町並み百選

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2021年06月03日

瀬戸内の港町 瀬戸田に平山画伯の面影を辿る

プランニング事業本部 吉田義和

今年3月にアマンの創業者ゼッカー氏が手掛ける新たな宿「Azumi Setoda」がオープンし、話題となっている生口島の瀬戸田。今でこそ「しまなみ海道」の一部として観光業が盛んになっていますが、かつては瀬戸内の小さな町でした。そんな瀬戸田の町に1930年に生を受けたのが日本を代表する画家、平山郁夫画伯です。海外旅行時代はシルクロードを長年担当していたこともあり、大好きな画家のひとりです。今回は、平山画伯の絵画とともに、瀬戸内、瀬戸田の街並みをご紹介します。

美しい港町 瀬戸田

瀬戸田の町は、しまなみ海道の途上にある生口(いくち)島にある港町です。しまなみ海道のサイクリングルートの休憩、立ち寄り場所として休日には旅行者で賑わいます。地域としては海を隔てた尾道市の一部で、道路ではすこし遠回りになるものの、定期船を利用すると尾道港から30分と非常に近い距離にあります。他にも三原港や、昨年デビューした観光客船シースピカに乗って広島港、呉港などからも訪れる事ができます。瀬戸田を訪れるならばぜひ船で訪れてみてください。島並みを抜けて、だんだんと町並みが現れてくる姿は実に風情があります。

美しい港町、瀬戸田
昨年デビュー、話題の観光客船シースピカも寄港します。

瀬戸田の町は、港を中心に町が形成されているため、港から徒歩でのんびり歩きが可能です。港の正面には今年3月オープンの「Azumi Setoda」があります。かつて製塩業や海運業で財を成した堀内家の屋敷を改装し、世界的ラグジュアリーリゾート「アマンリゾート」の創業者ゼッカー氏が日本的で洗練された「旅館」に仕上げました。隣接する建物は「Yubune」。町になかった銭湯を交流の場として提供しつつ、宿泊できるように設計した新しい宿のかたちです。すぐ脇には瀬戸田のメインストリートである「しおまち商店街」があります。サイクリングの休憩スペースや、カフェが並びます。「レモンの島」といわれる生口島だけあって、レモネードカフェなどレモンや柑橘系のスイーツを出すお店が多くあります。商店街を抜けると、「西の日光」とも言われる装飾の美しい寺院「耕三寺」と「平山郁夫美術館」が並びます。どちらもぜひ訪れていただきたい訪問地です。

しおまち商店街にあるサイクリングカフェ「潮待亭」
歩きやすい瀬戸田の町
港から続くしおまち商店街
風情ある旧堀内家の屋敷はホテルに生まれ変わりました。

平山郁夫画伯の描いた町の面影を探して

冒頭でもご紹介したように、ここ瀬戸田は平山郁夫画伯が生まれた地です。幼少期から絵の好きだった画伯は、瀬戸田の町を自分の庭のように駆け回り、絵を残しました。平山郁夫美術館には、平山郁夫画伯の生い立ちが分かりやすく語られ、子供の頃に描いた絵や、ふるさとである瀬戸田、尾道を描いた日本画を中心に展示しています。平山郁夫画伯はしまなみ海道、瀬戸田の風景を中心に、「しまなみ海道五十三次」と題したスケッチも残しています。町歩きの途上で、ぜひ絵に描かれた風景を探してみてはいかがでしょうか。

落ちついた日本家屋のような平山郁夫美術館
平山郁夫画伯が幼少期に描いた瀬戸田の町並み
瀬戸田の路地から港をのぞむ
瀬戸田の路地風景
しまなみ海道五十三次 千光寺への道 天寧寺の塔
尾道 千光寺への道

瀬戸田の味覚 タコをめしあがれ。

レモンの島として知られる瀬戸田ですが、食事としては瀬戸内名物のタコでも知られています。耕三寺の向いにある食堂「ちどり」は、タコ料理が名物。私は定食のたこめしをいただきましたが、グループで訪れる際はタコのコース料理をご用意しています。

地元の人から旅行者まで多くの人で賑わう「ちどり」
ちどりの定番メニュー「たこめし」

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