【海外】帰国しました。添乗員レポート

【海外】帰国しました。添乗員レポート
2026年06月07日
【帰国レポート】ヒマラヤの禁断の王国・ムスタンへの旅
<5月16日発 添乗員 東京支店・相澤満弘>
<5月16日発 添乗員 東京支店・相澤満弘>
2024年新春にワールド初登場として発表した、ネパール・ヒマラヤの奥地・ムスタンを訪ねる旅。大変光栄なことに、「地域や文化とのつながりを壊さずに大切にしたい思い」を旅に込めた点が評価され、2025年には「ツアーグランプリ」海外旅行部門の観光庁長官賞を受賞しました。
私自身もかつてムスタンをご案内したことがありましたが、その際は「ロウアー・ムスタン」のみでした。今回は、ムスタンの中でも「ロウアー・ムスタン」の中心地ジョムソンを基点に「アッパー・ムスタン」のローマンタンまで訪ねて、ムスタンに計5泊。
現地で出会ったチベット仏教を信仰する人々の素朴な暮らしぶり、祈りの風景、荒涼とした大地や万年雪を抱いた美しいヒマラヤの絶景。かつて訪ねてきた他のネパールとの異なる景観を見せてくれるムスタン地方は、まさに「秘境」と呼ぶにふさわしい場所でした。
ぜひ多くの皆様に訪ねていただきたいアッパー・ムスタンへの道のりについて、レポートします。


アッパー・ムスタンまでの道のり
首都カトマンズからポカラを経由し、さらにムスタンの中心地ジョムソンへ。移動はすべて航空機となり、なかなか容易に訪ねられる場所ではありません。それでもポカラには数年前に新しい国際線空港が完成し(現在、国際線の定期運航はなく、一部の国内線が就航)。また今回は空路を利用しましたが、ポカラからジョムソンまでの道路はかつてのでこぼこの山道ではなく、しっかりと整備されており、かつて9時間かかっていた道のりも5~6時間までに短縮されたとのこと。少しずつですが、困難だったムスタンへの道のりも整備されていることに、今後が期待されます。




カトマンズやポカラはアジア系の観光客が多く、ジョムソンは避暑や近郊にあるヒンドゥー教聖地ムクティナート巡礼のために多くのインド人が訪ねていました。ジョムソンから北へ進みアッパー・ムスタンに入ると、トレッカーのグループやホテルでのんびり過ごすヨーロッパ人個人客、またはバイクツーリングをするネパール人を時折見かける程度で、観光客はほとんど見かけません。
ロウアー・ムスタンとアッパー・ムスタンの境目となる村はチュサン。ここにあるチェックポストで入境手続きをして山道をゆくと、旅人念願のアッパー・ムスタンの旅が始まります。
私が10年以上前にジョムソンを訪ねた当時は、ローマンタンなどの「アッパー・ムスタン」は車の通れる道路はなく、村には電気や水が引かれず、入域するための許可証取得も容易ではありませんでした。「ポカラまで行くのに歩いて18日間かけていた」との話を現地の方々から耳にして、たった10数年のうちにかなり楽に訪ねられるようになった印象です。
ローマンタンへ空路で訪ねる術はないため、陸路で往復します。ジョムソンからローマンタンまでは、8つの峠を越えていきます。未舗装路のためスピードは出ませんが、道すがら見える風景も旅のハイライトのひとつ。特に復路は正面にアンナプルナ山群を眺めることができ、途中の景色の良い場所では何度か写真撮影をしました。


城塞都市ローマンタンをゆく
「ムスタン街道」の最終目的地は、ローマンタン。山道が整備されたことに加えて、しっかりと寛いでいただけるホテルが完成したことも、このツアーを発表できた要因のひとつです。高度順応を図るため、ムスタン(標高2740メートル)、ツァラン(標高3560メートル)、ローマンタン(標高3810メートル)と徐々に標高を上げていきました。ツァラン、ローマンタンでは、2008年まで続いていたムスタン王国の王家とその親族が経営する新ホテルに宿泊。かつては発電機を利用した小さなゲストハウスしかありませんでしたが、想像以上に快適です。


外ではまともなレストランがないため、3食ともホテルとすることがほとんどでした。極力同じ食事内容とならないよう、飽きがこないようにと様々な工夫をしてくれて、また盛り付けも日本人の私たちに合わせて、少しずつの配膳で、その心遣いを嬉しく思いました。


旅のハイライトであるローマンタンでは、城砦都市の中に足を踏み入れましたが、これもまた感動的でした。私もかつて、中国領チベット、インドではラダックやシッキム州、ブータンなどを訪ねてきましたが、ここほどにチベット仏教が暮らしに生きている場所はそうないかもしれません。それは10数年前まで車がなく、城塞に囲まれているために、文化が良く保存されてきたからでしょう。男性がマニ車を回しながら座り込んでいたり、民族衣装の女性たちが談笑していたりという姿を目の当たりにして、「まだこんなところがあったのか」と感銘を受けました。


先に述べたチケット圏にも名刹・古刹はありますが、ローマンタンの場合は城塞都市の規模が極めて小さく、主な城門は北にひとつあるのみ、車が入れる広い道はなく、路地が入り組んでいるため、簡単に城内を巡ることができます。今回は、ちょうど小学校の子どもたちが学校から顔を出して、珍しい訪問客に元気よく挨拶をしてくれました。


ムスタン王の後継者 ジグメS. P.ビスタ氏にお会いできました!
そして、今回、ローマンタンでラッキーだったのは、最後のムスタン王の後継者のジグメS. P.ビスタ氏にお会いできたことです。ムスタン王国は1380年頃に起こり、ネパール王国に併合された後も高度な自治権が認められていました。2008年にネパール政府により王政が廃止されたため、先代国王が退位し、ムスタン王国は終焉しましたが、第26代の後継者、ジグメS. P.ビスタ氏が偶然、ローマンタンを訪ねていました。
私たちが日本から来たことを伝えると、通常は入れない旧王宮の中を案内してくれ、また宿泊ホテルで一緒にお茶を飲みながらお話をしたり、記念写真を一緒に撮ったりして、とてもフレンドリーに接してくれました。今後についてはお約束できないことですが、またぜひローマンタンで先々のツアーグループに会うことができれば、ぜひ皆様を歓迎したいとお話をしてくれて、偶然の出会いにも恵まれた旅となりました。

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