【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2022年06月01日

【帰着レポート】静岡ガストロノミー 天竜浜名湖鉄道全線乗車と掛川の旅

2022年5月24日(火)~5月27日(金)4日間 東京支店 酒井康行

<5/24発・添乗員:東京支店 酒井康行>

 静岡に新茶が出回る5月。静岡が最も輝く季節と言っても過言ではない初夏の静岡を舞台に、天竜浜名湖鉄道全線乗車を含めた静岡県内の観光を楽しみながら、「静岡の美味しい」が凝縮されたツアーへご案内して参りました。このたびは、ツアーでご案内した全6回のお食事についてご紹介します。

鰻に始まり、イタリアンやフレンチを挟み、会席料理に至るまで、静岡のグルメをとことん堪能!

①静岡と言えば「鰻」、創業145年の老舗「中川屋」でいただく「鰻とろろ茶漬け」で、2度の味変も楽しむ。

 明治10年(1877年)に村越政次郎が料亭「中川屋」の看板をあげ創業が始まった145年の歴史を誇る中川屋。天竜川の伏流水で磨いた鰻は臭みがなく絶品と言われ、中川屋の名を高めていきました。
 こだわりの焼き方は、一度蒸してから焼く「関東風」。そして、秘伝のタレは、創業以来、継ぎ足されて伝統の味を守っています。
 このたび、皆様にお召し上がりいただいたのは、平成7年に4代目・武(現店主)が考案した「鰻とろろ茶漬け」。1杯目はそのままで、2杯目は出汁と薬味を入れてお茶漬けで、さらに、3杯目はとろろをかけてと、3度楽しめる中川屋の看板メニューで、味の変化を楽しみながら、ご賞味いただきました。

鰻とろろ茶漬け
手前が旧館、奥が新館
著名人もたくさん訪れています
旧館の趣きのある廊下

新館は洗練された内装

②天竜浜名湖鉄道の始点(終点)「掛川駅」から徒歩約3分の静岡イタリアン「アトリエMOF」にてランチ。

 地元で採れた体に良いものを食べて暮らすイタリアの「マスター・オブ・フード(MOF)」という考えに基づきネーミングされたレストランでは、旬の野菜や肉、魚介など、厳選した静岡の恵まれた素材を使い、その魅力を最大限生かすべく、手間を惜しまず、イタリアでも食べられないオンリーワンの味、すなわち「静岡イタリアン」をいただけ、地元の方はもとより地方からお越しの方にも人気を誇っています。
 シェフの大内謙治さんいわく、「材料も調理過程も見せられないものはない」とのことで、レストランは開放的なオープンキッチンになっており、大内シェフの調理の様子を見ながら食事を楽しめるのも、人気の理由のひとつとなっています。

掛川駅までは新所原駅から天竜浜名湖鉄道にて向かいました
昼食後は掛川城の見学へ
オープンキッチンなので大内シェフの調理の様子が良く見えます
アスパラガスとポーチドエッグとプロシュートの前菜
アサリと赤イカのスパゲッティ
麦小町(豚)の低温ロースト・白ワインとマスタードソース

③江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜公の屋敷跡「浮月楼」でいただく、本格的な静岡懐石料理。

 浮月楼は、江戸幕府第15代将軍・徳川慶喜公が、大政奉還後の明治2年、元の代官屋敷に手を入れて、現在の庭を作ったのを起源とし、その後20年にわたって住み、政治は一切遠ざけて趣味に没頭し、静岡の市民たちから「慶喜様(けいきさま)」と親しまれました。
 慶喜公は、江戸時代中期から続く日本の名作庭師、小川治兵衛を呼び寄せ、庭園を築き上げました。慶喜公時代の浮月楼の敷地は、現在の2200坪に比べ、倍近くの約4500坪以上あったようで、敷地の半分以上が庭であり、大小の池がありました。小川治兵衛は、現在の池泉回遊式庭園である浮月楼庭園の礎を築き上げました。
 また、外国建築の模倣が盛んな時代に、日本の伝統的な建築の素晴らしさを改めて世に知らせ、日本の近代数寄屋建築を代表する名建築家・吉田五十八もまた、浮月楼にて昭和時代に建築に携わっています。
 浮月楼の懐石料理のこだわりは、「四季折々」、「地産地消」、「徳川慶喜公好み」。浮月楼では、静岡という自然豊かな土地で育った野菜、果物、畜産物、恵まれた海の幸を使い、季節の移ろいを感じさせる、この土地ならではの懐石料理を提供しています。これらは、食通であった将軍・徳川慶喜公の好んだ食材ばかりで、慶喜公の屋敷跡である浮月楼ならではと申せましょう。

組肴:浮月楼青梅密煮・鰻笹巻・村雨玉子・蛸柔らか煮・いぶりがっこ・合鴨南部焼・人参松風・酢取り茗荷・枝豆
造里:鮪・鰆・鮃
女将さんが焼物:富士山鱒木の芽味噌を取り分けてくださいました
夕闇に浮かび上がる浮月楼の庭園

④一流料理人も仕入れたがる焼津の魚屋「サスエ前田」で握っていただく、新鮮なネタの特上握り寿司。

 サスエ前田魚店は地元「焼津」で創業60年を迎える老舗の魚屋です。
 サスエ5代目・前田尚毅は、1974年静岡県に生まれ、幼い頃は母親の背中越しに港の空気を吸って育ったそうです。前田さんがぐずって泣くと、母親はエビやイカを口に入れてくれたそうで、港で水揚げを見てから小学校へ通い、高校時代は誰に言われるでもなく自らの勉強のため競りを見続けたり、競りの記録係を務めたりするなど、魚に関わるアルバイトに勤しみました。
 高校卒業後、店に入り、本格的に仕事をスタート。静岡出身の和久田哲也さんの目に止まったことや、ミシュラン3ツ星に輝く「鮨よしたけ」の吉武正博さんとの関わり、そして「DINING OUT NIHONDAIRA」などをきっかけとして、The World’s 50 Best Restaurants 2017にランクインした「傳」や、2013年のボキューズ・ドールでメダルを獲った浜田統之さんが料理長を務める「星のや東京」など、多くの料理人から引き合いが来るようになりました。さらには、シンガポールの「Waku Ghin」へも魚を送るなど、世界中から注目を集めています。
 このたびは、魚を知り尽くした前田さん自らが選び抜いた新鮮なネタ(甘ダイ、キンメダイ、アジ酢、極上本マグロ、クロムツ、レンコダイ、生本マグロ赤身、活ヒラメ昆布〆、トリ貝、生本マグロ大トロ)を、赤酢を効かせたこだわりのシャリに乗せて、握り寿司を作ってくださいました。それを持ち帰り、お泊りのホテルにてお召し上がりいただきましたが、再集合の際に、皆様が口を揃えて「美味しかった」とおっしゃっていました。

新鮮なネタ(甘ダイ、キンメダイ、アジ酢、極上本マグロ、クロムツ、レンコダイ、生本マグロ赤身、活ヒラメ昆布〆、トリ貝、生本マグロ大トロ) の握り寿司
前田さん自ら寿司を握ってくださいました
店内には新鮮な魚がたくさん並びます

⑤異色の経歴を持つシェフ河崎氏が手掛ける地産地消の静岡フレンチ「KAWASAKI」にてディナー。
 レンガ造りのビルの2階にひっそりと佇むフレンチレストラン「KAWASAKI」。内装は黒を基調としたシックな雰囲気で、オープンキッチンのカウンター10席とテーブル8席のこぢんまりとした店ながら、口コミでの評判が高く、遠方からわざわざ訪れるゲストもいる隠れた名店です。
 「何か表現することを仕事にしたかった」という兵庫県出身のオーナーシェフの河崎芳範氏。当初、東京の音楽専門学校に進みギターリストとしてバンド活動をされていましたが、24歳で表現方法を音楽から料理に変え、料理の世界に転身。兵庫県明石市の和食店でキャリアをスタートさせました。
 その後、代々木のフレンチ「キノシタ」や表参道のレストラン「ポワロー」、高田馬場の「ラミティエ」、丸の内のブラッスリー「オザミ」などで経験を積んだ後、2007年に農園直営のレストラン「ビオス」のシェフとして静岡県富士宮市に移住し、2014年12月に独立され、「KAWASAKI」をオープンされました。
 「季節の自然のものを楽しんで欲しい、その一期一会を大事にしていきたい」との思いから、地元の生産者との繋がりを大切にし、毎日食材を見極め、一番良い食材を一番良い調理法で提供することにこだわっていらっしゃいます。そして、狩猟時期には狩猟免許を所持するシェフ自ら狩りを行ない、店内には保存のための熟成庫も設けています。野菜類は、毎朝、契約農家に出向いて収穫し、地元の食材を、生産者の想いを込めて一皿に仕上げるのが河崎シェフの流儀です。

雉・鴨・鳩・鹿・猪のテリーヌと豚の生ハムと猪のベーコンの入ったサラダ
ニジマスのミキュイ(外はからっと中は半生)・クレソンとサフランのソース
キンメダイのグリル・梅とドライトマトのソース・スナップエンドウとカブとエシャレットのグリル
富士山岡村牛のロースト・赤ワインソース・レッドムーン(じゃがいも)と大浦牛蒡と玉葱と小松菜のロースト
オーナーシェフの河崎芳範氏



⑥旅の締め括りは料亭「はせ川」での懐石昼食。お食事前には日本茶インストラクターによる「美味しいお茶の淹れ方」も教えていただきました。
 富士市にある料亭「はせ川」は、明治38年に創業して以来、「人と食との出会いを大切にしたおもてなしの心」と「伝統的な日本料理・和食の味を絶えず探求していく技」、そのふたつを大切にしてこられ、お客様をおもてなししています。このたびは、旬の桜海老も含めた静岡懐石をご用意してくださいました。
 また、お食事前には、老舗の茶舗「)大園(やまだいえん)」()の渡辺会長自らに、「上級煎茶のフルコース~1度淹れた茶葉で3回楽しめる~」というテーマで、美味しいお茶の淹れ方を教えていただきました。山大園は明治22年の創業以来、5代にわたりお茶一筋に励んできた老舗で、静岡県内の優良な茶葉を日本茶インストラクターである渡辺さんが吟味精選し、「香りの山の茶」と「味の里の茶」の相乗効果を狙い、絶妙にブランドし、山大園オリジナル銘茶に仕上げています。

前菜:ハモの南蛮漬け・トマト・きゅうり・空豆・バイ貝・肝真丈・山芋醤油漬け
田子の浦の生しらす
刺身三種盛り:鮪・金目鯛・ホタテ
由比産桜海老のかき揚げ


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