視察レポート
視察レポート
2021年08月05日
「生きている地球を見に行く」近くて遠い、三宅島(インタビュー: 観光協会事務局長 谷井重夫さん)
東京支店 福島 伸彦
7月の連休を利用して、悪天候続きのために見合わせていた三宅島の視察に営業担当の相澤マネージャーと共に訪ね、三宅島ならではの魅力を体感しました。
(※別途、視察レポートで三宅島の魅力をご紹介します)
またその際、連休中で大忙しの中、三宅島観光協会の事務局長、谷井重夫さんにお時間をいただき、三宅島の魅力やイチ押しポイントを語っていただきました。
【谷井重夫(やつい しげお)さん プロフィール】
1970年大阪府生まれ。
93年にソニー株式会社入社。
会社勤めで全国を転々とし、2016年10月一般社団法人三宅島観光協会事務局長に就任。
-このたびはお忙しい中有難うございます。早速ですが谷井さんは三宅島のご出身なのですか? それとも移住されたのですか?
谷井さん:移住組です。5年程前までは電機メーカーに勤めるサラリーマンだったのですが、旅行好きな妻が三宅村の「島ぐらし体験事業(移住体験プログラム)」に申し込み、それに当選し参加したことが三宅島に移住するきっかけとなりました。
-そこで三宅島の魅力にすっかりはまってしまったのですか?
谷井さん:ところがそうじゃないんですよ(笑)。この時の移住体験プログラムは2月に設定されていたんですが、本土に比べれば気候は穏やかでほとんど雪も降りませんが、強風が吹き船の欠航などもあり、南国というイメージとはかけ離れた場所だな、と思いつつ「(三宅島に)はまる」とまではいきませんでした。
ただ、この体験プログラムはよく考えられており、後に聞いた話では敢えて年間で一番コンディションが悪い所謂“底の時期”を経験してもらい、他の季節はそれ以上の良い状態で住みやすいんですよ、というメッセージ(狙い?)があったそうです。2月の三宅島の魅力はいろいろとあったのですが、さらに数ヶ月後のゴールデンウィークの連休時に再来島してすっかりと「はまって」しまいました(笑)。さらにその頃、観光協会のお仕事の話もあって移住を決意することとなりました。
-随分大きな転身ですね。先程「いろいろな魅力」とおっしゃっていましたが、谷井さんが思う、三宅島の「この」魅力とはなんでしょうか?
谷井さん:ひとことで言うと「非日常」という言葉になると思います。自分の家の玄関を開けたら、そこに天然記念物であり絶滅危惧種の鳥(アカコッコ)がうろちょろしていたり、庭にむき出しになっている岩が数百年前の噴火で流れ出た溶岩であったり、磯場からルアーを投げると「カンパチ」が釣れたり・・・。ここが東京の島なんて普通ではちょっと考えられない「日常」だと思います。そして何よりも三宅島は20世紀以降に4回も噴火を経験している有人島なんです。ですが、春には鳥のさえずりを聞き、夏には魚と泳ぎ、秋には黄金のすすきに覆われたり、四季折々の豊かな自然の「顔」を見せてくれる島でもあります。三宅島は人も自然も生き生きとした活力にみなぎっており、訪れる人々を出迎えてくれます。何度も甦ってきた自然の息吹を目の当たりにすることができ、また自然災害を乗り越えてきた島の皆さんのパワーなのかもしれません。
ここ三宅島は、地球の息吹を感じられる島、地球むき出しの島かと思います。その力強いエネルギーは、訪れる人の心の有り様さえも変えてしまうかもしれません。
-三宅島に行ったらこれだけはぜひ見てもらいたいものを教えてください。
谷井さん:これだけ、ではなく島にある全てがおススメで必見ではあるのですが(笑)、これまでご来島いただいたお客様にアンケートによると、訪問地の人気トップ3は第1位「メガネ岩」、第2位「新鼻新山」、第3位「ひょうたん山」です。やはり「地球創成期」が感じられる三宅島を見ていただきたいですね。
谷井さん:生きている火山の島を実感できる火山遊歩道、赤と黒の台地、枯れ木が点在する山肌など、ここでしか見られない景色です。その他、伊豆諸島の島々が見渡せる七島展望台や伊豆諸島最大の淡水湖である大路池も人気のスポットです。
谷井さん:私達島民にとっては、伊豆岬灯台が人気ですね。島でのスローライフを期待しての移住だったのですが、年間通じて様々な行事が目白押しで忙しい(笑)日々を過ごしています。そんな一日の終わりに夕景を眺めながらのんびりと過ごせる場所として人気が高いようです。
谷井さん:また、三宅島は小さいながらも見どころが詰まった宝島です。ウォーキングでは火山景観を眺めながら歩くノルディックウォーキングが楽しめ、三本岳での磯釣りもできます。東の三本岳、西の男女群島と言われる釣り人の聖地があります。最近では巨樹・巨木にも注目が集まっています。持続的観光を目指しているため、すべての巨木を一般公開している訳ではありませんが、幹回り19.27メートルの日本最大級のスダジイの巨樹などもあります。三宅島では島の至る所で見事な巨樹・巨木が立っており、その数は約3,000本以上と言われています。天然資源の少ない島で大きな木は大変貴重なものであり、諸説ありますが伐採されずに数多くの巨木林が存在する理由として、巨樹・巨木は大昔から火の神の化身とされ、ご神木として敬いあがめていたからだと言われています。また、平安期から数えれば15回も噴火活動があったにもかかわらず、これらの巨樹・巨木が現存していることを考えると実に神秘的です。
谷井さん:さらに島内には神社の数も多い島で、JR山手線の内側の面積とほぼ同じで一周約35キロほどの島の中に、延喜式内社に記載されている神社が12社もあります。日本全国で2,861社ですので、その数からしてもとても信心深い島と言えます。
ほかにも色々ありますが、三宅島訪問の際には、是非そういった昔から続く島民の心に思いを馳せながら「非日常」の旅を楽しんでいただきたいです。そうすれば、きっと更に充実した旅になるかと思います。
-本日はお忙しい中、いろいろなお話を伺わせていただき、ありがとうございました。
谷井さん:こちらこそ、ありがとうございました。皆様のご来島をお待ちしております!
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