【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2020年12月14日
滋賀ガストロノミー 琵琶湖・近江の旅
2020年12月11日~12月14日 4日間 添乗員:東京支店 田澤 桃菜
<12/11発・添乗員 田澤桃菜>
滋賀ガストロノミーの旅に行ってきました。12月10日発のコースでは、肉の名店「サカエヤ」の肉を味わえるビストロ「セジール」についてご紹介しましたので、今回は、滋賀料理の伝統を育んだ「ひさご寿し」についてご紹介します。

琵琶湖の恩恵を受けて育まれた滋賀料理
広大な平野と琵琶湖の水に恵まれた滋賀は、古くからの米どころ。そこでとれる近江米から米麴を作り、独自の発酵技術を用いた熟れ寿しや味噌、漬け物などの名産品が生まれたのです。
また、琵琶湖は海と違い、無尽蔵に湖魚が採れるわけではないので、豊漁時にさばききれない湖魚を保存しておく必要があります。鮒寿しなどの熟れ寿しを作るにあたって、大量の米が必要になるのですが、石高に余裕のある滋賀だからこそ、この熟れ寿し文化、発酵料理が発展していったといえます。
地元で愛される名店「ひさご寿し」にてお食事を
昭和36年創業のひさご寿しは、2019年5月にリニューアルされ、老舗の名店ながら店内は清潔感があり、漆喰と板張りの壁で落ち着いた空間でした。ひさご寿しでは、毎年土用の頃に鮒ずしをつけています。
地域や店ごとに仕込む期間が異なりますが、ここでは2〜3年かけて熟成させたものを提供しています。ひさご寿しの鮒ずしは、ごはんと塩と塩切りされた鮒の3種類しか使わないという昔ながらのシンプルな方法で漬け、ゆっくりと熟成しているため、ここで食べる鮒ずしは、香りや酸味が強くなく、ほかと比べてまろやかな味わいでした。

琵琶湖では、小さな小さな食材「スジエビ」がよく採れます。近江前寿司には、サバ寿司や鱒寿司などの熟れ寿しが並ぶ中、一見スポンジケーキのようなお寿司がでてきて驚きました。これは、スジエビの卵焼きだそうです。琵琶湖では、体長2~4センチほどのスジエビがよく採れます。ふわふわとした食感の中に、エビのうま味が感じられ、ひさご寿しならではのこだわりが感じられました。

ひさご寿しでは、鮒寿しだけではなく、ここでしか食べることのできないお料理の数々に驚きました。まずは、郷土料理「じょき」。じょきとは、沖島で水揚げした新鮮な「ニゴロブナ」を三枚におろして細切りにし、ネギを加えて酢味噌和えした料理です。コリコリとした食感がくせになり、まさにお酒のお供にぴったりです。
ほかにも、「ツキノワグマ」の鍋や「穴熊」の煮込みなど、今まで食べたことのないお料理が次々に提供されました。お鍋は目の前で調理してくださるので、その分時間がかかりますが、一つひとつ丁寧に作ってくださる姿が印象的でした。一見茶碗蒸しのような煮込み料理。実はこれ、「穴熊」の煮込みだそうです。ジビエ料理の臭みなどは一切なく、牛スジのようなほろほろのお肉。料理名からは想像ができないほどやさしい味で、意外性がありました。


発酵料理には地酒を合わせたい
ひさご寿しは、地酒も豊富に取りそろえています。滋賀県には、小規模ながらも質の高い日本酒を作り続けている蔵元が多数あり、良質な水・近江米を使用していることから、いずれも高い評価を得ています。松瀬酒造の「松の司」は、瑞々しいスッキリとした味わいから誰でも飲みやすい定番の地酒です。そのほかにも、甘口をコンセプトに独創的な酒を輩出している「笑四季」や濃醇な味わいと鋭い切れ味が特徴の「不老泉」など、お酒がお好きなお客様は、お料理に加えて、地酒の飲み比べも楽しまれていました。
琵琶湖に育まれた食文化は、一時、都をここに置いた時代より現代に続いています。湖魚食文化を中心とした、他に類を見ない滋賀料理を体感し、その料理のひとつひとつに、琵琶湖や田畑、日本の歴史、食にまつわる物語を感じることができました。
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