佳景・名景・絶景

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2021年10月16日

北の国は冬がいちばん美しい

『旅のひろば』編集部 上釜一郎

 

冬の美瑛。カメラをオートでそのまま撮影するとどうしても雪の「白」が「グレー」に写ってしまいます。すべてのカメラの仕組みなのでしょうがないのですが露出補正をプラスにして、段階を変えて何枚か写してみてください。そして、微妙な「白の中の白」を探してみてください。
思い切って、大幅にプラスするとこんな写真にもすることができますよ。
あれも入れて、これも入れてではなく、たまにはシンプルな構図で「ネガティブスペース」を作ってみては。ネガティブスペースは写真で言うと何もない空間、間のある空間です。静けさや時には孤独感を表現することができます。

 「北の国は冬がいちばん美しい」
日本には四季があります。各地で四季折々の美しい風景があります。おまけに北海道から沖縄まで南北に長いので北と南では、それぞれの四季でそれこそ無限に佳景、名景、絶景が広がっています。その中で、今回ご紹介するのは東北や北海道。もちろんここにも四季があってそれぞれ美しいのですが、とりわけ輝きを見せるのが「冬」。ということで今回のテーマは「北の国は冬がいちばん美しい」です。
 最初はやはり北海道。とりわけ美瑛、富良野は「絵」になります。かつて「色彩の魔術師」と呼ばれた日本を代表する写真家のひとり前田真三氏はこの地の写真を数多く残しています。まさに「色彩の魔術師」を彷彿させる夏の富良野の写真は有名ですが、冬の写真も多く撮影されています。惜しまれながら1998年にお亡くなりになりましたが、その写真は決して色あせることなく自然写真のファンを心をつかんでいます。写真集も多く出版されていますので、参考にしてみてください。

同じ美瑛町の白金青い池も冬の絶景が楽しめます。昼間だけでなく夜のライトアップも魅力的です。写真からはどんな秘境かと思われるかもしれませんが、ちかくには駐車場があって、遊歩道も整備されアップダウンもないので誰でも簡単に撮影ができます。

こちらが美瑛町白金の「青い池」
夜はライトアップされます

北海道ならではと言えばオホーツクの流氷も見逃せません。わたしは20年以上訪ねていませんが、流氷観測のための遊覧砕氷船「ガリンコ号」(今は新型が登場しています)が運行していて、海から流氷を体感できます。運が良ければ天然記念物のオジロワシとオオワシ、アザラシも見られるかも。

つぎは東北。山形県蔵王の「スノーモンスター」とも呼ばれる樹氷です。特別な気象条件と植生が造り出す、世界でもあまり類をみない「雪」と「氷」が創り出した自然の芸術です。蔵王に多く自生する針葉樹、樹氷になる木「アオモリトドマツ」。聞けばアオモリトドマツは、2016年に発生したトウヒツヅリヒメハマキというのは虫による被害で広範囲に枯死する深刻な状況で、年々その姿も小振りで期間も短くなってきているそうです。近い将来、今までのような「蔵王の樹氷」が観られなくなるかもしれないとも。今こそ、「蔵王の樹氷」を見に行かなければ!です。

蔵王の樹は年々小さくなっているそうです。今こそ行かねばです
ロープウェイからは上からの樹氷も

雪景色といえば他にも秋田県横手の「かまくら」や雪景色が実に情緒ある、こころまでほっこりあったまる山形県の銀山温泉もおすすめです。まだまだ紹介しきれない福島県の大内宿や秋田県の角館もおすすめです。

横手のかまくら
雪の銀山温泉

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【上釜一郎】プロフィール
1964年奈良県生まれ。旅行誌(マガジンハウス/ガリバーほか)からファッション誌(集英社/ COSMOPOLITAN JAPANほか)、広告写真等のカメラマンとして活躍。また、『南オーストラリアのユートピア アデレード』(弊社菊間著・新潮社)『マカオ歴史散歩』『新モンゴル紀行」(ともに弊社菊間著・新潮社とんぼの本)の写真等も撮影。現『旅のひろば』編集部で、各地の視察も行っている。過去には紛争地や、対人地雷問題の取材などの取材経験も多数。1997年にノーベル平和賞を受賞した地雷廃絶国際キャンペーン(International Campaign To Ban Landmines=(ICBL))の日本キャンペーン(JCBL)元運営委員。
現在ワールド航空サービスの知求アカデミー講座で、写真講座の講師も務める。

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