佳景・名景・絶景

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2022年06月28日

ロータスロード(奈良)

先週末の6月25日、2年ぶりのリアル開催で東京奈良県人会総会があり、私も出席しました。総会に続き法相宗大本山薬師寺(奈良市)の山田法胤長老の講話があり、その後の懇親会で少し話す機会がありました。長老は平成21年に薬師寺の管主に就任され、平成28年に勇退され現在は薬師寺長老であります。また薬師寺から近い喜光寺の僧侶でもあります。
そのような縁もあり、今回、夏の奈良の見どころとして「ロータスロード」をご紹介したいと思います。

奈良には歴史ある道がいくつかあります。有名なところでは歴史に登場し三輪から奈良へ通じる「山の辺の道」や日本最古の街道といわれる「竹内街道」修験道の道で吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する、世界遺産にもなっている「大峯奥駈道」などなど。今回紹介するのはそんな道とは違いますが、仏教で神聖な花とされる「蓮」。蓮の花は奈良県内の殆どのお寺で花を咲かせていますが、特に奈良市西ノ京エリアの「西大寺」「唐招提寺」「薬師寺」「喜光寺」は蓮に力を入れており、この四寺を繋ぐ道を「ロータスロード」と呼んでいます。
奈良は盆地で夏は暑いのですが、6月〜8月、蓮が咲く朝にちょっぴり早起きして、美しい蓮のある風景を撮影に行ってみてはいかがですか。(熱中症対策はわすれずに)

喜光寺と蓮の花

喜光寺は721、行基菩薩により創建されました。「菅原寺」と呼ばれていましたが、748年に聖武天皇より「喜光寺」の寺号を賜りました。行基菩薩は東大寺造営に当たり、当寺の本堂(重文)を参考にされたという伝承から「試みの大仏殿」と知られています。このお寺を見学してから、東大寺の大仏殿を訪ねてみると、確かにここが大仏殿のお手本になったことがうかがえます。

喜光寺
よく観光客から東大寺に似てると言われますがこちらをお手本になっています
早起きして訪ねてください
民衆から圧倒的な支持を得ていた行基菩薩。近鉄奈良駅の前の噴水に立つ像なので見たことがある方も多いのでは。大仏造立の立役者でもあります。東大寺の方を向いて立っています。

【上釜一郎】プロフィール
1964年奈良県生まれ。旅行誌(マガジンハウス/ガリバーほか)からファッション誌(集英社/ COSMOPOLITAN JAPANほか)、広告写真等のカメラマンとして活躍。また、『南オーストラリアのユートピア アデレード』(弊社菊間著・新潮社)『マカオ歴史散歩』『新モンゴル紀行」(ともに弊社菊間著・新潮社とんぼの本)の写真等も撮影。現『旅のひろば』編集部で、各地の視察も行っている。過去には紛争地や、対人地雷問題の取材などの取材経験も多数。1997年にノーベル平和賞を受賞した地雷廃絶国際キャンペーン(International Campaign To Ban Landmines=(ICBL))の日本キャンペーン(JCBL)元運営委員。
現在ワールド航空サービスの知求アカデミー講座で、写真講座の講師も務める。

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