町並み百選

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2022年06月13日

東海道五十三次の間の宿・有松(愛知)

かつて東海道五十三次を多くの旅人が往来したころ、江戸の日本橋から39番目の宿場・池鯉鮒(ちりゅう)宿と40番目の鳴海宿の間に茶屋集落として有松宿が造られました。

しかし有松宿は正式な宿場町ではなく間の宿(あいのしゅく)でしたので、ここに宿泊することは許されず、旅人相手の商売には限界がありました。そこで最初の移住者の一人、武田庄九郎が九州豊後の絞染の技法をこの地にもたらし、近郊の手織り木綿の技術と結びついて「有松絞」が発展しました。旅人も故郷へのお土産として、絞りの手ぬぐいや浴衣などを買い求め、いつしか街道随一の名産品となってゆきました。「東海道中膝栗毛」のやじさん・きたさんもここで買い物をしたと言われています。

歌川広重の描いた浮世絵「東海道五十三次」で描いた「鳴海宿」は実際にはここ「有松」であり、その絵の中にも紺の暖簾を下げた有松絞りの商店が描かれています。現在、この町で広重の絵と実際の町並みを比べてみると、ほとんど変わっていないことがわかります。
1748年の大火で村は全焼してしまいましたが、復興に当たって茅葺屋根は瓦葺に、木造の壁や軒裏は塗籠として町は再建され、現在に至っています。200年以上を経過した町並みは昔の繁栄と日本建築の美しさを今に伝える文化財として保護されています。

白壁の町並みが情緒ある有松宿
旅人に人気の土産物だった名物・有松絞り

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