視察レポート
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視察レポート
2023年03月13日
若狭の珠玉 京と大陸を繋ぐ港町「小浜」は面白い!
2023年3月1日(水)~3月4日(土) 九州支店:柴尾祐樹
春の陽気を感じる3月初旬、若狭おばま観光協会の招待を受け、本社顧問の松本と共に福井県・小浜市を訪ねました。「京は遠ても十八里」(小浜から京都までの距離は十八里・約72km、遠いと言っても知れたものという意味)と言って小浜の人は鯖をはじめとする海産物を京都へ運んだといわれ、京都から最も近い日本海沿岸の町がここ小浜でした。小浜が面している若狭湾は比較的穏やかな波で知られ、古来より大陸からの船が出入りするに都合がよく、京都や奈良に近いという立地により、都と大陸とを結ぶ重要な役割を担っていました。また、江戸中期から明治にかけては北前船の寄港地としても栄えました。その歴史を感じる町並み、食文化、祭りなど現地で感じた若狭の魅力をお伝えします。
小浜から京へ 若狭街道をゆく
古代、御食国(みけつくに)の一つとされた若狭。「御食国」とは、皇室や朝廷に地域の特色ある豊かな食材を納めた国のことで、若狭、伊勢・志摩、淡路の3つの国を指します。面白いことに、地図上でこの3地点を線で結ぶと京都や奈良を中心に三角形になっていることがわかります。都を囲む三方のうち、北側、日本海の海の幸の産地を担ったのが若狭だったのです。海産物の中でも、ある時期になると特に多くの鯖が運ばれるようになり、小浜から京都へ繋がるいくつかの道を鯖街道と呼ぶようになりました。鯖街道のメインルートは小浜から熊川、大原を経て京都へと向かう若狭街道です。
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その若狭街道沿いにあり、重伝建に指定される小浜の三丁町は、かつての茶屋町で京文化の面影が残っています。狭い路地、ベンガラ格子や出格子の家が軒を連ね、情緒的で気品を感じる魅力的な町並みは今も健在です。大正9年には、芸妓を80人超もかかえていたという繁盛ぶりを示す記録が残っています。
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深山幽谷の地にひっそり佇む山寺 国宝・明通寺
京と大陸文化を結ぶ玄関口であった小浜は、奈良時代から平安時代にかけ多くの寺社仏閣が創建され、現在でも人口比率トップクラスの寺社仏閣数を誇ります。その中でも印象的だったのは、国宝・明通寺です。小浜郊外の深い山間に建ち、平安時代初期に征夷大将軍の坂上田村麻呂により創建された本堂(国宝)、高さ22mの三重塔(国宝)は思わず足を止めて見入ってしまう存在感でした。
また、この日(3月2日)は若狭に春を告げる神事「お水送り」の日。せっかくなので若狭創生神である若狭彦と若狭姫の二神を祀る神宮寺に向かい、松明行列に参加しました。一般客も参加でき、暗闇に浮かぶ炎の帯はとても幻想的で、忘れられない体験となりました。
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海産物が豊富 鯖のへしこは絶品!
小浜には「御食国若狭おばま食文化館」という立派な施設があります。1階には若狭の食にまつわる歴史・文化や伝承料理などの展示、2階は伝統工芸の体験施設となっており、今回は若狭塗箸研ぎ出し体験に参加しました。アワビ貝や卵の殻が埋め込まれている若狭塗のお箸を紙やすりで研ぎだして、わずか30分ほどでオリジナルの箸が完成します。もちろん作ったお箸はその場で持ち帰れるので、良いお土産になります。
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港町の小浜では市場散策も楽しみのひとつ。普段はあまり食材の買い出しなどしない私ですが、質の高さと安さにびっくり。思わず仕事を忘れ、買い物に夢中になりそうでした。隣のフィッシャーマンズワーフでは海産物を中心としたお土産もありますので、お買い物も楽しめます。
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また、小浜から1時間弱、三方五湖のひとつ日向(ひるが)では、福井県の郷土料理である「へしこ」を作っている小屋を訪ねました。「へしこ」とは、鯖などの塩漬けした魚を、米糠に付け込んで長期熟成させた発酵食品です。福井県沿岸部では昔から家庭で作られてきたそうで、漁に出ることが難しい冬には貴重なたんぱく源として重宝されたといいます。この日は、高倉健主演の映画「夜叉」(1995年)のロケ地となった漁村集落「日向(ひるが)」に母娘でへしこ作りをしている日の出屋さんと出会いました。さっそくへしこを味見。塩味と魚の旨味が絶妙で、おかずやご飯のお供としてはもちろん、おつまみにもピッタリ。そのまま食べてもよし、お茶づけ、スライスした大根に載せてカナッペ風に、と様々な食べ方を教えてくれました。
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