【国内】帰着しました。添乗員レポート
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2021年03月30日
【帰着レポート】小笠原諸島 父島と母島の旅【6日間】
2021年3月2日(火)~3月7日(日) 6日間 添乗員:東京支店 太田 勇樹
<3/2発 添乗員:東京支店 太田勇樹>
まだ世界遺産ではなかった10年ほど前に、個人旅行として訪れたことのある小笠原諸島。どのように変わってしまったのか、添乗員として訪れる今回の旅に不安もありましたが、蓋を開ければ何も変わらないのんびりとした離島そのままのボニンアイランド(小笠原の英語圏での呼び名)が残っていました。
変わったのは「おがさわら丸」だけでした
最新のスタビライザーを装備し、快適な個室と綺麗な船内設備の整う3代目おがさわら丸。以前に乗船した2代目に比べ共有スペースの清潔感や居住スペースの快適性は大幅にグレードアップしていました。しかしながら、今回の船旅は太平洋を進む前線の影響で往復ともに大揺れとなり、往路は1時間以上遅延しました。フェリーでしか訪れることのできない小笠原諸島への道のりは、いくら新型の船であったとしても、天気によっては簡単ではないことを痛感いたしました。
小笠原の特徴は、島民のほとんどがもとは内地の人であることです。色々なところから小笠原に魅了された人々が移り住み、その魅力的な文化や自然を守ろうとしているからこそ、何も変わらない小笠原が今も残っているのだと思います。島の人々が一体となって小笠原を守り続けるという気持ちが、島民によるおがさわら丸のお見送りを見ていて伝わってきます。「一人旅で訪れても、帰る頃には家族のような仲になる」と小笠原のガイドブックに記載されているのを見たことがありますが、その意味が分かったような気がします。島には小笠原生まれ小笠原育ちの人は少なく、離島によくあるような地元民と観光客といった関係がありません。島民と島を訪れた人達みんなが、一緒に環境に配慮しながら楽しむ仲間、といった雰囲気です。現地の人との隔たりがない居心地の良さ、それが小笠原の大きな魅力の一つだと思います。
進化の過程が現在進行形で見られる場所
教えてもらわなければ絶対に素通りしてしまうような、なんの変哲もない植物が海辺に生えていましたが、実は「進化」を知るうえで重要な植物の一つでした。その名はオオハマボウ。小笠原の固有種ではなく、種子島以南の砂浜などの海辺に自生する植物ですが、山の上に根を張るオオハマボウは次第に進化し、テリハハマボウと名を変えて小笠原の固有種になりました。オオハマボウには塩分を含んだ水や風から身を守るため、葉の裏側に白い細かい毛が生えています。しかし、山へと生息域を変えたテリハハマボウには毛は生えてなく、山の上で日照時間も十分なので葉が小さくなったとのこと。植物だけでなく、動物や陸生貝類の世界でも小笠原特有の進化を遂げているものが多く、特にオガサワラオオコウモリやカタツムリの話はよく登場し、散策観光中にガイドさんから説明を受けては驚きの連続です。外来種による環境被害や強い生命力についても実際に見る機会がたくさんあり、自然の力を目の前で実際に感じていただける貴重な場所です。エコツーリズムが浸透し、島民誰もが自然環境に配慮し生活する島の風土が、どこかガラパゴスにも似ているものがあります。小笠原は様々な理由で「東洋のガラパゴス」と別名がつけられていますが、島の雰囲気や島民の環境意識もまさしくその通りと実感いたしました。
島ならではの食材
小笠原諸島が日本、ましてや東京都であることが本当に信じられません。訪れるのに丸一日かかることには、お客様からも「海外旅行のようだ」という声も聞こえてきました。
陸から1000キロも離れているため、貴重なたんぱく源として、小笠原では古くからウミガメが食されてきました。今でも年間の漁獲頭数制限がありながらも、日本でも珍しいカメ漁が許されている場所として、小笠原の食を支えています。生産量は少ないですが、島バナナや島トマト、島コーヒーなど島で獲れるフルーツや野菜もあり、季節によっては島の生協やファームツアーで購入することができます。大型回遊魚が釣れるということで、釣り好きな方にも人気の小笠原。今はハタが一種のブームとのことで、島魚としてメニューにもよく登場しました。地元の漁師さんは大きなカンパチが獲れてもすぐにリリースしてしまうそうです。理由は島の人は食べ飽きていて売れないから。それぐらい魚には困らない土地柄です。刺身はもちろん新鮮で、分厚くざっくりと切ってくれるのも、なんとも小笠原らしいと感じました。
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