【国内】帰着しました。添乗員レポート
【国内】帰着しました。添乗員レポート
2020年09月24日
群馬の古代古墳群と世界遺産・富岡製糸場
2020年9月23日~9月24日 2日間 添乗員:東京支店 相澤満弘
群馬の知られざる魅力を訪ねる「群馬新発見の旅」でした。
群馬といえば、草津温泉の湯畑がたびたび観光関連のニュースに登場するなど、草津、伊香保、四万、水上などの温泉郷として有名ですが、今回は「古墳」をテーマにして、群馬を訪ねました。
主要な群馬のガイドブックを見ても、古墳の紹介は出てきません。しかし、群馬にある古墳の数は1万3000基を超えて、その数は東日本随一。2019年に仁徳天皇陵などの大阪の「百舌鳥・古市古墳群」が世界遺産登録されて注目を浴びましたが、群馬はそれに劣らない「古墳大国」なのです。
6世紀に造営された4つの古墳が並ぶ「大室古墳群」
今回の旅では、主要な大室古墳群と保渡田古墳群を訪ねました。
まずは、県庁所在地・前橋にある大室古墳へ。全国で古墳の数は15万基ほどといわれますが、群馬に造営されたのは1万3000基ほど。そのうち2000基以上が現在もその姿を残しています。前橋、高崎、伊勢崎、藤岡などの平野部の都市部には古墳が点在し、日常風景と化しています。
前橋の大室古墳も人々が憩う市内の公園内にあって、6世紀初頭から6世紀後半にかけて造営された4つの前方後円墳で知られています。 南から北へ、造られた時代が古いものから順に歩を進め、初めに「前二子(まえふたご)古墳」を訪ねました。この古墳は明治11年(1878年)という早い時代に発掘調査が行われ、横穴式の石室が見つかっています。後円の部分には長さ13メートルの大きな空間が広がっています。
その真横には「中二子(なかふたご)古墳」が並び、墳丘の長さだけで111メートルと4つの古墳のなかで最大規模。堀が二重に巡らされ、内堀と外堀の間にある中提には往時をしのばせるかのように埴輪が並べられていて、盾を持った人型の埴輪もいくつか見られました。埴輪は、黄泉の国を外的から護るために造られたもの。かつては3000体もの埴輪がこの古墳を囲んでいたとのことで往時の豪族の隆盛を思いをめぐらせました。
保渡田古墳は登って、入って、眺めて楽しみました
翌日は高崎市の北側にある保渡田(ほどた)古墳群を訪ねました。3つの100メートル前後の前方後円墳を総称したもので、うちのふたつが復元されています。
ちょうど、地元の小学6年生が課外授業で訪ねてきており、私たちと入れ違いに、博物館と2つの古墳巡りを楽しんでいました。 古墳群に併設されている「かみつけの里博物館」は、古墳群のジオラマや当時の人々の生活用品、数多くの埴輪や日本最古とされる飾り履(くつ)が展示された考古学博物館。埴輪には馬型、人型(武将、巫女など)がありましたが、いちばん興味深かったのは、水鳥の埴輪。とくに鵜飼を表現したもので、当時には中国から鵜飼の技術が伝播していたとのことです。
より大きな二子山古墳を訪ねた後、群馬古墳群でも白眉ともいえる八幡塚古墳を見学しました。
これまで見てきた古墳群は1500年の時代を経て木々に覆われてしまいましたが、八幡塚古墳はかつての葺石や埴輪を復元した前方後円墳で、その様子は明らかにほかと異なりました。 保渡田古墳群は、大室古墳群より古い5世紀後半に造営されたもので、石室は横穴式ではなく、旧来型の竪穴式で作られました。後円部分には地下へ下りる階段があり、石棺が置かれた石室は巨大な空間でした。またどんよりした空模様でしたが、群馬が誇る上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)が見渡せ、景色もしっかり楽しめました。
世界遺産・富岡製糸場も訪問しました
旅のラストは、2014年に世界遺産登録を果たして注目を集めた富岡製糸場を訪ねました。群馬は旧石器時代の人類の足跡が残るほど歴史の深い場所で、訪ねてきた古墳群が示すように、ヤマト王権が大阪、奈良を中心に権威を持っていた時代、関東などの東国の中心地であり、古代にはヤマト王権にも認められた存在でした。 そして近代においては、富岡製糸場が日本の主要輸出品であった生糸の質と量の向上に大きく貢献してきました。
明治5年(1872年)に建造された木造の骨組みに、レンガを積み並べて造られた建造物群が、現在も当時の姿のまま残されています。東に置かれた繭の貯蔵庫は2階に上がることができ、実際に木骨が組まれている内部をご覧いただくことができ、また最大規模の建物である繰糸所は、レンガ造りに日本の瓦屋根を葺いた和洋折衷の粋な姿を眺められました。
繰糸所は昭和62年(1987年)まで稼働しており、巨大な機械が並べられていました。 裏手には指導者として赴任したフランス人のポール・ブリュナの館や、寄宿舎跡が残され、日本の近代産業の発展に尽力した人々の努力が偲ばれました。
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