2020年9月2日更新

第23回 イタリア・フィレンツェ ウフィッツィ美術館の「ヴィーナス誕生」

 

フィレンツェ ウフィッツィ美術館

イタリアのフィレンツェにあるウフィッツィ美術館は1591年から公開され、近代式の美術館としてはヨーロッパ最古のものです。また、イタリア国内の美術館の中では収蔵品の質・量ともに最大のものであり、1982年には世界遺産フィレンツェ歴史地区の一部として登録されています。この博物館は特にルネッサンス絵画で有名ですが、今回はその中でボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」をご紹介します。
ヴィーナスの誕生

サンドロ・ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」

「ヴィーナスの誕生」はギリシャ神話の中でもとくに有名な物語です。この作品はルネッサンス期の画家サンドロ・ボッティチェリの作品で、キャンパス地に描かれたテンペラ画であり、縦172.5cm、横278.5cmの大作です。この絵はギリシャ神話で語られる通り、美の女神ヴィーナス(ギリシャ名アフロディーテ)が海の泡から誕生し、ホタテ貝に乗って陸に近付いている場面です。

神話の中で、この場所は現在のキプロス島のペトラ・トゥ・ロミウという海岸だと言われています。実際にこの海岸に行ってみると、波打ち際には五色の石が波に洗われ、水も透明で大変美しい場所です。ここに大小2つの岩があり、ここがヴィーナス誕生の地だとのこと。展望台からこの海岸を見てみると、複雑に入り組んだ海岸線の形がボッティチエリの絵に描かれた海岸線と非常によく似ています。もしかしたら、ボッティチェリはこの場所に来たことがあるのでしょうか?
キプロス島の海岸「ペトラ・トゥ・ロミウ」

ヴィーナスのモデルになった「シモネッタ・ヴェスプッチ」


シモネッタ・ヴェスプッチ
ここに描かれたヴィーナスは美の女神というだけあって大変な美女に描かれていますが、実はこのヴィーナスにはモデルがいると言われています。

それは当時フィレンツェで絶世の美女として有名だったシモネッタ・ヴェスプッチという人物です。彼女は15歳の時に親の決めたフィレンツェの銀行家の元へ嫁いでやってきましたが、その美貌にフィレンツェでは大変有名だったそうです。

因みに、このシモネッタ・ベスプッチの遠縁にアメリカ大陸を発見し、アメリカの名前の語源になったアメリゴ・ベスプッチがいます。大変有力な一族だったようです。

 



次回は第24回 ドイツ・ベルリン アルテス・ムゼウム(旧博物館)の建物そのものをご紹介します。お楽しみに!
次回更新予定:9月9日(水)

東京支店:中屋雅之


前回の記事 第22回 中国・西安 始皇帝兵馬俑博物館×第二抗・5体の武官の埴輪はこちら
記事のバックナンバーはこちら