佳景・名景・絶景

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2022年01月15日

神秘のオーロラ(秋のフィンランドで撮影)

『旅のひろば』編集部 上釜一郎

 

秋のフィンランドで撮影しました。寒さは全く感じません
刻々と表情を変えるオーロラ

 久しぶりのコラム更新です。
 ここに来てオミクロン株の拡大で、なかなか海外旅行の再開が遠のきつつあるなか、寂しい限りです。再開を待ちわびている海外旅行ファン、撮影ファンの皆様のお気持ちお察しします。私も悔しい思いでいっぱいです。
 さて、新年最初のこのコラムですが、待ちきれないので海外ネタも徐々に増やして参ります。今回は「神秘のオーロラ」です。

 去る1月12日、総務省が太陽活動の観測や影響の予報を強化するため、有識者からなる「宇宙天気予報の高度化のあり方に関する検討会」という新たな会議を設置し、初会合を開いたというニュースがありました。太陽の活動によって発生する大規模な爆発である太陽フレアやコロナ質量放出によって宇宙に放出される電磁波や太陽風などが時に地球に大きな影響を与え、送電線網への影響で大規模な停電が発生したり、通信障害、GPS衛星の異常など、私たちの生活に多大な危機を招くことがあります。そんな迷惑な太陽活動からの不定期な太陽風ですが、オーロラはその太陽活動によって運ばれてくるプラズマ風によって私たちに神秘の姿を見せてくれます。太陽風の規模や速度は太陽活動の規模により変化しますが、放出されたエネルギーは2日から3日間ほどで地球へとたどりつき地球磁場に捕らえられ地球磁気圏へと侵入。やがて磁力線に導かれ極地へ流れ込み大気と衝突します。この衝突の際に窒素や酸素の分子が励起することで発光する現象がオーロラです。

 多くの人々が誤解しているのはオーロラは冬に発生していると思っているかもしれませんが、太陽活動によるものなので一年中発生しています。冬に高緯度で観測するのは太陽の光に邪魔されない夜が長いからです。と言うわけで寒いの苦手な人は私がお勧めする、秋のフィンランドなどが最適です。寒くもなくいろいろな観光も楽しめるのがその魅力の要因です。

 撮影には三脚などが必要ですが、最近では超高感度に設定できるカメラも増えてきたり、極めて夜景の撮影に優れたスマートフォンなどもあり、一昔前は撮影上級者でないと撮れないオーロラでしたが、そろそろ三脚なしでも撮影ができる時代になってきました。(それなりにきっちりと撮りたい方はやっぱり三脚が必要ですが)

太陽活動の周期から次の太陽活動が活発になる時期は3年後の2025年と予想されています。インフラの大災害は困りますが、各地で壮大なオーロラが見られるのではないでしょうか。

ちなみに機会があれば次回はどっぷりオーロラの動画撮影にチャレンジしたい思っています。撮影旅行は行く前のプラン作りが楽しいものです。今はじっくりと計画を練って「その時」を待っています。


森と湖の秋のフィンランドの風景も魅力です

【上釜一郎】プロフィール
1964年奈良県生まれ。旅行誌(マガジンハウス/ガリバーほか)からファッション誌(集英社/ COSMOPOLITAN JAPANほか)、広告写真等のカメラマンとして活躍。また、『南オーストラリアのユートピア アデレード』(弊社菊間著・新潮社)『マカオ歴史散歩』『新モンゴル紀行」(ともに弊社菊間著・新潮社とんぼの本)の写真等も撮影。現『旅のひろば』編集部で、各地の視察も行っている。過去には紛争地や、対人地雷問題の取材などの取材経験も多数。1997年にノーベル平和賞を受賞した地雷廃絶国際キャンペーン(International Campaign To Ban Landmines=(ICBL))の日本キャンペーン(JCBL)元運営委員。
現在ワールド航空サービスの知求アカデミー講座で、写真講座の講師も務める。

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