【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2021年03月29日

【帰着レポート】憧れの「侘桜」と人気の乳頭温泉「妙乃湯」冬の旅【4日間】

<3/22発・添乗員 渋江恭子>秋田の乳頭温泉、妙乃湯と角館郊外の侘桜に宿泊するツアーに添乗をしてまいりました。どちらも人里離れた山の中にあり、静謐な雰囲気に包まれた旅館で、日常を忘れ、ゆったりと流れる時間をお楽しみいただくことができました。今回は侘桜での滞在と秋田の重要伝統的建造物保存地区である角館、増田訪問の様子についてレポートいたします。

素朴でありながら、随所に角館の粋を感じる侘桜

「侘桜」は角館から車で約15分の場所にある里山の中にあります。築200年の茅葺民家を移築し、2011年に旅館としてオープンしました。地元の方も憧れる高級旅館なのですが、茅葺民家が持つ素朴な雰囲気を大切にしているからか、内装も豪奢な印象は感じません。しかし、細部をよく見ると角館の伝統工芸である樺細工が入り口に置かれている棚、座敷のテーブル、客室の扉など随所に飾られており、地元の文化への愛着が感じられました。客室の数はわずか10室で、全室半露天風呂が備え付けられていたり、里山の風景を愛でるためのバルコニーが設けられていたりと通常の旅館であれば、共用になるスペースが客室に用意されているのです。本当の贅沢とはこのようなことをいうのかもしれないと感じました。

侘桜の母屋。築200年の茅葺屋根が郷愁を誘います。
囲炉裏ラウンジ。座り心地のよいソファと落ち着いた雰囲気で寛げます。

お客様を出迎える樺細工の棚。角館文化の粋がさりげなく、コーディネートされています。
座敷の障子に嵌め込まれたハヤブサがデザインされたガラス。

贅の極み。地元で採れた旬の食材を手間暇かけて調理した料理の数々。

侘桜は食事にも大変力を入れており、ミシュランガイドを獲得している東京の名店「分とく山」総料理長・野﨑洋光氏が監修しています。若筍、白エビなど地元旬な食材を「ここまでするのか」と驚くほど、手間をかけて、調理しています。旅館のごちそうをいただくと、体に負担がかかることもありますが、侘桜は体への美味しさにも配慮しており、翌日には体がすっきりとしていたことに、さらに驚きました。

鶯豆腐と白エビ 花びらの形にあしらわれたのは百合根です。

白ベイ貝旨煮、桜花豆腐、茶ぶり赤海鼠柚子卸しなどが盛り付けられた前菜

秋田牛の味噌幽庵焼 アスパラガスやパプリカなどが彩りを添えます。

真鯛の若筍蒸し 

角館の武士の生活に思いを馳せる、青柳家のプレミアムツアー

角館観光の中心となる武家屋敷通りに建ち並ぶ屋敷の中でも、ひと際威信を放つのが青柳家です。今回は非公開の母屋もご覧いただくプレミアムツアーにご参加いただきました。

青柳家は位の高い家柄ではありませんでしたが、功績は藩主にも認められ、上級武士にのみ建設が許された薬医門を構えることが特別に認められるほどでした。母屋には京の絵師に描かせた屏風絵や立派な土蔵などがありました。また、外側の部屋は、剣を振り上げることができないように天井を低くする工夫がされていたり、台所には有事の際に使う隠し部屋の扉があったりと、当時の武士の生活の張り詰めた緊張感が偲ばれました。また、お客様が驚かれていたのが、中庭に像が置かれていた小田野直武の功績についてです。小田野直武は平賀源内と知り合い、蘭画を学び、「解体新書」の表紙や解剖図を描いた人物なのです。教科書にも登場する有名な表紙絵を角館の出身の武士が描いていたとは。角館を訪れたからこそ、知り得たことかもしれません。

奥の部屋はあえて天井を低くすることで、剣を使用できないように防衛策が施されています。

青柳家の敷地にないにある小田野直武像。解体新書の平賀源内から洋画を学び、解剖図を描きました。

「蔵」に対する概念が変わる、増田のくらしっくロード。

増田は秋田県で角館に次いで重要伝統的建造物保存地区に指定され、趣ある町並みが残っています。角館と異なるのは増田には商家が建ち並んでおり、多くの商家には内蔵が残っています。「蔵」というと物置のような雑多なスペースを想像されるかと思いますが、増田の内蔵は2階建てで、1階には生活空間として利用されており、奥には座敷もあります。人の出入りが多い商家に中でも、内蔵は家族以外の人が立ち入ることできず、プライベートな空間が確保されていました。増田のメイン通り「くらしっくロード」に面した「観光物産センター 蔵の駅」の中にある内蔵は吉永小百合さんが登場する、ある大手鉄道会社の宣伝広告のロケ地としても利用されています。内蔵の前にはそのポスターが掲げられており、そのキャッチコピーは「外は質素に、内は美しく。この町の生き方そのもののようでした。」。国内での知名度も十分に高いとは言えませんが、訪れた人には快く家や店の内部を見せてくれる町民の人柄にも通じている言葉だと感じました。

増田の商家の特徴である内蔵。豊かなプライベート空間が広がります。

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