視察レポート
視察レポート
2023年03月22日
【唐招提寺特別拝観 視察レポート①】唐招提寺特別拝観の全貌は?
〈プランニング:吉田義和〉
3月23日、6月に実施する唐招提寺御影堂の特別参観にむけ、現地と打ち合わせを行ってきました。
それにあわせ、前後の観光も皆様にお楽しみいただけるよう詳しく見て参りましたので、3回にわたってご報告いたします。第一回は、旅のメインとなる唐招提寺との打ち合わせの様子をご紹介いたします。
年に3日しか公開されない美の殿堂「御影堂」へ
鑑真和上を祀る唐招提寺の御影堂が7年の歳月を経た修復工事を終え、落慶法要を行ったのが2022年6月のこと。日本初の肖像彫刻と言われる鑑真和上坐像や、東山魁夷画伯の障壁画が奉じられる日本美術屈指の「美の殿堂」とも言える御堂ですが、修復工事前から鑑真和上の命日の前後3日の法要時にしか公開されず、この8年の間で全貌が公開されたのは僅か3日のみ。ですから、このたびの特別参観は大変貴重な機会です。
国内旅行を企画するにあたり、是非皆様にこの貴重な空間をご覧いただきたい、とお願いを重ね、ついに今回ワールド航空サービスのお客様だけの特別参観が実現しました。とはいえ、一般の参観は行っておらず、特別参観も今回のワールド航空が初めてのこと。そこでプランニングの吉田と大阪支店の八百屋で現地に赴き、打ち合わせを行ってきました。

寺務所では執事長が迎えてくださり、御影堂へ案内していただきました。入り口の格子を外し、いざ中へ。御影堂は唐招提寺の伽藍の奥に位置し、普段は格子の外側から「この先に鑑真和上像があるんですよ」と、お客様をご案内してきた場所に入っていくので、ちょっと緊張した気持ちに。
御影堂は独立した御堂のイメージですが、実際にはいくつもの控えの間があります。当日は、鑑真和上や東山魁夷画伯についてなど、僧侶のお話を伺いながら進んでいきます。

ついに姿を現す東山魁夷画伯の傑作障壁画「濤声」「山雲」

いくつかの間を進み、襖を開けていただいた先には、まさに一面の「青」。東山魁夷画伯の代表作『濤声』が姿を現します。東山魁夷画伯の代名詞ともいえる「青」をこれでもかと襖に彩った『涛声』は宸殿の一面に広がり、自分がまるで波打ち際に立っているかのような感覚にとらわれます。鑑真和上が多くの波濤を越えて来訪した、日本の海の荒々しさと美しさを内包した障壁画です。一般公開時には行列でゆっくりと鑑賞できませんが、今回の特別参観では解説を含めじっくりとご覧いただけます。
そして、『濤声』の襖を開けていただき、奥にある上段の間が開かれると、そこには神秘的な日本の山の風景が。東山魁夷画伯もうひとつの傑作『山雲』です。青の『濤声』とは対照的に、墨絵のような色合いで日本の豊かな山林と雲を描いています。改修前は照明がなかったため外光を取り入れてでしかご覧いただけず、天候によっては暗く見えないこともあったそうですが、今回の大改修を経て障壁画を引き立てるように計算された照明が取り付けられ、より一層美しくご覧いただけるようになりました。

今回の特別参観では、さらに御影堂の裏手へ。裏手には東山魁夷画伯が鑑真和上の故郷、中国を実際に訪れ、その風景を描いた障壁画が納められています。漓江の風景を描いた『桂林月宵』そして黄山の風景を描いた『黄山暁雲』です。水墨画の技法を用いて描かれたその風景は、中国を代表する幻想佳景を見事なまでに映しとっています。

御影堂の建物自体の価値も素晴らしいものです。
もともとは興福寺にあり、皇族や摂関家の子弟が入門した格式の高い門跡寺院を、文化財保護のため国から唐招提寺が譲り受け、現在の御影堂としたもので、平安の寝殿造りの建築を今に残す貴重な文化財です。
終始感動しきりの参拝でしたが、参拝の最後には、参拝記念記念品もいただき、思わぬサプライズにさらに嬉しさが倍増しました。特別参観にご参加いただいた方にも、ご用意くださるそうですので、中身はここでは秘密です。ぜひお楽しみに。
視察レポートその①は唐招提寺御影堂でしたが、打ち合わせにあわせて旅の前後を楽しむプログラムも視察して参りましたので、次回はその様子をご案内します。
その② 和空の名物ガイドと松伯美術館 次週公開
唐招提寺御影堂特別参観のツアーはこちらから

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