創業400年、町人文化が栄えた徳川三代将軍家光の頃から続く、京を代表する老舗の一つ「わらじや」さんは三十三間堂の近くにあります。ここの名物は「うぞうすい」と「うなべ」です。鰻を老若男女だれでも食べられる雑炊にして一年中おいしい鰻を味わえるようにしたところ、大好評を得て今日に続いています。

「うなべ」は鰻の筒切りと焼き葱、庄内麩、春雨などが入った鍋料理。この出汁が絶妙ないい味で飲み干してしまうほどです。
そして「うぞうすい」、うなべより優しい出汁の雑炊に鰻の白焼き、椎茸、牛蒡、人参、青味を卵でとじてあります。熱々の鍋一杯にかなりのボリュームで出てきますが、その美味しさに少し無理をして全部食べてしまいます。

鰻料理の店は日本各地にありますが、「うなべ」「うぞうすい」はここだけの伝統の味、この一品だけで時代を超えて大名物といわれるのがよく分かります。