視察レポート

視察レポート

2021年01月20日

ちょっと贅沢な山口と門司港レトロ 話題の絶景スポットと歴史の町並み

松本佳晴

本州西端の山口県。広さは、都道府県の中ほど(23位)、(1位はもちろん北海道で、47位の最小県は香川。東京45位、大阪が46位)だが、この山口県を色々調べてゆくと、意外なほどに、まずもって重量級の見どころが多い。これは、視察にゆかねばと思い立ち、「西の京」山口の町へと向かいました(のぞみで東京から4時間強)。
仕事で数年間、下関に暮らした高校仲間のアドバイスも受けながら、アチラ、コチラを見て歩き、食べ歩き。実際に旅をしてみると、まず交通機関の関係で、個人旅行(レンタカー以外)は大変しづらい土地柄なので、時間と体力の無駄なく旅するには「バスツアーが最適」であることが確信できました。また、これまで「山口=長州=維新の地」の方程式が一般的でしたが、いやいや最近注目を集めている絶景スポットなど、自然景観も素晴らしいことも印象的でした。それでは、ご一緒に、山口さまざま発見の旅に出かけましょう。

「西の京」山口タウン

山陽新幹線を県庁のある山口の町に通さなかったのは何故、と素朴な疑問を地元のシニアに投げかけてみると、当時は地元の佐藤栄作首相の時代なので、当然、山口に新幹線駅を造ることは簡単だったが、それを実は山口の市民が猛反対して現在の「新山口駅」(かつての「小おごおり郡」、山口から20分ほど)にした、という意外な答え。そのおかげなのでしょう、今でも山口は県庁所在地とはとても思えない、高層ビルが全くない、落ち着いた、しかも風格漂う姿をとどめています。

まずは、その県庁を訪ねますと、立派な新庁舎の手前に大正建築の旧県庁舎(県政資料館)が粛然と立ちはだかっています。毛利敬親たかちかが萩から山口へ藩庁を移した際に建てられた藩庁門(維新後に再建)をくぐり本館へと向かいます。お隣りの旧議会庁舎も立派です。

気品ある大正建築、旧県庁(県政資料館)

「西の京」の由縁

「日本で最も美しい」と謳われる瑠璃光寺(1442)の五重塔は、名塔の誉れ高く、周囲の緑を背景にその美しさが際立ちます。醍醐寺(京都)、法隆寺とともに、日本三名塔と称されています。お隣りの洞春寺(重文)の本堂は、維新の志士たちの屯所だったことを堂内の柱の刀傷(2カ所)が物語っていて興味深い。

維新の志士たちの刀傷が2カ所も(洞春寺)

藩主、大内政弘が水墨画で高名であった雪舟を招いて築庭させた庭園(常栄寺)は、これまで見たことのない見事な石庭で、池泉回遊式なので、ぐるりと一廻りをお勧めしたい。観る角度により、刻々と眺めが変わってゆく。
京都に憧れた大内家は、ここ山口を「西の京」と呼ばせるほどに、上質な神社、仏閣、そして庭園を造り、街全体を風格漂う姿にして今に残してくれた。新幹線を通さずに山口の人々の判断は正解だったのかもしれません。

常栄寺 雪舟庭園

注目の絶景スポットの圧巻

視察の大きな目的のひとつが、長門市の西郊、日本海を臨むこの眺め「元乃隅稲成もとのすみいなり神社」です。「日本の最も美しいスポット31選」(アメリカCNN)に選ばれたことで、世界中から注目を集める話題の絶景スポットですが、コロナのため外国人客が殺到する姿はもちろんありませんので、落ち着いて訪れることができ、「今が行き時」といえましょう。うっかりカメラをタクシーに置き忘れ、スマホで撮った写真でもここまでの迫力ですので、特に写真ファンには、ぜひ訪ねてご自身のアングルでお撮りいただきたいものです。山口の絶景といえば昔から秋吉台、秋芳洞ですが、このたびはこれに加えて、この元乃隅もとのすみ神社と角島つのしま大橋という新スポットを訪ねるプログラムにいたしました。

元乃隅もとのすみ神社
本州と角島を結ぶ角島大橋。絶景ドライブを楽しめます

毛利の貫禄、下関の城下町「長府」

下関の中心から北へ、20分ほどの城下町「長府」は、ぜひ訪ねていただきたい。国宝「功山寺仏殿」(1320)は高杉晋作が決起、挙兵した地で、城下町長府は「維新の町」でもあり、すぐお隣りに、最近、下関市立歴史博物館が新たにオープンしたばかりで、維新の資料など歴史好きには充実の展示がうれしい。「古江小路ふるえしょうじ」は、合戦に備えたどっしりとした練塀が道の両側に続き、風格満点の佇まいがよく残っている界隈で、ゆっくりと散策でお楽しみいただきたいものです。

国宝「功山寺仏殿」
立派な練塀が続く古江小路は歩いてみたい

「春帆楼(しゅんぱんろう)」と伊藤博文

「関門海峡に帆船が浮かぶ春の情景」にちなみ、伊藤博文が命名して創業。その後、伊藤博文自身が試食した上で、「ふぐ解禁」とした公許第1号店、すなわち「日本で最初の公許ふぐ料理店」が、この料亭です。さらに、ここを会場として日清戦争の講和会議が開かれ、伊藤博文、陸奥宗光と清国の李鴻章とによって、下関条約(1895)の締結に至っています。
少し高台に建つこの歴史的料亭「春帆楼」から、目の前に広がる関門海峡と対岸の門司港を眺めながらの本場「ふぐ会席」をご用意することにいたしました。どうぞお楽しみに。

下関では関門海峡を望む歴史的な料亭「春帆楼」でふぐ会席を(イメージ)
海峡を望む「春帆楼」
日清講和会議の会場(春帆楼)

歩いて簡単。門司港レトロ

あえて、ホテルは、門司港の上質感の漂うプレミアホテル(海峡ビュウの客室をご用意しました)を選びました。下関と門司港は、20分に1回運行の公共フェリーでわずか5分ですが、街並みとしては、やっぱり門司港のベイスポットが素敵です。
明治22年に開港した門司港には、明治、大正の面影を残すノスタルジックな洋館建築が建ち並んで異国情緒が溢れています。プレミアホテルは、その中心部の立地で、しかも、フェリー乗り場や門司港駅(1914)からも至近で、レトロな町並みも含め、全て歩いて廻れるのが何よりです。折角ですので、歴史建築でのランチでのフィナーレといたしました。

黒川紀章設計の高層マンションの31階には展望室が。足元は門司税関。
門司港には明治、大正の数々の洋館建築が残されています
関門海峡はフェリーでたった5分
締めくくりの昼食は門司の旧三井俱楽部または2019年に改装された門司港駅の「みかど食堂」にて

ちょっと贅沢な山口と門司港レトロ 話題の絶景スポットと歴史の町並み【5日間】

出発日: 2月18日(木) 、 2月22日(月) 、 3月10日(水) 、 3月17日(水) 、 3月22日(月)
旅行代金:¥198,000

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