町並み百選

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2020年12月10日

御手洗の街並み

本社:プランニング事業本部 吉田義和

今回は、数ある瀬戸内の島々の中でも、最も歩いていただきたい町並みが残る「御手洗(みたらい)」をご紹介します。

海に向かって造られた恵美須神社の鳥居

町全体が保存地区の稀有なる街並み

広島県の沖に点在する「とびしま海道」。島々が庭園を渡る飛び石をイメージして名付けられた名称で、点々と小島が並んでいます。中でも江戸時代の風情を色濃く残す町並みとして知られるのが大崎下島の御手洗地区です。町全体が重伝建(注)に登録されている日本唯一の町となっています。町といってもそれほど大規模ではなく、1時間もあればゆっくりと徒歩で散策ができる「丁度良い」町でもあります。御手洗の発展は江戸時代、風待ち、潮待ちに適した良港として広島藩に整備され、明治初期まで海上交易の主流だった北前船の港となった所から始まります。また、幕末には薩長両藩との軍事貿易の拠点となり、坂本龍馬はじめ、吉田松陰、大久保利通なども滞在した記録が残っています。家並みが当時のまま残る御手洗は、そんな時代に想いを馳せながら街歩きをお楽しみいただけます。

歴史ある古民家を楽しむ路地歩き

御手洗の町は御手洗港を中心に広がっています。小さな桟橋を降りると、そこはレトロな別世界。海岸沿いに時計回りに巡ってみましょう。まず現れるのが海に向かって建つ鳥居が印象的な恵美須神社、1666年創建の御手洗で最も古い神社です。裏手には三条実美ら討幕派公卿が滞在した屋敷跡「七卿落遺跡」が残ります。御手洗の町並み散歩を少しでも楽しんでほしいと、地元の人々が古民居に花を活けて飾る粋な活動も行われており、古民家のモノトーンな風景に色を添えています。海沿いから一歩中に入ると、細い路地に家が並び、迷路のよう。所々に薩摩藩船宿跡や百人の遊女を抱えたお茶屋跡が残ります。お茶屋の奥座敷には屋久杉が使われるなど、御手洗と薩摩藩の繋がりが深かったことが伺えます。昔ながらのポストを備えた郵便局を曲がると、かつて問屋街があった常磐町通り。白壁と板塀が美しい屋敷が並びます。御手洗の街並みが今に残るのは、風に強いしっかりとした本瓦の屋根と、それを支える柱と梁の丈夫さが所以とのこと。重厚な屋敷群と、開放的な港風景のコントラストが御手洗最大の魅力です。

町並みガイドの田中さんと社長松本と吉田
(11月20日新造客船シースピカ視察にて)
薩摩の武士が集った薩摩藩船宿跡 町の至るところに活けられた花が彩を添える
大正期の家屋と江戸時代の町並みが連続する御手洗ならではの風景
古い屋敷の並ぶ迷路のような路地を歩くのも楽しみ

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