【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2020年12月07日

四国南岸横断の旅

2020年10月27日~10月31日 4日間 添乗員:東京支店 太田勇樹

秋晴れのなか、四国の原風景を訪ねて愛媛から高知、徳島の沿岸部を巡りました。「いつまでも残したい日本の風景」を求め、10月9日発に続いての出発となりましたが、あまり知られていない町に注目してご紹介します。

美しい日本の歴史的風景、外泊

南予の由良半島にある小さな集落が外泊(そとどまり)です。幕末よりそのままの姿をとどめており、四国の最果てともいえる村です。急斜面に建てられた家の周囲を、石を積み上げて作った石壁が覆う独特の景観は、「美しい日本の歴史的風景100選」にも選ばれています。

石垣が連なりまるで城塞のような外泊

夏の台風や冬の季節風により風が強い土地柄で発達した独特な文化は今でも継承されており、この地域ならではの景観が保たれています。

集落の前には湾が広がり、養殖が行われていました。現在はみかんやチョコレートなどを餌に混ぜて風味をつける試みがあり、ツアー中に「みかん鯛の煮つけ」をいただきましたが、柑橘系の爽やかな味がする鯛に皆様驚いていらっしゃいました。

養殖が盛んな愛媛らしい風景を石垣から望む

集落では2世帯を除いて名字が「吉田」とのことで、地元の方はどのようにして名前を呼びあっているのか気になります。この由良半島は珍しい名前が多いことで有名で、大根さん、人参さん、葱さんなどいらっしゃるとのこと。戸籍法が制定された時に、新しい名字をつけたそうですが、「~さんの作る大根は美おいしいから」「~さんの畑では人参が多く採れるから」などの理由で名前がつけられたそうです。

愛媛の小さな小さな集落ではありますが、ガイドブックでは絶対に知ることのできない四国の面白い魅力に溢れていました。

高地初の重伝建、吉良川

古来より良質な木炭と薪が取れることから「土佐備長炭」の積み出し港として栄えた吉良川。室戸岬が近いことから通り過ぎてしまうことも多いかと思いますが、台風常襲地としての備えが反映された家造りや街並みは一見の価値ありです。地元の観光協会のガイドさんの案内でのんびり散策をしました。

横殴りの雨が多いこの地域では、藁と石灰を混ぜた「土佐漆喰」を何層にも塗り重ね壁を守っています。それに加え「水切り瓦」と呼ばれるヒサシにより雨水が溜まらないように工夫がされており、水切り瓦のおかげで白壁が10年以上長く保つようになったといわれています。

台風を考慮した堅牢な造りの古民家

今でも備長炭は生産されているとのことで、町中のあちらこちらで備長炭で作られた風鈴を目にしました。備長炭で栄えた当時の面影が感じられます。

「わざわざこんなところまでありがとう。けっこうきれいな町でしょう」とガイドさんがおっしゃっていました。高知県で初めて重要伝統建造物群保存地区に登録された町並みから、台風の通り道として名高い四国ならではの気候風土に対応した地元の人々の知恵を垣間見ることができました。

四国にはまだまだ知られていない魅力的な村がたくさん残っています。

吉良川の土佐漆喰の白壁と水切り瓦

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