【国内】帰着しました。添乗員レポート
【国内】帰着しました。添乗員レポート
2020年12月18日
聖夜を前にして 八ヶ岳高原音楽堂 天上の響きと軽井沢の冬景色
2020年12月18日~12月21日 4日間 添乗員:東京支店 下平裕史
冬の八ヶ岳と軽井沢の旅に行ってきました。出発の2、3日前から長野県北部では大雪というニュースがあり寒さ、交通状況等心配していましたが、私たちが訪れた際は天候に恵まれて観光ができました。冬ということもあり、町歩きではなく音楽と芸術というテーマのもと、コンサートや美術館巡り、そして冬ならではの軽井沢を満喫してまいりました。
有名コンサートホールにも劣らない八ヶ岳音楽堂
宿泊ホテル八ヶ岳高原ロッジの敷地内にある八ヶ岳音楽堂。
別荘地八ヶ岳に音楽好きのオーナーが持ちよったレコードによる鑑賞会が開かれ、これがきっかけで翌年、「大自然の中で生演奏を」ということで1975年に初めてサロンコンサートが開かれました。そして1988年ピアニスト・リヒテルと作曲家・武満徹氏をアドバイザーとして迎え、ついに念願の音楽堂が誕生しました。八ヶ岳の森に囲まれ、自然と一体化したわずか250席の音楽堂。
スタッフに話を聞くと、このホールの特徴は、使用されている木に特徴があるとのこと。音楽堂自体を楽器としての役割を成すよう、あえてカラマツなどの硬い木が使われています。硬い木を使うことで、音響が残るように設計されているとのことです。
また椅子はわざと「折りたためる椅子」を使用しています。建築家・吉村順三さんは「建築は造る時間よりも使う時間が長い。だからこそ簡素なものが良い」という考えのもと、試行錯誤の後、機能性と座り心地を追及して折りたためる椅子が誕生したそうです。
肝心の森麻季さんのリサイタルは言うまでもなく素晴らしく、わずか250席ということもあるからか、アーティストとの距離が近く、表情やピアノの手の動きなどはっきり見ることができました。大型コンサートホールでは味わうことができない小型ホールならではの素晴らしいリサイタルでした。
寒い冬でも楽しめる長野の芸術
博物館・美術館の数全国一位が長野県であることを皆様はご存じでしょうか。
自然豊かということがあり様々な画家に愛された結果、多くの博物館・美術館が作られました。今回は、葛飾北斎晩年の作品が残る小布施の北斎館や、諏訪の北澤美術館など訪れました。
いくつか訪れた美術館の中で最も印象的だったのが軽井沢にある「千住博美術館」。2011年にオープンし、千住博さんの作品を約100点所蔵展示する個人美術館です。美術館の建物自体も見事で、建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞した西沢立衛さんの設計。
通常の美術館は自然光による展示物の劣化を抑えるため窓が少なめに設計されているのが普通ですが、この美術館はあえて光を多く取り入れる構造となっています。その光が千住博さんの作品に差し込み、計算されたかのように自然光と作品が一体となり芸術を生み出していました。ぜひ皆様にも訪れていただきたい美術館です。
長野・千曲川ワインバレーの注目ワイナリー「リュードヴァン」
長野県東御市、千曲川に沿うように開けたなだらかな斜面にブドウ畑が広がります。かつて荒れ果てたりんご農地を買い取り、開墾して2010年に設立されたワイナリーが今回訪れた「リュードヴァン・ワイナリー」です。
そのご主人は、フランスや山梨、安曇野のワイナリーで腕を鍛えた小山英明さん。栽培から醸造までを一貫して手掛けることを夢見て、東御市に活動の場を定めました。リュードヴァンはフランス語で「ワイン通り」。
一本の通りからワインのある生活が広がって欲しいという思いが込められているそうです。小山さんの話の中で最も印象的だったのは、「いいワインを作ればいいのではない。それは自己満足にすぎない。ここに住むみんなに愛され、地域と共存しながら日常的に求められるワインを作りたい。そして私が亡くなっても次の代へとつないでいけるようなワイナリーをつくりたい」という言葉です。ここ東御市にワインの文化を根付かせたいという思いがひしひしと伝わってきました。
見学を終え、バスに乗り込もうとした頃に、地元の人たちでしょうか、車で数組ワイナリーにやってきてワインを買ったり食事を食べにいらしている姿も見ることができました。まだ設立10年ではありますが、地元に根付くワイナリーが少しずつ広がっていっているのを実感しました。
私自身、諏訪市生まれ、長野市育ちではありましたが、なかなか県内を旅するという機会がありませんでした。今回訪れ現地の方々やバスガイドの話などを聞き、知られざる長野を知ることができました。
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