佳景・名景・絶景

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2021年01月09日

八重山諸島・石垣島の星空

『旅のひろば』編集部 上釜一郎

世界レベルの星空をぜひ見に行ってください

コラム3回目に沖縄、宮古島をご紹介しましたが、今回は沖縄でも八重山諸島の石垣島です。つい先日、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」の快挙という嬉しいニュースが飛び込んできました。さらに11月より、国際宇宙ステーションに日本人宇宙飛行士、野口聡一さんが長期滞在クルーとして3度目の宇宙へ。今、まさに星空ツーリズムという言葉ができるほど、星空・宇宙への旅の関心は高まっています。

「石垣島の魅力はビーチだけじゃない」。ここは星空の美しさでも有名で、そんな星空の写真を撮るべく昨年10月に訪ねましたが残念なことにあいにくの天候で星空を望むことが出来ませんでした。(自然相手の撮影はほんとうに気象状況に左右され、実は撮影テクニック云々の前に、自然写真、風景写真のいちばん難しいポイントです)

「星空保護区」をご存知でしょうか?「星空保護区」とは、国際ダークスカイ協会(IDA)によって、光害のない暗く美しい夜空を保護するために設立された認定制度です。日本でも有名な海外の星空保護区といえば、ニュージーランドのテカポなどがあり、ワールド航空のツアーでも星空を見に多くの人が訪れていますが、石垣島は2018年に国内で初めて認定されました。星空保護区は「世界で最も星空が美しい場所」というイメージがありますが、単に星空が綺麗というだけでは認定されないそうです。光害を減らし、暗い自然の夜空を守っている地域の人たちの絶え間ない努力と光害という新たな環境問題に取り組んでこそ、星空保護区となるのです。石垣島は北緯24度に位置することから、夜空にある全88星座のうち84の星座が観測でき、日本で唯一、南十字星を見ることができます(毎年12月頃から6月頃まで)。世界レベルの星空をぜひ見に行ってください。写真を撮られる方は、ピントの合わせ方、長時間露光の方法を勉強してからチャレンジしてみてください。もちろん三脚をお忘れなく。

島には各所に星空スポットがあります。移動を考えるとツアーに参加されることをおすすめします。
石垣島には国立天文台のほか6者の連携によって運営され、九州・沖縄では最大の口径105cmの光学・赤外線反射式望遠鏡「むりかぶし望遠鏡」をもつ石垣天文台のほか、国内4局の電波望遠鏡を使い、天の川銀河の3次元立体構造地図などを作るVERAプロジェクトに参加する最南端の電波望遠鏡もあります。(▲写真2020年10月撮影)
【上釜一郎】プロフィール
1964年奈良県生まれ。旅行誌(マガジンハウス/ガリバーほか)からファッション誌(集英社/ COSMOPOLITAN JAPANほか)、広告写真等のカメラマンとして活躍。また、『南オーストラリアのユートピア アデレード』(弊社菊間著・新潮社)『マカオ歴史散歩』『新モンゴル紀行」(ともに弊社菊間著・新潮社とんぼの本)の写真等も撮影。現『旅のひろば』編集部で、各地の視察も行っている。過去には紛争地や、対人地雷問題の取材などの取材経験も多数。1997年にノーベル平和賞を受賞した地雷廃絶国際キャンペーン(International Campaign To Ban Landmines=(ICBL))の日本キャンペーン(JCBL)元運営委員。
現在ワールド航空サービスの知求アカデミー講座で、写真講座の講師も務める。

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