【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2021年01月26日

【帰着レポート】滋賀ガストロノミーの旅

2020年12月10日~12月13日 4日間 添乗員:東京支店 太田勇樹

予約の取りづらいレストラン「セジール(SAISIR)」を貸し切り、滋賀料理の名店「ひさご寿し」や坂本の庭園も美しい食事処「芙蓉園別館」での食事を組み込んだ滋賀ガストロノミーの旅にお客様をお連れしました。とくに2日目にご案内しました精肉屋の名店「サカエヤ」併設のレストラン「セジール」は素晴らしいものでしたので、ご報告したいと思います。

肉のプロフェッショナルが「手当て」する
「サカエヤ」

「どんな肉でもおいしくする」といわれる肉のソムリエ新保吉伸さんの精肉店「サカエヤ」。サカエヤの肉にはほかとは違う「手当て」というひと手間が加わります。生産者の牛の育て方や飼料を把握し、個体により保存方法を変えながら、料理人に合わせた肉を作り上げていくのです。双方納得したお店にしか卸さない貴重な肉を求めて、サカエヤと取引したいという料理人の声が続出しているとのこと。

ヨーロッパの精肉店をイメージしたサカエヤ

南草津駅から徒歩30分あまりという辺鄙な場所にあるお店ながら、日本で最も有名な精肉店のひとつです。ひと目見ただけでは精肉店とは思えないお洒落な空間に並べられたお肉は、まるで美術館の展示品のようでした。

店頭に並べられているお肉にも丁寧な手当てが施されているにもかかわらず、東京で買うよりも安いとお客様から評判でした。ハンバーグやコロッケなどの加工品や特製のソースなども販売されており、家の近くにほしいと心底思った限りです。

お店に卸す熟成肉の数々
綺麗に陳列されたお肉。
加工品やワインの販売もあります

草津にキャンパスのある立命館大学の学生が買い物に来ていました。私たちが並んでいるのを見て初来店したそうですが、まさか精肉店だとは思わなかったとのこと。お洒落でモダンな新しいスタイルの精肉店。店員さんの対応や並んでいる肉を見るだけで、肉に対するこだわりや考え方が伝わってきます。「お食事をされる前にぜひ立ち寄ってください」とセジールのスタッフに言われた意味がわかった気がしました。

サカエヤの肉が個性的なイタリアンに
名店セジール「SAISIR」

シェフの溝口さんはイタリアでの3年半にもわたる修業期間の中で、約2年間ヒッチハイクで旅していたそうです。特定の地域にとらわれない、イタリア全土の特色を織り交ぜた個性豊かな料理は、そんなシェフの経験が活かされているのだと思います。

サカエヤに併設されたレストラン「SAISIR」

ウルテ(牛の気管の軟骨)や豚の頭、膵臓など、精肉店に併設されたレストランならではの希少部位を使った料理や、ペットフードの加工用に安く売られることの多い子どもを産んで年老いた経産牛などをメニューに積極的に取り入れ、サカエヤの「手入れ」により輝きを取り戻した肉を使用し、セジールならではの世界を作り出しています。

新保さんが精肉店併設のレストランを立ち上げた理由のひとつに、ヨーロッパの精肉店の存在があったそうです。ヨーロッパではレストランを併設していることが普通です。「おいしい肉とは、生産者の努力、肉を手当てする精肉店の技術、料理人の腕の三要素が合わさって実現するもの」とのこと。精肉店とレストランが同じ場所にいるということはおいしい肉を提供するには必然であったわけです。

メインディッシュにはその日の最高の状態に仕上がっている肉をグリル焼きで提供。強火で一気に焼く肉もあれば、水分を飛ばしながらじっくり火を入れる肉もあり、肉の特徴を熟知しているからこそのこだわりだと思います。香ばしい香りとともに噛めば噛むほど広がる熟成肉の旨味には驚きました。そして、柔らかい霜降りのお肉ばかりが和牛ではないと実感させられました。サカエヤの肉を味わうためだけに滋賀まで訪れる人が大勢いることにうなずける味でした。

里芋と豚の頭のテリーヌ
メインディッシュは豪快なグリル焼き

昔は牛を解体するのは御法度であり、食べる文化もなかったといわれます。しかし、江戸時代から彦根藩が薬という名目で、肉の酒漬けを将軍に献上していたそうです。近江は当時日本有数の米どころでした。農耕のために多くの牛が飼われ、農耕で働き終えた牛が食されていた、そんな文化が根付いた土地なのだと思います。そのような歴史のある場所で、新しく誕生した肉の聖地。滋賀でしか食べることできない美食をぜひ味わっていただきたいです。

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