歴史ある風景

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2020年12月01日

那覇。地名に隠れた復興への想い

本社:プランニング事業本部 乗田憲一

本日より、旅の「目利き」が独自の目線で綴った日替わりコラムを毎日更新していきます。目利きらしい視点で捉えた観光地の見方や旅がぐっと面白くなる豆知識など、バラエティ溢れる内容でお届けします。お楽しみに。

第1回(毎週火曜日、更新)は「歴史ある風景」。ただ観光するだけでなく、その訪問地がもつストーリーに目を向けると、その場所の印象はぐっと深まります。初回の舞台は沖縄の那覇です。

沖縄の首都、那覇。
今はこう呼ばれていますが琉球王朝時代、王都は那覇東部、丘上の首里を指し、那覇は隣接する港町で東アジア諸国との交易の玄関口でした。こうした事情から現在の那覇港や海沿いのエリアは戦後すぐにアメリカの軍港となり、6年以上に渡り半径1マイルは入ることが出来ませんでした。そのギリギリ外側にあったのが、「壺屋やちむん通り」です。ここは琉球王国時代から300年以上続く陶工たちの暮らす里でした。その伝統を守り抜くため、陶工たちを中心に復興の狼煙をあげたのがこの地でした。今もこの通りにはレトロな風情が残り、沖縄独特の焼き物「やちむん」の里として人気です。

同じく観光で人気の国際通り。不思議な名前ですが、その由来は、戦後まもなくできた「アーニーパイル国際劇場」という映画館が元になっています。この映画館を中心に商店や飲食店が増えていき、那覇は生まれ変わり、活気を取り戻しました。那覇復興の象徴として今も「国際通り」の名で親しまれています。

昨年焼失した首里城。一般客を受け入れながら再建を進める「見せる修復再建」が話題。そこで懸命に作業する石工たちの姿に、かつて「やちむんの里」を守り、国際通りを切り開いた、那覇人の強い想いが重なり合います。託されたものを繋いでゆく。逞しさを感じます。

🄫沖縄観光コンベンションビューロー

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