視察レポート

視察レポート

2021年02月10日

倉敷美観地区で過ごす自由散策

東京支店 酒井康行

2020年9月28日発「徳島の秘境 大歩危祖谷温泉の旅」(帰着レポートはこちら→)と2020年9月30日発「ベンガラの町・吹屋と備中松山城の旅」(帰着レポートはこちら→)のいずれにも添乗員としてご案内して参りました。偶然にもいずれも岡山駅集合・解散ということで、続けてのご案内が実現できたのですが、折角の機会でしたので、さらに岡山駅から気軽にアクセス出来る見どころも視察して参りました。このたびは有名な観光地「倉敷美観地区で過ごす自由散策」を意識して、通常の観光ではあまりご案内していない箇所をご紹介致します。

岡山駅から倉敷駅まではJR山陽本線で僅か15分程です
倉敷駅前、岡山が本店の天満屋が隣接しています

見どころ① 国指定重要文化財 大橋家住宅

 倉敷駅前から南へ延びる倉敷中央通りを進むこと約10分。倉敷美観地区と倉敷中央通りを挟んで反対の地区にひっそりと佇むのが、国指定重要文化財の大橋家住宅です。
 大橋家の先祖は豊臣氏に仕えた武士で、1615年に大阪城が落城すると、京都五条大橋辺りに隠れ住み、幕府の追及を逃れるため大橋を称するようになったと言われています。江戸時代初期に備中中島村(現倉敷市中島)に移り住み、その後の宝永2年(1705年)にこの倉敷に住むようになりました。
 代々「中島屋平右衛門」と称し、水田・塩田を開発して大地主となり、かたわら金融業を営み大きな財を成していきました。
 大橋家は倉敷町屋の典型を示す代表的な建物で、主屋や長屋門・米蔵・内蔵の4棟が、昭和53年(1978年)に国の重要文化財の指定を受けています。
 街道に面して長屋を建て、その内側に前庭を隔てて主屋を構えた建物の配置が特色となっています。主要な出入り口がその長屋を貫くように作られているため「長屋門」と呼ばれ、通常の町屋では許されないことが行なわれていることは、当時倉敷代官所の許可があったわけで、その格の高さが偲ばれます。
 主屋はで本瓦葺き、屋根裏に部屋とを設けた重層の建物が主体となり、東には平屋建ての座敷があります。用材の多くは地方産の松を使い、化粧材は欅、杉などを用いて仕上げにして、簡素ではあるが行き届いた建物となっています。

国指定重要文化財の大橋家住宅の主屋入口
蔵の中は展示室になっています
書斎
テーブル席の置かれた居間
台所
珍しい香時計や刀箪笥

見どころ② 大原美術館の創設者・大原孫三郎の邸宅 大原本邸 旧大原家住宅

 倉敷で最も有名な観光地と言えば「大原美術館」でしょう。エル・グレコ、ゴーギャン、モネ、マティスなど、展示されている作品は一級品ばかり。
 大原美術館は、倉敷を基盤に幅広く活躍した事業家・大原孫三郎が、前年死去した画家・児島虎次郎を記念して昭和5年に設立した、日本最初の西洋美術中心の私立美術館です。
 そんな大原美術館の目の前を流れる倉敷美観地区を形成する倉敷川に架かる今橋を渡ってすぐの場所にあるのが大原本邸・旧大原家住宅です。
 ここは代々の大原家の人々がの仲買等の商いに励み、倉敷紡績(現 倉敷紡績㈱(クラボウ))、倉敷絹織(現 ㈱クラレ)の経営に意欲的に取り組み、そして家族とともに暮らしてきた家です。
 建物は3代金基の時代、1795年(寛政7年)に建築が始まり、以後増築を重ね、明治中期にはほぼ現在の形となりました。1971年には倉敷の伝統的町家「旧大原家住宅」として主屋、離れ座敷、蔵8棟が国の重要文化財に指定されています。 
 入ると土間が続き、その左側には「店の間」、「居間」、「台所」と、商家、大原家日常の場が広がります。そして土間を抜けると、蔵の連なる石畳が続きます。邸内にありながら一つの町並みとも思える景色です。蔵内の展示をご覧いただきながら、石畳を進むと左側には離れ座敷。座敷にお上がりいただくと、眼前に決して塀の外からは想像できない静寂の日本庭園が広がります。

いよいよ美観地区に入ります
旧大原家住宅に入るとすぐに凝った装飾で我々を迎えてくれます
旧大原家住宅の内部はまるで町のように道も配備されていま
大原本邸 旧大原家住宅 入口
旧大原家住宅の正面に架かる橋を渡ると、目の前には大原美術館が聳えます
蔵の内部は資料館になっています
離れ座敷の日本庭園も美しいです

見どころ③ 倉敷アイビー・スクエア

 倉敷アイビー・スクエアは、明治時代の倉敷紡績所(現クラボウ)発祥工場の外観や立木を可能な限り保存し、再利用して生まれた、ホテル・文化施設を併せ持つ複合観光施設です。倉敷の工芸品や民芸品、銘菓などのお土産を購入できるショップも営業しています。平成19年(2007年)には、旧倉敷紡績所が日本の産業の近代化に大きく貢献したとして、創業時の紡績工場の建物群が、国の「近代化産業遺産」に認定されました。
 宿泊しなくても訪問は可能で、イギリスの工場設計を忠実に再現した煉瓦積みやノコギリ屋根、春夏秋冬で彩が変わる壁面を覆う蔦、クラボウの歴史が明治・大正・昭和・現在と年代順に展示されている倉紡記念館などは注目です。

白壁通りに架かる橋らか美観地区を見納めて、倉敷アイビー・スクエアへ
倉敷アイビー・スクエア内部
開放感に溢れた1400㎡にもおよぶ広大な中庭広場
倉紡記念館の入口

見どころ 番外編 倉敷はデニムの町

 瀬戸内海に面した、倉敷市の児島地区は、「国産ジーンズ発祥の地」とされていますが、それにちなんで児島産のデニム製品やデニム製の小物雑貨、装飾品などが、星野仙一記念館に通じる「倉敷デニムストリート」に取り揃えられています。その他にも、ラムネ味の「デニムソフト」や皮が青色の「デニムまん」(中は通常の豚まん同様の餡です)など、デニムにちなんで青系の色に仕上げた軽食が売られています。若干、グロテスクな色かもしれませんが美味しいので、是非、お試しください。

倉敷デニムストリート
デニムショップもたくさん見かけます
デニムまん
デニムビールもありました
デニムソフトにデニムバーガー、見た目は少々グロテスクですが、味は美味しかったですよ
デニムマスクの自動販売機

ベネッセハウスに泊まる 瀬戸内アート 直島・豊島・犬島の旅【4日間】

小豆島の西に位置する直島、豊島、犬島は、瀬戸内国際芸術祭の舞台であり、安藤忠雄や草間彌生といった国内外の著名建築家や芸術家の作品群が点在しています。瀬戸内海の風景の中、島の自然や地域固有の文化の中に現代アートや建築を置くことによって、どこにもない特別な場所を生み出しています。日帰りで訪れるツアーも多い中、この度は美術館とホテルが一体となったベネッセハウスに連泊し、終日かけて豊島と犬島へも海上タクシーを利用して訪問します。

出発日:3月10日(水) 、 4月14日(水)、5月8日(土)
旅行代金:¥225,000

特別な朝を楽しむ 倉敷ゆったり旅情【3日間】

白壁の蔵屋敷と優雅な洋館が川の両岸に並び、調和のとれた町並みが美しい「倉敷美観地区」。今回、わずか8室の和のオーベルジュを貸し切り2連泊。美観地区の中心に滞在することで、朝夕気ままに町歩きを楽しめます。さらに朝も楽しむ特別プログラムを3つご用意。1つ目は大原美術館を開館前に貸し切り訪問。学芸員の案内の下、珠玉の作品をご堪能ください。2つ目は美術館の創設者、大原家の別邸・有隣荘の訪問。賓客をもてなす邸宅で、通常非公開です。見事な庭園も見逃せません。3つ目は朝の静かな倉敷川を小舟で遊覧。水面から眺める町並みをお楽しみください。

出発日:3月10日(水) 、 3月17日(水)
旅行代金:¥168,000

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