【国内】帰着しました。添乗員レポート

【国内】帰着しました。添乗員レポート
2020年11月12日
紅葉の夏油温泉「元湯夏油」と小安峡・平泉の旅
2020年10月19日~10月21日 3日間 添乗員:東京支店 池田昂陽(たかひろ)
東北の紅葉の名所と、数ある秘湯の中でも屈指の夏油(げとう)温泉を訪れる旅に行ってきました。今年は夏が暑かった影響もあり、紅葉の見頃には少し早い時期ではありましたが、自然美と温泉を中心に、癒される旅となりました。
日本屈指の秘湯「夏油温泉」へ紅葉の木々を抜けて
ツアーは中型バスで回りましたが、中型バスでも訪れることができないほど狭い山道を登って辿り着くのが、岩手の内陸中部、北上市の夏油(げとう)温泉です。夏油温泉の標高は約700メートル地点。崖沿いの山道をマイクロバスで登っていくと、だんだんと木々の色づきが濃くなり、木々の間から日が射し、黄色に紅葉した葉がキラキラ輝いているようでした。
秋色の風景を眺め、到着した夏油温泉は、冬は8メートルもの積雪を観測する山奥に位置するため、5月から11月上旬までの期間限定で訪れることができる温泉です。

温泉名の「げとう」とは、アイヌ語の「グット・オ(崖のあるところ)」がその名の由来です。夏しか入れない湯であることから「夏湯」とされていましたが、夏の日射しを浴びて湯がユラユラと油のように見えたことから「夏油」の字があてられたと伝えられています。宿泊した「元湯夏油」は日本秘湯を守る会の会員旅館で、一昔前の湯治場の雰囲気をそのまま残しています。

何もない、電波も届きにくい秘湯だから癒される
携帯電話の電波は不安定、部屋にはテレビも電話もなく(共用の談話室にはテレビがあります)、ここでの楽しみは「温泉」ただ一つです。内風呂も2カ所ありますが、ここでは5カ所の露天風呂がメインといえます。夏油の露天風呂は日本でも数カ所しかない「足元自噴泉(あしもとじふんせん)」という、湯舟の底から源泉が湧き出る場所です。温泉は空気に触れると劣化が始まるため、足元自噴泉は温泉のパワーを最も感じることができるのです。昔はこうした足元自噴泉は多くあったようですが、今では利便性を求めて、館内に温泉を引くようになり、数が少なくなりました。
5カ所の露天風呂の中で最も有名なのが「大湯」です。夏油といえばこの「大湯」といわれるほど、この湯に浸かると体の不調はすこぶる良くなるといわれている名湯です。温度が高い湯舟としても有名で、夏場は50度近くになることもあるそうです。
今の時期は(恐らく)43度ほどで、特に気温が下がってくる夕方以降や早朝は、長湯はできませんが、気持ちよく湯に浸かることができました。ほかにも渓流沿いの露天風呂は色づいた木々を眺め、せせらぎの音を聞きながらの入浴で癒されました。
今では珍しい足元自噴泉 夏油といえば激熱の「大湯」
絶景の峠越え
焼石連峰ビーチラインのドライブ
今回の旅で紅葉が最もきれいだったのが、「焼石連峰ビーチライン」のドライブでした。
このドライブルートは、国道397号線の中で、秋田県東成瀬村から岩手県奥州市にまたがる区間を指しますが、山道を走り、バスが標高を上げていくにつれて秋色に色づいた風景を車窓から眺めることができました。
紅葉の絨毯が敷かれているような遠くの山並みや、ところどころに現れる橋の上からの小川と紅葉のコラボレーションなど、次々に目に飛び込んでくる風景に見とれていました。

峠を越える辺りはかなり紅葉が進んでいましたが、少し標高を下げるとまだ緑色の葉が目立ちましたので、本格的な見頃の時期はもっと素晴らしい風景なのかと思うと、ちょっぴり悔しい気持ちもありつつ、車窓を彩る木々の色が黄色から緑色に変わっていくこの時期も素敵だなと思いました。
秘湯の温泉と紅葉の美しさに癒された東北の旅でした。

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