視察レポート

視察レポート

2024年11月29日

グルノーブル視察レポート第5回「公共交通機関に乗って、気軽にお出かけ」

 2025年の初夏(5,6月)に企画している「山河と文化のシンフォニー フレンチ・アルプスの首都グルノーブル滞在と周辺の旅 10日間」。企画に先立ち、フランス南東部の都グルノーブルを視察し、発見したこの町やその周辺の魅力をお伝えしております。
 11月1日から毎週お届けしてきた視察レポートもいよいよ最終回。今回は公共バスや鉄道を利用して気軽に訪ねる日帰り旅行についてご紹介します。

歴史ある山麓の城と優美な庭園に感嘆し、山間に佇むレストランで舌鼓

 グルノーブルからトラムとバスに乗り、約1時間で到着するのがヴィジール城です。17世紀に建てられた城館の内部にはフランス革命博物館があります。実は革命の前年にグルノーブルでは国民による国王権力に対する暴動(「屋根瓦の日」と呼ばれています)が起こり、「フランス革命発祥の地」といわれることもあります。館内には当時の様子を描いた絵画、革命軍が鳴らしていた太鼓や市民が身に着けていたトリコロールの紋章などが展示されており、動乱の時代の息吹が感じられます。
 城の前にはフランス式庭園、池や運河が流れる公園が広がり、見学後の気分転換にはぴったりです。山麓にあるので、優美な庭園を散策しながら、雄大な山景色を楽しめます。

フレンチ・アルプスを借景にしたヴィジール城
フランス革命博物館となっている城内。写真はフランス革命軍が鳴らしていた太鼓です(視察時撮影)

 ヴィジールを訪ねた後、グルノーブルへ戻る途中にユリアージュという山間の村に立ち寄るのもお薦めです。ここは古代ローマ時代から温泉保養地として栄えた山岳リゾート地で、コンパクトなサイズの愛らしい村です。地元の方のお薦めがこの村にある有名ガイドブック2つ星レストラン「Aribert」のカフェ。同じシェフによるランチが3品で40ユーロとリーズナブルに味わえます(価格は2024年9月視察時点)。

グルノーブルから約1時間、山間に佇むユリアージュ。愛らしい村はそぞろ歩きが楽しい
「Aribert」のカフェでは手頃な価格でランチを楽しめます。

ヴォワロン 秘伝のハーブ酒の博物館と町の散策

 グルノーブルから鉄道で約15分で到着するのがヴォワロンです。ここにはシャルトリューズ山中に佇む修道院で製造しているハーブ酒「シャルトリューズ」(山と同じ名前)の博物館があります。シャルトリューズは「リキュールの女王」とも呼ばれるフランスを代表するハーブ酒で、300年近い歴史があり、ヴィクトリア女王も試飲して体調が良くなったとか。館内にはシャルトリューズのほかにもハーブティーなどを扱うショップもあります。
 旧市街はここから徒歩約15分。パステルカラーの家々や尖塔が聳える教会が建つ町の散策もお薦めです。

並べるとオブジェのように美しいシャルトリューズ
博物館ではハーブ酒を製造する修道院の歴史から学びます
ヴォワロンの旧市街。写真右はサン・ブルーノ教会。シャルトリューズ修道院を創設した僧侶の名が教会につけられています。
老舗ショコラトゥリー・ボナの本店。選りすぐりのカカオ豆から作ったチョコレート・バーが自慢です。

公共バスに乗って、ヴェルコール山塊の絶景ドライブへ

 グルノーブルの西に聳えるヴェルコール山塊へは公共バスでも訪れることができます。山中に佇む村、ヴィラール・ロンまではトラムとバスを乗り継いで約1時間30分。バスの車窓からはヴェルコール山塊の迫力ある景色や素朴な村の風景を楽しめ、公共バスでこれほどの景色を味わえる都市はほかにはあまりないと思います。ヴィラール・ロンは標高約1,000mの場所にあり、初夏には冷涼な空気が心地よく感じられることでしょう。

グルノーブルから公共バスで約1時間で到着する村ヴィラール・ロン。標高約1000mにある素朴な村は360度山に囲まれています
小さな村ですが地元の食材店や雑貨も並び、お買い物も楽しめます
背後にヴェルコール山塊が聳え立つシャトー・ド・サッスナージュ。途中下車して写真ストップするのもお薦めです

自然と文化が響き合うエベール美術館

 最後にご紹介するのがグルノーブルから公共バスで20分の隣町、トロンシュにあるエベール美術館です。エルネスト・エベールはグルノーブル出身の19世紀の画家。パリのサロンで評価を受け、エコール・デ・ボザール(高等美術学校)で教授を務めました。師事したドミニク・アングルの画風に似た優美な女性の肖像画が多く、画家のことをあまり知らずとも絵画鑑賞をお楽しみいただけることでしょう。
 見学の途中にはテラスにも出てみましょう。ここからはフレンチ・アルプスを借景とした庭園をご覧いただけます。まさに「自然と文化が響き合う」、この地域を象徴する景色です。

地元出身の画家エベールはドミニク・アングルに師事。館内には優美な雰囲気を纏った絵画が展示されています
館内では美しい内装のリビングルームやダイニングルーム、画家のアトリエもご覧いただけます
美術館のテラスからの眺め。フレンチ・アルプスと庭園、自然と文化が響き合う風景です

2025年の初夏にはグルノーブルへ!

 実は視察の前にはグルノーブルについてあまり知らず、「どんな滞在の旅ができるのだろう?」と思っていました。しかし、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏観光局のラシェルさんの導きで、この地が持つ多彩な魅力を発見し、驚くことの連続でした。
 「この感動を多くのお客様にご体験いただきたい」という思いを込めて、「山河と文化のシンフォニー フレンチ・アルプスの首都グルノーブル滞在と周辺の旅」を企画いたしました。ぜひ、2025年の初夏はグルノーブルで発見する喜びに満ちた滞在の旅をご体験ください。 

右はオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏観光局のラシェルさん。グルノーブルとその周辺の知られざる魅力を教えてくれました(左は視察をした渋江)
グルノーブル観光局のスタッフ。「皆様の訪問を心から歓迎します!」

視察レポート、そのほかの回はこちら

第1回「グルノーブルを選んだ5つの理由」
第2回「必訪!グルノーブルのとっておきスポット」
第3回「山の幸を味わう。グルノーブル美味案内」
第4回「知られざる景色を求めて山の奥へ」

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