【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2022年04月04日

【帰着レポート】装飾古墳特別公開と関東の古代史跡を巡る旅 

<3/31発 添乗員:東京支店 岩田尚之>

各地で満開の桜が見ごろを迎える中、歴史ロマン溢れる北関東の古墳巡りの旅に添乗してまいりました。関西・九州に次いで古墳の多さで知られる関東。ヤマト政権の東方制定後、シンボルである前方後円墳が関東にも多く築かれました。しかし、彼らの生まれ持ったアイデンティティは決して失われることなく、その独自性は古墳の内部や形状に強い意志となって表れ、今日の珍しい古墳群を作り上げることになります。
古墳を研究している専門ガイドが同行し、特別セミナーも開催したので、知識をより深化させ、ひと味もふた味も違う観光をすることができました。

現代に蘇る、鮮やかな装飾古墳に感動しました。

虎塚古墳は、春と秋に8日間ずつしか公開されない期間限定の古墳で、今回の旅のハイライトとして楽しみにしていた方も多くいらっしゃいました。1973年の発掘調査まで未盗掘だったことから石室内の保存状態が良好だったため、綿密な内部環境の調査が可能となりました。1400年の時を経て、色鮮やかなベンガラの装飾を見学することができ、「これを見るために参加したのよ」、「参加した甲斐があったわ」と喜びの声があがりました。また、隣接する埋蔵文化財調査センターに務める稲田氏による装飾古墳の特別セミナーを開催し、虎塚古墳の発掘調査の話や関東と九州の装飾古墳の関連性など、興味深い話が聞けました。

発見当初は、1日に1万2000人の地元客が押し寄せ、
世紀の大発見を一目見ようと大挙したそうです。
古墳内部は写真撮影禁止ですが、併設する資料館には精巧なレプリカが展示されています。

北関東に点在する個性豊かな古墳をたくさん見学しました。

訪問した栃木・群馬県は古墳の大きさにおいても関東の他県を圧倒しています。それは、当時の交通の要衝が河川であったことから、このあたりは重要視され、結果として力を持った有力な豪族が多く出現したと考えられています。訪問した琵琶塚古墳・摩利支天塚古墳は120ⅿを超え見応えがあり、実際に墳頂部にも上ってみると、関東平野がぐるりと見渡せました。また、巨石を天井に用いた観音塚古墳を訪ねましたが、右島館長曰く、「諏訪大社の御柱祭のように、古墳を作るのは一種のお祭りのようなものであったとも考えられる」と話があり、わざわざ遠くの場所から運ぶ理由も、そのような考察があるのだなと、皆様興味深く頷かれ、気になったことを質問されていました。

琵琶塚古墳に上りました。数年前までは雑木林に覆われていましたが、伐採され綺麗な前方後円墳の形をみることができます。
墳頂部には小さな祠も置かれていました。
掘に囲まれた車塚古墳。珍しく川原石を葺いた箇所も残っており、貴重な古墳です。内部には赤いベンガラの装飾もわずかに残っています。
桜の木々が上部を彩っている観音塚古墳。横穴式石室で天井にはおよそ60トンの巨石が使われていました。当時の土木技術の高さが感じられました。
古代の豪族の墓と推定された保渡田古墳群にある八幡塚古墳。人物や動物の埴輪が綺麗に並べられ、古墳をぐるりと約6000体の円筒埴輪が巡らされています。その数に圧倒されました。

「古墳王国」群馬を、名誉館長の同行のもと観光しました。

関東の古墳文化を引っ張ってきた古墳王国群馬において、その発掘調査に長年携わってこられた群馬県立歴史博物館の名誉館長である右島和夫氏とともに、古墳群を観光しました。上越新幹線や高速道路を敷設する前に、発掘調査をされたそうですが、一面に水田跡が見つかったという話は印象的で、現代においても変わらず水田が行われている場所もあり、古墳時代から変わらず続く悠久の歴史を感じました。

綿貫観音山古墳。2020年3月には、出土品のほとんどが国宝に指定され、県内の古墳の中でもその希少性は群を抜いています。次に訪れた県立博物館で見学することができます。
群馬県立歴史博物館に展示されている国宝「3人童女」は綿貫観音山古墳から出土されました。1つの台に3つの埴輪が置かれているのは日本でこの埴輪のみです。他にも朝鮮半島や中国との交流をうかがわせる銅鏡や銅製品が見つかっています。
さきたま古墳群にある日本最大級の円墳「丸墓山古墳」は満開の桜で彩られ多くの観光客が花見に訪れていました。
工場地帯にポツンと現れる八幡山古墳。現在は石室しか残っていませんが、漆塗りの木棺片が見つかり、かなりの権力者が埋葬されていたとみられています。その形容から、「関東の石舞台」と呼ばれています。

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