2020年8月26日更新

第22回 中国・西安 始皇帝兵馬俑博物館×第二抗・5体の武官の埴輪

 

秦の始皇帝

紀元前221年、約200年続いた中国戦国時代の世を治め、歴史上初の中国統一を果たした秦の始皇帝は、中国陜西省(せんせいしょう)・西安市の陵墓にて眠ります。

ここは秦国の時代の都・咸陽(かんよう)が置かれた場所で、そこから南東にそびえる驪山(りざん)に彼は自ら生前に墓を造り始めました。晩年、始皇帝は不老不死の秘薬や秘術の研究に没頭し、この生前墓も自身の第2の活動拠点となったと言われています。中国の前漢、武帝の時代の歴史家「司馬遷」(紀元前145年?~紀元前87年?)が残した歴史書「史記」には、かつてこの墓室は宮殿のような宝物に満ち、水銀の川が流れ、侵入者に向けた弓の仕掛けがあり、巨大な陵墓の完成には37年もの歳月と、70万人が動員されたと書かれています。


 

2000年の時を経て発見された兵馬俑

兵馬俑博物館の建物
始皇帝の死後、この陵墓は長い間地中に眠り、発見されたのは作られてから2000年近くたった1974年の事。

農夫によって偶然発見されたこの場所からは夥しい数の兵士の埴輪が出土され、地下に2千年の間眠っていた「兵馬俑」が日の目を浴びる事になりました。発見から40年以上が経った現代でも発掘調査が進められており、兵馬俑は博物館として開放されています。
秦始皇帝兵馬俑

5体の武官の埴輪

博物館は現在第1抗から第4抗が一般開放され、特に見所となるのは最大規模の埴輪が並ぶ第1抗、そして第2抗です。第2抗には始皇帝の兵士の中で、特に優れた兵士の埴輪が並び、実在のモデルに合わせた表情と、役職ごとに異なる特徴的な装備品と実に細かい細工がされた5体の武官の埴輪がガラスケースの中に展示されています。兵馬俑の中でも一体ごとに表情が違う兵士を、すぐ横に立ち間近にご覧いただけるのはここだけです。
 
今なお発掘調査が進み、訪れる度に新しい発見がある秦始皇帝兵馬俑博物館で、古代中国の礎を築いた秦始皇帝の威光に思い馳せてはいかがでしょうか。


次回は第23回 イタリア・フィレンツェ ウフィッツィ美術館の「ヴィーナス誕生」をご紹介します。お楽しみに!
次回更新予定:9月2日(水)

東京支店:中屋雅之


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