陵源でした。その神秘の世界に迫る旅の1日をリポートします。
百龍展望エレベーターに乗って
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326メートルを2分足らずで駆け上がると、
仙境の世界が |
ホテルの1階にある朝食レストランから眺めた武陵源の空は曇っていました。それにしても、レストランは中国の人、台湾の人、韓国の人で賑わっています。手配課の呉さんが冗談交じりに言っていましたが、韓国では武陵源に行っていないと恥ずかしいといわれるほどの人気の旅先、とのこと。日本人が見当たらないのが、寂しいというか、不思議というか。中国人や韓国人は、出発時間が早いので勢いよく朝食を済ませて、出かけていきます。私たちは、ここに3連泊するので、9時30分の余裕の出発。観光も、午前1カ所、午後1カ所というように、とてものんびりしたものになっています。と、見る間に雲が晴れてきました。さあ、私たちも出発です。
ホテルを出ると、約5分で風景区のゲートに到着。私たちが泊まるこの青和錦江国際酒店は、昨年オープンしたばかりの準五ツ星クラスのホテルで、ロケーションは抜群です。
観光の出発点となるゲートにも人がたくさん。ここでバス待ちをして、次から次にバスに乗り込んでいきます。私たちは、私たちだけの専用シャトルバスに乗って、観光をスタートさせます。最初に向かうのは、百龍展望エレベーターです。その途中に、武陵源の風景を織り成す、巨大な奇峰が現れました。皆様から歓声が上がります。
武陵源は3億8000万年前は、海底にありました。それが地殻変動によって隆起して山を形作り、永年の風雨によって削られて現在のような奇峰、怪石が屹立する風景を作り出したのです。今も、約400平方キロという広大な自然風景区の中に、3000の峰々が林立しているのですから驚いてしまいます。九寨溝と並ぶ、絶勝が展開する場所なのに、なぜ日本人がもっと足を運ばないのか、やはり不思議に思えてきます。
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エレベーターで上昇中、
一気に視界が開けます |
展望エレベーターには、その人気を物語るように、多くの観光客が列を成していました。私たちもその列に加わります。この絶景の地に25人乗りの巨大な展望エレベーターを作ってしまうのですから、中国のやることはダイナミックです。エレベーターに乗ると、326メートルを2分足らずで駆け上っていきます。数十秒は暗闇の中ですが、だんだん明かりが迫ってきて、一気に視界が開けると、直立する奇峰の姿が目の前に。乗客からはやんやの歓声が上がります。そして、到着したそこには、峰々を見下ろせる、天空の世界が広がっていました。再び、シャトルバスに乗り込んで、その驚きの峰々が作り出す風景に思わず魂が迷い出るといわれる迷魂台、天然のアーチが架かる天下第一橋へ。晴れ渡る空の下に現れた仙境の世界に、皆様から来てよかった、の声が聞こえてきました。
様々な視点から奇峰を楽しむ
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| 武陵源はロープウェイや船、いろいろな乗り物で絶景を楽しめるのがポイントです |
天下第一橋の見学を終えると、天子山山頂付近にある昼食レストランへ向けてシャトルバスを走らせます。その間、およそ30分。カーブを曲がるたびに、奇峰群が現れ、目を楽しませてくれます。武陵源がなおいいのは、それらが木々に囲まれ、緑に彩られていること。鬱蒼と茂る鮮やかな緑が、とても穏やかな気持ちにさせてくれます。秋になれば、ところどころに黄や赤が交じって、さぞフォトジェニックな風景が広がるのでしょう。
午後には、レストランの近くの御筆峰や仙女献花を歩いて回ります。迷魂台や天下第一橋もそうですが、武陵源は、ネーミングが振るっているなあと感心します。
バスに乗って、天子山ロープウェイの乗り場へ。今日歩いたのは展望台への道すがらだけで、展望台から展望台への移動はバス。このあたりが黄山と異なるところです。そして、エレベーターと翌日に乗るミニトレイン、船遊覧と、様々な乗り物から奇峰を見上げたり、見下ろしたり、視点も様々に楽しめるところが武陵源の魅力なのです。そうこう考えているうちに、ロープウェイ乗り場に到着。この移動時間が短いというのもポイントです。ここにも列が続いていますが、これだけの景色を見せてくれるのですから、人気なのは道理というもの。15分の空中散歩は、どんな絶景を見せてくれるのでしょう。ワクワクしてきました。