【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2023年03月17日

【帰着レポート】九州装飾古墳群と筑前の小京都 4日間

<2023年3月14日~17日 4日間 添乗員:大阪支店 八百屋健太>

九州の装飾古墳は、大陸や朝鮮半島とのつながりを想像しながら見ると面白い

 3世紀の中頃から7世紀の中頃にかけて、大きなものは数百メートルもあるような古墳が全国にたくさん築かれました。墳丘を持たない横穴墓も含めるとその数20万基以上。わかりやすいように現代社会のなにかと比較してみると・・・、日本全国に設置されている郵便ポストの数は17万6683本(2021年調べ)だそうです。どこに行っても目に付くあの郵便ポストよりも古墳の方が多い!ってあまりにも衝撃的ですね。そんなに多くの古墳の中でも「装飾古墳」となると約660基しかありません。そしてその半数以上が九州に存在します。

龍と馬、はたまた四神を描いたか?古代人の世界観に触れる「竹原古墳」

 高松塚古墳やキトラ古墳に四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)が描かれていることは全国的に知られていますが、それよりも約1世紀も前に築造されたとされる竹原古墳にも四神の姿が描かれていると考えられています。まずは昨年の春に開館した「宮若トレッジ」の原寸大の竹原古墳壁画を見学。ガイドの小方さんから詳しい説明を聞き、その後、実物の竹原古墳壁画を見に行きます。被葬者は誰だか正確には判明していませんが、石室から副葬品として馬具が複数出土していることや壁画にも馬の図文が描かれていることから、馬に強い関心や関わりをもつ人物であったことがうかがえます。馬はもともと日本には生息しておらず大陸から朝鮮半島経由で日本にもたらされたとされていますので、馬を手に入れたことにより大きな力を手に入れたのかもしれませんね。

竹原古墳の入り口
竹原古墳の壁画(レプリカ)

貫頭衣(古代の服)を纏った学芸員・長安慧さんが解説してくれました

 王塚古墳は、「史跡のうち学術上の価値が特に高く、わが国文化の象徴たるもの」と規定される国の特別史跡です。遺跡では三内丸山遺跡や吉野ケ里、高松塚古墳、キトラ古墳などが知られています。王塚古墳館でいつも私たちを迎えてくれるのは古代服を纏った学芸員の長安さん。古代遺跡というと難しいイメージですが易しい言葉で素人の私でもよくわかるように説明してくれました。

王塚古墳館(長安先生)
王塚古墳館(レプリカ)

装飾古墳研究の先駆けとなった石貫の横穴群

 玉名市石貫にある横穴群、石貫穴観音横穴とナギノ横穴は、古墳時代の終わりごろに掘られた装飾古墳です。川端の崖に掘られた横穴はまるでシルクロードの石窟群のよう。入口に赤と白の丸、三角、四角の文様が描かれています。大正10年に近隣の装飾古墳と共に国の史跡に指定されましたが、これらは装飾古墳として日本国内で第一期の指定であり、その存在を広く世の中に広める第一歩となった記念すべき史跡です。

ナギノ横穴群
石貫穴観音横穴

古代人の芸術感覚が現代アートの巨人を虜にし、そして芸術は爆発した?

 チブサン古墳はホンモノを見ることができる数少ない古墳として、ファンの間でも人気の高い古墳です。狭い石室の奥に描かれたカラフルな幾何学文様。それの持つ意味はいったいなんなのでしょうか?装飾古墳壁画について日本が誇るアートの巨人・岡本太郎氏は九州の装飾古墳を評して「その土地で、その共同体の中から、自然に、そして切実に生まれてきた表情だ。(装飾古墳の壁画は)より根源的な意味と、強烈なひろがりをもっているのである」(朝日新聞社刊『装飾古墳』より抜粋)と語っています。古代人の色彩感覚、これは必見です。

熊本県立装飾古墳館のチブサン古墳(レプリカ)
チブサン古墳

岩原古墳群の中に建つ現代の前方後円墳「熊本県立装飾古墳館」

 熊本県内最大級:全長107mの前方後円墳「岩原双子塚(ふたごづか)古墳」を中心とし大小11基の円墳からなる岩原古墳群。その双子塚古墳と点対象の場所に建つのが熊本県立装飾古墳館です。コンクリートの打ちっぱなしの外観からピンとひらめく方もいらっしゃると思いますがその通り、安藤忠雄氏の設計による建物です。このたびは学芸員の三木さんに装飾古墳館と岩原古墳群を案内していただきました。

熊本県立装飾古墳館
双子塚古墳

北原白秋が愛した柳川、名物の「うなぎのせいろ蒸し」は絶品!

 装飾古墳見学の合間に、水郷柳川で堀川の川下りを楽しみ、名物の鰻のせいろ蒸しをいただきました。柳川と言えば北原白秋、「水郷柳川は我詩歌の母体である」と述べ、生涯柳川を愛し数多くのすぐれた詩を残しました。その白秋というペンネーム、先に触れた四神と関係があります。中国では古来、人の一生を四季と4つの色で表現しました。青春(青龍)、朱夏(朱雀)、白秋(白虎)、玄冬(玄武)ですね。実は学生時代に仲間と同人雑誌を発行する際、白に一字をあてたそろいの雅号をつけることになり、くじ引きで白秋なったのだそうです。

せいろ蒸しは、タレをまぶしたご飯を蒸し、蒸しあがったごはんの上に焼き上げたうなぎの蒲焼をのせ、
うなぎと味の合性がよくしかも色添えにもなる金糸卵をあしらって、もう一度蒸します。ご飯もアツアツで、うな重とは違った美味しさです。

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