歴史ある風景

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2021年06月15日

意外?四国で出会う2つの「モネの庭」

本社 プランニング事業本部:乗田憲一

以前、このコラムで四国は徳島県にある大塚国際美術館をご紹介しました。ヨーロッパの名画の数々を「陶板」で見事に再現しきった熱意と、実物へきっちり敬意を払い、仕上げた職人技には感銘を覚えます。

古今の西洋名画の中から選んだ作品を展示してある大塚国際美術館の様子です

システィーナ礼拝堂やポンペイ遺跡の秘儀の間など「空間そのもの」を再現した部屋もあって、これも圧巻です。

システィーナ礼拝堂
ミケランジェロの偉業をさらなる迫力で体感できます

ポンペイ遺跡「秘儀の間」
教会や聖堂などの空間をまるごと再現した「環境展示」
の一つです

目の前に立つと、そのスケールとダイナミックな構成に
圧倒されます

モネの「大睡蓮」という屋外展示もまた然り。フランス印象派の巨匠モネの傑作『睡蓮』を再現しています。パリのオランジュリー美術館の睡蓮を陶板で再現し、本物さながらに楕円に配置しています。背後に木々を配置し絵と一体化するように表現、周りには池を再現。『睡蓮』を描いたジヴェルニーの庭のような光の下で、現地では室内展示の『睡蓮』を配置する。なかなか面白い挑戦です。

パリのオランジュリー美術館 
第一次世界大戦後に寄付された8つの巨大なパネルに描かれた睡蓮を楽しめます
同じ睡蓮の池の様子が描かれていますがそれぞれが全く違った雰囲気です

四国にもうひとつ、「モネの庭」があります。先日、『世界ふしぎ発見』でも紹介されていましたが高知県の小さな村、北川村の「モネの庭」です。

大塚国際美術館にある屋外展
モネが願った「自然光のもと」での展示。
 

30年ほど前、村興しの一環で日本屈指の収穫量と質を誇る柚子のワイナリー事業を立ち上げましたが寸前で頓挫。途方に暮れていたところで、モネの庭の再現を構想。何の伝手もなく現地へ飛び込み、門前払いが続く中、熱意を込めて懇願し続け、クロード・モネ財団の協力を取り付け、2000年4月、門外不出だった「モネの庭」のを冠した庭を開園。

「花咲く水槽に囲まれた心静かな瞑想の場」とモネが名付けたように、美しい睡蓮の花に囲まれています
「自然光でみてほしい」というモネの願いが実現
されています

モネは庭で青い睡蓮を咲かせることが夢だったと言います。そのモネが夢見た青い睡蓮は、遠く海を渡り、この北川村「モネの庭」で毎年美しい花を咲かせています。ここにも庭師たちの、ジヴェルニーの庭への敬意と表現者としての情熱が感じられて、誇らしい気持ちになります。

フランスでは気候が合わず咲かなかったというモネが愛した青い睡蓮です

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