歴史ある風景

歴史ある風景

2021年06月22日

その歴史は2000年?海に生きる志摩の女性たちの物語。

本社 プランニング事業本部:乗田憲一

伊勢・志摩。国内では言うまでもなくトップクラスの訪問地ですが、5年ほど前に開催されたG7伊勢志摩サミットもあって世界的にも一躍有名となりました。コロナ前は大変多くの外国人が押し寄せていました。

豊かな自然に囲まれた伊勢・志摩

英虞湾の複雑に入り組んだ海岸線の美しさは、この地を代表する絶景。三陸のリアス式海岸が雄々しさに満ちた迫力の景観であるなら、志摩のリアス式海岸は、優美さの極み。海岸段丘によりギザギザの岩場がなく平らで遠くまで見渡せます。もうひとつ黒潮の影響で温暖な気候となり、海岸線ギリギリまで照葉樹の森が広がっているのも穏やかさに彩りを加えます。

スペインのガリシア地方にある入り江が名前の由来となっているリアス式海岸©三重フォトギャラリー

このリアス式海岸と黒潮が運ぶ養分から生まれる海の恵みが豊富で上質なのです。律令時代から朝廷に食物を献上する御食つ国として知られ、最上級の献上物がアワビでした。アワビは岩の裏や穴に隠れる習性があるために素潜りで獲ります。何と2,000年以上も昔から海女漁が行われていたといいます。今も全国で1800名ほどの海女さんがいますが、そのうち実に700名ほどが鳥羽・志摩だといいます。約1分の潜水時間で岩場に潜むアワビを見つけ、道具で引っ掛けて獲るのは熟練の技です。

海女歴40年は若手で82歳の方も活躍中
©(公社)三重県観光連盟 海女

江戸時代、喜多川歌麿も「鮑取り」という作品を残しています。志摩で海女たちを見て感動した歌麿が、江戸に戻り、吉原の遊女をモデルに描いたという裏話も面白い。今でも最も多くの海女が残るという相差(おうさつ)では、海女小屋で豪快な磯焼き料理を楽しめます。

海女が漁で疲れた体を休めるための海女小屋
海女小屋では海女の話を聞きながら獲れたての魚介類を豪快に焼き上げます

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磯焼き料理を振る舞う海女©(公社)三重県観光連盟

2000年の伝統を今に伝え、生きる海女さんたちの姿は外国人も感銘し、ミシュラン・グリーンガイドでは、相差の地は1つ星の観光地となっています。

世界にも認められている海女の姿

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