【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2026年07月23日

【帰着レポート】新潟から諏訪・山梨へ 縄文文化の旅

<2026年6月9日(火)~6月14日(日)6日間 添乗員 中屋雅之>

<2026年6月9日(火)~6月14日(日)6日間 添乗員 中屋雅之>

これまで、縄文を旅する「新潟・上越コース」と「諏訪・山梨コース」がそれぞれ催行されてきましたが、今回はその両方を一度に巡る、待望の6日間コースに添乗いたしました。
新潟県の信濃川流域では縄文中期に「火焔型土器」が、山梨県では「水煙文土器」が花開き、その造形の違いを比べる醍醐味も格別でした。さらに長野県の諏訪地方では2つの国宝土偶を間近にご覧いただくなど、比較的コンパクトなエリアでありながら、地域ごとに個性豊かな縄文の遺物と出会うことができました。各地の学芸員の方々による熱のこもった解説も素晴らしく、知的好奇心を存分に満たす、本当に充実したツアーとなりました。

信濃川流域の火焔型土器

東京駅から上越新幹線とき319号で長岡駅へ。到着後、まず向かったのは馬高遺跡と馬高縄文館です。旅の最初の見学地にふさわしく、ここで縄文時代の最高芸術作品のひとつ「火焔土器」と対面しました。炎が燃え上がるような躍動感あふれる姿から「火焔土器」と名付けられましたが、実はこの名称は、1936年にここ馬高遺跡で最初に発見されたこの土器だけに与えられた固有名詞であり、世界にたった1点しか存在しません。その後、信濃川流域を中心に同様の土器が多数発掘され、総称して「火焔型土器」と呼ばれるようになりました。現在、その卓越した造形美と高い歴史的価値が認められ、十日町市の笹山遺跡から出土したものは国宝に指定されています。これほど複雑な形状をしているところから、祭祀用に使われたと考えられがちですが、土器の底から炭化した穀物が発見されていることから、実際には煮炊き用の鍋として日常的に使われていたことがわかっています。こんなにも手の込んだ装飾を施した器を日々の料理に使うとは、どう考えても不思議に思えます。なぜ縄文人はこのような形状の土器を作り続けたのか——その答えは、彼らが持っていた豊かな芸術的感性と、美しいものへの飽くなき探求心にあるのではないかと、想像が大きく膨らみます。

オリジナルの火焔土器 「火焔土器」と呼べるのはこれ1点だけです。右はすべて「火焔型土器」です。
馬高縄文館に収められた火焔型土器の数々

山梨の水煙文土器

新潟の火焔型土器に対して、山梨県では同じ縄文中期のものでありながら、さらに繊細な芸術的感性を感じさせる「水煙文土器」が数多く見つかっています。その名の通り、水の流れや水煙をたなびかせるような優美な形状は、火焔型土器に勝るとも劣らない美しさです。山梨県立考古博物館や釈迦堂遺跡博物館などで実物を間近に見学することができました。釈迦堂遺跡博物館は、中央高速道路の建設工事の際にこの地で遺跡が発見され、多数の土偶や土器類が出土したことを受け、それらの貴重な文化財を守るために設立された博物館です。館内では美しい水煙文土器のほかにも、愛らしい「しゃかちゃん」「しゃっこちゃん」をはじめとする多くの土偶、さらに土器を焼く際に焼け具合を確かめるために使われた「焼成粘土塊」など、興味深い展示が並んでいました。さらに学芸員の方のご厚意により、通常は非公開の、未展示の土器などを収めた収蔵庫の中まで特別に見学させていただくことができました。

釈迦堂遺跡博物館の「水煙文土器」火焔型土器よりものと言われています。芸術的センスは驚嘆に値します。
釈迦堂遺跡で発掘された土偶、「しゃかちゃん」と「しゃっこちゃん」

長野県の茅野市尖石縄文館では2体の国宝土偶を見学

諏訪湖の周辺には旧石器時代から縄文時代、弥生時代にわたる遺跡が数多く点在しています。この地域から出土した豊富な土器・土偶・石器などを一堂に収めているのが、茅野市尖石縄文館です。この博物館で何より特筆すべきは、2体の縄文時代の土偶です。日本には1,149件の国宝がありますが、そのうち縄文時代のものはわずか6点。その貴重な6点のうち2点が、同じ博物館に収蔵されているという事実は、縄文ファンならずとも胸が高鳴る驚きです。
さらに、博物館の裏手に広がる「与助尾根遺跡」では縄文時代の竪穴式住居が復元されており、当時の暮らしを肌で感じることができます。少し歩いた先の「尖石(とがりいし)遺跡」には、縄文時代の住居跡の土台とともに、「尖石様」と呼ばれる文字通り尖った大きな石が鎮座していました。この石こそが地名「尖石」の語源となった縄文時代の遺物であり、縄文人たちが石器を研いだ場所と言われています。現在も神様として大切に祀られています。

国宝「縄文のヴィーナス」
国宝「仮面の女神」
縄文時代に石器を研いだとぃわれる「尖石」
「縄文のヴィーナス」が国宝に指定された時の証書

今回のツアーではこれ以外にも数多くの遺跡や博物館を訪問し、縄文文化の奥深さを改めて実感する、大変充実した旅となりました。遺跡や古代文化に興味をお持ちの方にとっては、まさにたまらないツアーです。次回のご参加を心よりお待ちしております。

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