歴史ある風景
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2021年02月23日
東京 椿山荘 明治の元勲が寄せた故郷への想い
本社 プランニング事業本部:乗田憲一
東京・目白にあるホテル椿山荘東京。目白から少し急坂を上った丘にあります。ここは江戸時代、歌川広重の「名所江戸百景」にも登場する、椿の素敵な人気の景勝地でした。
明治時代、伊藤博文と並ぶ明治の元勲・山縣有朋が、この地を買い取り、庭園を造り「椿山荘」と名付けました。日本軍閥を築いた山縣は武人の印象が強いですが、文化人としての素養もありました。多くの名園を手掛け、京都の無鄰菴、小田原の古希庵、そして椿山荘は山縣三名園と言われます。椿山荘には明治天皇はじめ、政界の重鎮が訪れ、国政を動かす重要な会議も開かれた、まさに歴史の舞台でした。
残念ながら第2次大戦の空襲で、彼の邸宅などは焦土となりました。この地を引き継いだ藤田平太郎は、山水を愛した山縣の遺志を継ぎ、自らの審美眼で蒐集した文化財を随所に配置、見事に生まれ変わりました。三重塔「圓通閣」から神田川と早稲田の町並みを眼下に見下ろすことが出来ます。実はこの風景が、山縣有朋の故郷、萩の指月山からの風景に似ていることからここに庭園を築いた、と言われています。故郷への想い、激動の幕末に散った多くの同志たちの想いを胸に明治を生きた山縣の安らぎの地が、今は観光客に安らぎを与える地へと繋がっているのです。
春には庭園に桜が咲きます。また側を流れる神田川沿いも隠れた桜の名所です。暖かくなったら、こうした場所を訪ねて少し明るい気持ちになりたいものです。
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