【国内】注目の旅

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2023年11月21日

【視察レポート】春の香川県特別企画 その②

【視察レポート 東京支店 吉田 義和/2023年10月12日】

今年の春は、魅力あふれる香川を訪れてみませんか?

「香川の魅力をお客様に紹介していただけませんか?」と香川県観光協会の皆様から嬉しい申し出をいただき、8月、9月に2度にわたり計6日間かけてじっくりと視察してきました。これまでも小豆島やお遍路の旅など香川を紹介する旅は企画してきましたが、実際に現地の方々とめぐり、魅力発信のキーパーソンとなる人々と話しながら視察すると、また奥深い魅力が見えてきました。そこで出会った魅力的な「場所」や「人」、「食」は、皆様にもきっとご満足いただけるものと確信し、瀬戸内海が美しく輝く時期にツアーを企画いたしました。特別プログラムや行程が満載の限定企画、視察の様子をお届けします。今回は、視察レポート①【小豆島編・高松編】に引き続き、【金刀比羅宮、塩飽諸島】をお届けいたします。

【金刀比羅宮編】
石段を使わずに金刀比羅宮を訪れる。まさかの拝観が実現 

香川県を訪問するにあたり、外せないのが金刀比羅宮です。今回は2回目の香川県視察で訪問が叶いました。金刀比羅宮は全国から篤い信仰を集める神社で、江戸時代には「お伊勢参り」と並ぶ「こんぴら参り」が庶民の一大イベントとして大変人気があったと言われています。ただ、こんぴら参り最大の難関が、境内の石段。かつては瀬戸内海のひとつの島であったと言われる、標高521メートルの象頭山の中腹に鎮座する金刀比羅宮を詣でるには、御本宮まで785段の石段を上らなければ参拝が叶いません。当社でも、このような理由からツアーでのご案内を控えておりました。

今回、香川県観光協会からのご紹介で金刀比羅宮の琴陵宮司や幹部の方とお話をするにあたり、その件の対応をまずご相談しました。すると快く「多くの方にご参拝いただきたいので」と、なんと御本宮までの通用道を今回のグループのために開放してくださり、車で上がることができる運びとなりました。これまで石段が心配で参拝を控えておられた方にも安心してご参加いただけるプログラムとなりました。

御本宮 提供:金刀比羅宮
琴陵宮司、科野相談役、請川禰宜と打ち合わせを行いました

伊藤若冲の傑作『百花の図』含め、奥書院の特別拝観も

 さらに金刀比羅宮から嬉しいご提案もいただきました。それが「奥書院の特別拝観」です。広く民衆の信仰を集める金刀比羅宮には数多くの書画や彫刻、刀剣等が奉納されていますが、そのほとんどが通常非公開で、奥書院もそのひとつです。通常公開しているのは表書院で、円山応挙の『遊虎図』(水呑の虎)をはじめとする傑作障壁画が多く配されているのですが、奥書院には超絶技巧の絵師として知られる伊藤若冲の『百花の図』が残されています。2021年から2年間に及ぶ修復を終え、2023年3月に奥書院に戻った『百花の図』をはじめとする重要文化財の奥書院をじっくりご覧いただく特別な機会となります。

伊藤若冲筆 百花の図 提供:金刀比羅宮

境内のレストラン「神椿」でのランチタイム

 参拝のあとは表書院・奥書院にほど近い境内にある「神椿」でのランチをお楽しみください。神椿は自然豊かな境内にあって、ヨーロッパの風を感じられるレストランです。料理を手掛けるのは、銀座の資生堂パーラーです。境内で優雅なコース料理を楽しむことができます。

自然豊かな境内にある「神椿」の店内
瀬戸内の魚を使ったお料理(イメージ)
食事は資生堂パーラーが担当だけにデザートも質が高い(イメージ)

金刀比羅宮特別拝観のツアーはこちらから

【塩飽(しわく)諸島編】 (塩飽)本島 日本の海運を支えた塩飽の人々

 今回の視察にあたり、ぜひ行ってみたいとメンバーの希望に挙がったのが塩飽諸島でした。小豆島の西、瀬戸大橋のたもとに点在する島々で、中心となる本島には古い町並みが残る重伝建「笠島」があります。島々を効率的に巡る観光船や橋などはなく、観光では貸切船を利用しなければ渡れないところのため、通常観光ではなかなか訪問できませんが、だからこそ「見てみたい」と香川県観光協会にお願いしました。小豆島から貸切船で1時間半ほど。瀬戸大橋の下をくぐると本島が見えてきます。戦国時代には織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と天下人に認められ、その水運を担った塩飽水軍が本拠地としていた島です。まずは塩飽勤番所跡へ。ここは豊臣秀吉から小田原攻めの功を認められた水夫たちが石高を貰い、自治を得て人名(大名の個人版で、塩飽独特の制度)が島内政治を行った場です。資料室には信長、秀吉、家康と歴代天下人の朱印状などが残されています。日本初の太平洋横断を成し遂げた咸臨丸の水夫50人のうち、35人が塩飽出身者だったことから、咸臨丸の水夫たちが残した品も多く展示されていました。

塩飽勤番所Ⓒ(公社)香川県観光協会
島出身の水夫が咸臨丸でアメリカから持ち帰った品々

重伝建 笠島集落を訪ねて

 塩飽勤番所跡から車で10分ほどのところに位置するのが笠島集落。国の重伝建に指定されています。小さな港を中心に、潮風から家屋を守る焼き杉板塀の古民家が並び、なんともいい雰囲気。歩いて30分ほどで巡れるのもちょうどいい規模です。今回は、集落の中でひときわ目を引く吉田邸にお邪魔しました。門の前には「伊藤若冲」「円山応挙」の文字が。こんなところに?と思いつつも、当主の吉田さんに邸内を案内いただきました。すると、邸内には美しく手入れされた庭や室内に、これでもかという美術品が。そして「伊藤若冲の真筆はふだん見せていませんが、特別に」とご主人が掛け軸を出してくれました。伊藤若冲の鶏図で、雄鶏と雌鶏が描かれた2対の掛け軸。このように描かれたものはあまり例がないとのこと。お宝鑑定団の鑑定額はなんと1500万円。そのパネルも飾られていました。

重伝建 笠島集落を歩く視察メンバー
吉田邸の入り口
庭や建築の意匠も美しい吉田邸邸内
お宝鑑定団のパネルも飾ってありました。

粟島 エメラルドグリーンの海員学校がシンボルの素朴な島へ

 塩飽諸島でご紹介したい2つ目の島は粟島です。書籍で見たエメラルドグリーンの校舎がとても印象に残っていました。その校舎は「粟島海員学校」といい、明治30年に世界を航海する外洋船の船員育成のために島の人が私財を投じて作られた学校です。そのため現在でも島民は英語を流暢に話すことができ、近年増えてきた外国人観光客とも気さくに話しているとのこと。視察メンバーは自転車で島内をひとめぐり。島の漁業を統括しているご年配の方に戦争時の話を聞いたり、行先のない手紙を預かる漂流郵便局に立ち寄ったりと、小さい島ながら充実したひとときを過ごすことができました。

粟島の港集落の風景(イメージ)
島唯一の商店(島のコンビニ)は島民憩いの場です
第2回視察メンバー 左から香川県観光協会の小笠原さん、田中、菊間、三豊市観光交流局の石井さん、松﨑 海員学校跡にて

志々島 島の人々の想いがつくった天空の花畑

 1回目の視察の際、テレビで特集を見て気になっていた志々島も、2回目の視察で訪れることができました。この島で有名なのが「天空の花畑」です。かつて花の栽培が盛んで、島全体に花畑が広がっていたことから、「花の島」と呼ばれていましたが、人口減少とともに栽培する人が少なくなり、花畑も荒れ果てていました。以前の姿を復活させようと、島で最後の花農家だった高島孝子さんと息子夫婦が整備し、山の斜面に花を植え始めました。その活動が実を結び、春は芝桜や小菊、キンセンカやマーガレットなど可憐な花々が斜面を染めるようになりました。いつしかその花畑は「天空の花畑」と呼ばれるようになり、今ではその花を見ようと多くの人々が訪れています。

髙島孝子さん家族が復興させた「花の島」の花畑(イメージ)

特別な航路をつなぐ客船「Setoピリカ」

塩飽諸島は東西に広い範囲に島が点在し、それぞれの島をつなぐ航路がないため島を効率的に巡ることが難しい。そんな悩みがありました。香川県観光協会にその悩みを話したところ、紹介いただいたのが「Setoピリカ」です。従来塩飽諸島を観光で訪ねるにはフェリーを乗り継ぐか、通常航路で利用されている70人乗りの高速艇を貸切るかの2択でしたが、Setoピリカは高速艇と同様の広さで20名ほどのゆったりとしたソファ席。後方には展望デッキも備え、上質感に溢れています。小豆島から塩飽、そして尾道までの範囲も運行してくれるとのことで、船長と打ち合わせし、小豆島から塩飽諸島、そして鞆の浦、尾道とめぐる他にはない特別航路の運航をお願いしてきました。

瀬戸大橋とSetoピリカ 小豆島から塩飽本島間で橋の直下を走ります
ゆったりとした船内で優雅な船旅を楽しめます
屋外で直接瀬戸内の景観を楽しむこともできます。
setoピリカの面々と第1回視察メンバー(柴尾・柴﨑・吉田)

setoピリカを利用した、瀬戸内の島々を巡るツアーはこちらから

2回にわたり3月のツアーでご紹介する香川県の見どころを中心にご紹介してきましたが、視察した魅力的な訪問地はまだまだあります。新たな企画にも取り組んでまいりますので、ぜひお楽しみに。

水鏡のような絶景が人気の父母ヶ浜
瀬戸内の景観が美しい紫雲出山

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