視察レポート

視察レポート

2021年06月16日

奇跡の清流「仁淀(によど)ブルーを求めて」

松本 佳晴

 

中国・四川省にある九塞溝は、水の織り成す絶景、奇跡的な透明度で人々を魅了し、世界各地から多くの人が訪れる人気の観光地となりました。
四国山脈奥地の仁淀は、九塞溝にも負けない神秘的な清流と滝壺が実に美しく、日本にも九塞溝があったとつぶやいてしまいました。
九塞溝もツアーを始めた頃は訪れる人はそう多くはなく、神秘的でしたが、今では世界に知られる観光地となりました。この仁淀も数年後には四国の仁淀として知られた存在になるに違いありません。

仁淀は日本の九塞溝か?

何とも迫力のあるキャッチフレーズですが、それを自分たちの眼で見極めるために、松本、プランニングの吉田、大阪から支店長の渡邉、そして、写真のプロでおなじみの上釜の4人で、高知を下見してきました。

 高知では、四万十の清流が全国区ですが、実は、この仁淀川は「7年連続日本一の清流」を誇る透明度で、「奇跡の清流」と謳われています。四国最高峰の石鎚山を水源として、124キロの長さで山間を蛇行を繰り返しながら様々な支流を集めて、土佐市で太平洋に注ぎ込みます。高知県の85%が山森。高知は海の国であると同様に山の国でもあります。この高い透明度に比例して光を構成する「青」波長がより深く、明晰に「仁淀ブルー」となって、人間の眼に飛び込んで来るんだそうです。(チンダル現象と呼ぶ)

 中国大陸の九塞溝とは規模的には比較になりませんが、その透明度とブルーの美しさにおいては、ずばり九塞溝を凌ぐのでは、と本家の九塞溝をよく知る私達視察チーム4人の一致した感想。しかも、一本の河川ではなく、大小の支流も含めた仁淀川水系のアチラコチラに「ブルーポイント」が点綴しているのも、大きな魅力です。

滝と淵のコントラストが美しい中津渓谷

中津渓谷を「雨竜の滝」まで歩く

まず、歩き始めたのが「中津渓谷」。渓流は、前日(5/20)迄数日間降り続いた雨のため、ガイドさんも驚くほどの水量で、巨大な火成岩がゴロゴロする中を、ゴウゴウと音を立てて飛沫を上げて流れてゆきます。時々、川幅が広がるところでは、「仁淀ブルー」となり、この時期は、鮎の稚魚が懸命に遡上しようと盛んに尾を振っているのが何尾も見えて、健気なその姿には思わず応援したくなります。特に、今シーズンは、稚魚の姿が多いというガイドさんの言。沢づたいに、途中途中でガイドさんの解説を聴きながら、30分ほどで私達のウォークルートの最終地点「雨竜の滝」が見えてきました。

中津渓谷の奥に位置する雨竜の滝 

高さ20メートルですが、今日の水量は尋常ならざるもので、轟音が鳴り響き、ちょっと怖いほどです。

シャッターチャンスとばかりに、勇敢にも、上釜、吉田、渡邉は、びっしょり濡れながら滝の目の前まで辿り着きましたが、ひるんだ松本は、後方待機で、遠撮りで辛抱しました。まだまだ、知名度が低いせいか、日曜とはいえ、訪問者は数えるほど。「これから」のディスティネーションでしょう。(底のしっかり靴と、スラックス、水よけ雨よけの防水加工のジャンパーがよい。)

仁淀ブルーの神髄「安居渓谷」へ

山間道路は、舗装道ですが、渓谷の奥へ進むほど、道幅が狭くなり、次に向かった「安居渓谷」へは、小型バス(25席)しか走行できません。「困ったなあ」と思っていましたところ、地元ガイドさんから、地元のバス会社を教えてもらい、早速ノーアポで車庫を訪ね、社長さんと打ち合わせ。そこでは、小型バス3台、中型1台を実際に見ることができ、ひと安心。秋は、一車線の小道が混んでの渋滞に巻き込まれるので、、、というアドバイスでウィークデイのプログラムにその場で切り替えました。やはり、情報の少ない秘境エリアは、実際に訪ねてみるのが一番です。

仁淀ブルーの最強スポットがこの「水晶淵」とても前日が大雨だったとは思えません。

「安居渓谷」には、感銘すら覚えるほどの「仁淀ブルー」が待っていてくれました。ここは、「奇跡の清流」の面目躍如で、4人が黙々と時を経つのを忘れて思い思いに渓流沿いに散り、その名も「水晶淵」では、これ迄見たことがないエメラルドブルーに取りつかれたようにシャッターを押し続けていました。

歩行時間そのものは、先ほどの中津渓谷より短いので足の負担は大きくなく、事情に精通した地元ドライバーと地元ガイドさんが一緒なので、何かと安心して任せられます。

特に9月頃から晩秋にかけてが、周囲を取り巻く山の景観美と、更に透明度を増す仁淀川の美しさで、一年でもベストシーズンとの説明。これ以上の透明度とは、一体どんな?ちょっと想像が出来ません。

背龍の滝 ここから水晶淵はすぐ
川底に波紋の陰が映るほどの透明度
濃い青の水面が美しい砂防ダムの滝

単独の滝が美しい写真映えスポット、「にこ淵」

写真映えスポットとしてSNSなどでにわかに人気となったのが「にこ淵」。仁淀川の支流「枝川川」にあります。中津渓谷や安居渓谷とは違い、単独の滝と滝壺がメインのスポットです。滝壺へは階段がありますが、急勾配を降りることになります。

これぞ「仁淀ブルー」を感じられる滝壺の青が印象的です。
視察メンバー、左から渡邉大阪支店長、松本、仁淀町観光協会の小野典子さん、仁淀町の観光を考える会のガイド山中陽子さん、プランニング事業部の吉田とカメラマン上釜

歴史のまち「佐川(さかわ)」

高知からの途上、特に印象に残ったのは、「佐川」(さかわ)の江戸時代の町並でした。通称「松山街道」の街道筋の宿場的な歴史の町並が残されていて、ワールドの旅好きの皆様にはきっと喜んでいただけるはずです。高知を代表する「司牡丹」酒造の第一号蔵の佇まい、牧野富太郎(植物学者)の生家跡の資料館、古刹青源寺、数々の旧商家、そら色の洋館は青山文庫(維新の志士の遺墨などの博物館)などが、広くない街道筋にコンパクトに点在しており、価値の高い立ち寄りプログラムです。こちらもどうぞお楽しみに。

旧家が残る佐川の町並み
高知を代表する「司牡丹」の酒蔵
おなじみの司牡丹の看板

高知市内の楽しみもいろいろ

江戸時代の天守と城郭の残る高知城も大変立派です。
高知色を感じる日曜市
売っている品物も高知らしい。

 

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