2020年8月19日更新

第21回 メキシコ・メキシコシティー メキシコ国立人類学博物館の「パカル王の翡翠の仮面」

 

メキシコ国立人類学博物館

メキシコ国立人類学博物館
メキシコが世界に誇る「メキシコ国立人類学博物館」は、メソ・アメリカ(中米)文明の謎を解く、貴重な壁画や石造が集められおり、メキシコの宝石箱と言っても過言ではないでしょう。

アステカ、テオティワカン、マヤなどの各文明の遺宝が数多く展示されています。この博物館の目玉と言えば、アステカの暦として有名な「太陽の石」ですが、もう一つここで注目したいのが「パカル王の翡翠の仮面」です。


 

マヤの都市遺跡が「パレンケ」

メキシコの中でも特に有名なマヤの都市遺跡が「パレンケ」です。これは7世紀に最盛期を迎えた都市の遺構であり、宮殿を中心とする「マヤ遺跡の典型」と言われる建物群が密林の中に残っています。1987年には「古代都市パレンケと国立公園」としてユネスコの世界遺産に登録されました。
密林に佇むパレンケ遺跡のピラミッド「碑文の神殿」

パカル王と翡翠

7世紀に在位したパカル王(在位615年~683年)は若干12歳で王位を継承し、長年パレンケを統治し、衰退していた都市を復活、繁栄させました。1952年、パレンケのピラミッド「碑文の神殿」の最上部から、古代の財宝と工芸品で溢れるパカル王の墓が発見されました。当時ピラミッドは神殿であり墳墓ではないと考えられていたために、この発見はメキシコ考古学史上最大の発見のひとつとも言われています。

発見時、首飾りと指輪、両掌にも翡翠が握らされ、王の顔にはモザイク状に張り付けられた翡翠の仮面を載せ、口の中にも翡翠を含まされていました。マヤ民族は翡翠を大変珍重し、死者に生命を与え、魂を復活させる力があると信じられていました。また、優れた加工技術やその芸術性から翡翠の仮面含め王墓の発見は、密林の中に芸術的感性を持つ高度な文明が存在したことを世界に証明したのです。
340片の「最も尊い色」とされる緑の翡翠と4片の貝殻、2片の黒曜石を使った翡翠の仮面
館内には、ほかにもオルメカ文明やアステカ文明など様々なメソ・アメリカ文明の芸術品が展示されているので、メキシコの旅の予習や復習としても楽しむことができます。メキシコにお出かけの際は訪れてみませんか。


次回は第22回 中国・西安 「始皇帝兵馬俑博物館 第二抗・5体の武官の埴輪」をご紹介します。お楽しみに!
次回更新予定:8月26日(水)

東京支店:中屋雅之


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