町並み百選

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2022年07月25日

北前船が結ぶ港町・加賀橋立(石川)

 石川県の南西端 、日本海沿岸の丘陵地帯にある「橋立」の集落 。この村は、江戸時代後期から明治にかけて北前船交易で巨万の富を築き、かつては「日本一の富豪の村」とも呼ばれていました。 江戸時代中頃までは茅葺の民家が建つ半農半漁の集落でしたが、 世紀中頃から北前船が寄港し、やがて船主や船頭が居住する瓦葺屋根の村へと変貌しました。廻船問屋が河口に並ぶ一般的な港町の風景とは一線を画し、前例のない「船主集落」として2005年に国の重伝建に選定されています。 

 当時の栄華を誇る北前船船主屋敷は、どこも広々とした立派な建物です。なかでも蔵六園は、大広間から眺める手入れの行き届いた日本庭園が見事。閑静な屋敷内には休憩できるお茶処や、美術品、九谷焼きなどのお土産を販売するお店もあり、散策の途中で立ち寄りたくなります。

 加賀南部で作られた赤瓦の屋根が印象的な町並みですが、笏谷石(しゃくだにいし)にも注目です。これは北前船で運ばれた各地の特産品を港で下ろす際 、船が転覆しないよう重りとして積まれていたもの。 北前船の寄港地ならではの歴史が、集落のいたるところにしっかりと刻まれているのを感じます。

瓦葺屋根の民家が立ち並ぶ加賀「橋立」の町並み
北前船船主屋敷 蔵六園 ©石川県観光連盟
屋敷内から美しい日本庭園を一望 ©石川県観光連盟
建物の土台にも活用されている笏谷石
貴重な展示を見学できる北前船の里資料館

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