2020年6月17日更新

第12回 パリ・ルーヴル美術館×サモトラケのニケ

パリ・ルーヴル美術館
「サモトラケのニケ」

パリのルーヴル美術館は世界最大級の美術館であるとともに世界最大級の史跡の一つです。パリの中心部に位置し、先史時代から19世紀までの様々な美術品35000点近くが、総面積60.600平方メートルの展示場所で公開されています。世界で最も入場者数の多い美術館でもあり、毎年800万人を超える入場者が訪れています。

この建物はもともとフランス国王フィリップ2世が12世紀に要塞として建設したルーヴル宮殿であり、現在でも当時の面影が残されています。フランソワ1世の改築以来、歴代フランス国王の王宮として使用されてきましたが、1682年、ルイ14世が王宮をヴェルサイユ宮殿に移し、その後は1692年以来収集されてきた古代彫刻などの王室コレクションの収蔵、展示場となりました。
サモトラケのニケ
すでに訪問された方も多いと思いますが、とにかく広く収蔵品の数が多いので1度や2度の訪問ではごく一部見学しかできないでしょう。

初めてルーヴル美術館を訪れた際、絶対に見逃すことのできない重要な作品は私の個人的には以下の3点です。

① レオナルド・ダ・ビンチのモナリザ
② ミロのヴィーナス
③ サモトラケのニケ


その中で今日はサモトラケのニケをご紹介させていただきます。

「サモトラケのニケ」はヘレニズム時代の大理石彫刻で、紀元前220年~紀元前185年頃のものです。ギリシャの神、翼の生えた勝利の女神ニケが空から船のへさきへと降り立った様子を表現した彫像です。1863年にエーゲ海のサモトラケ島で発見されたのでその名前があります。

高さは2.44メートル。頭部と両腕は失われていますが、躍動感のある姿と、細やかな「ひだ」の表現などが素晴らしく、ギリシャ彫刻の傑作と呼ばれています。ルーヴル美術館ではこの彫刻は長い階段を上った高い場所に置かれ、遠くらかもよく見えます。視覚的効果も考えた配置となっているようです。  

この彫刻が発見されたサモトラケ島はエーゲ海の北東部、ギリシャ・トルコの国境のわずか数キロ西の海に浮かぶ、島の最長部で17キロメートルという小さな島です。紀元前8世紀の終わりに、サモス島の支配からギリシャの植民地となり、「トラキア地方のサモス」という名前からサモトラケ島と呼ばれるようになりました。ここは「偉大なる神々の秘儀」が伝わる特別な信仰の場所とされてきました。
この場所で1863年、ニケ像が発見されたのです。

ちなみにギリシャの神ニケはローマ時代になるとヴィクトリーと呼ばれ、やはり勝利の女神として崇められます。また、ギリシャ語のニケを英語読みにすると「ナイキ」つまり有名スポーツメーカーの名前はここから来ているのです。

次回はイギリス・ロンドン 大英博物館をご紹介します。お楽しみに!
次回更新予定:6月24日(水)

東京支店:中屋雅之


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