視察レポート

視察レポート

2023年10月01日

【視察レポート】2024年 新香港旅情 視察 前編

(2023年8月2日~4日 東京支店長 松崎 浩)

台風6号と7号の間隙を縫って、5年ぶりの再開に向けて、今回香港を相談役の菊間と視察して参りました。

元に戻った香港の治安

元々親日的な方が多い香港からの来日者数は、すでに回復傾向にあるにも関わらず、日本から香港への渡航者数は75%マイナスといまだ回復にはほど遠い状況です。3年前の民主化運動のイメージが強く、敬遠されているのが実情と思います。実際、訪れてみると、数名の日本人個人客とすれ違っただけで、欧米人の個人客も見かけませんでした。今回、大橋を通ってマカオもあわせて視察いたしましたが、カジノ目当ての中国本土からの団体観光客でごった返しており、中国化が著しく進んでいました。一方で、香港の街中ではその多くは個人旅行者で、団体観光客と出会うことはなく、香港政府が、意図的に中国本土からの入境をコントロールしているように感じました。

今回、在香港日本国総領事館に訪れ、岡田大使にお会いする機会をいただきました。日本の観光客の現状をお伝えし、大使からも「日本からのお客様を迎える体制はしっかりと整っているので、安心してお越しいただきたい」という心強いお言葉もいただきました。私自身、早朝や夜、実際に古き良き香港が今に残る中環を数時間歩いてみましたが、一人で歩いている人たちも多く、完全に以前の香港に戻っておりました。

エネルギッシュな市場
岡田健一大使(右から2番目)

ランタオ島で見つけた水上家屋。香港の原風景を今に残す漁村、「東洋のベネチア」大澳

着陸時、外を見ると多くの島々が眼下に見えてきます。その美しさは香港ダウンタウンのビル群とは対照的で、200以上もの島々で形成されていることが窺いしれます。現空港から最も近い最大のランタオ島。数百メートルの山々に囲まれ、緑溢れる自然が残る島。ディズニーランドが建設される前は、地元民が山上の大仏参拝する程度で、ツアーとしてもすぐに九龍半島や香港島へ移動してしまいます。しかし、島の西部にひっそりと佇むように近代化から取り残された漁村がありました。入り江から奥へと続く水路を住民が行き来するために橋が渡され、小さいながらも商店が奥へ広がっていました。この村の特産である干物やその水路の両脇には、地元漁師が水上生活する家々が軒を連ねていました。水路脇に止めてあったボートを急遽貸切り、20分前後の長閑な水上家屋を船上から眺める遊覧。香港とは思えない程、ゆっくりとした時の流れに身を任せ、のんびり歩くのを是非おすすめしたい漁村です。聞くとアクセスも限られており、1日に数便のフェリー、またはライセンスを持った車しか入島できず、制限されているとのこと。今回は数少ないバス会社を手配し、大澳の「風情」を感じるプログラムを組み込むことに決めた瞬間でした。

大澳の商店街
水上家屋
特産品のお土産

必見。北京の至宝が集う香港故宮文化博物館

九龍半島の埋立地に、5年の準備期間を経て、昨年オープンした香港故宮文化博物館は今回の視察の中でもハイライトのひとつで、北京の故宮から集められた1,000点近い精巧で貴重な宝物を展示され、中国本土以外への貸し出し数としては過去最大です。北京ではどちらかというと建築物を見せていますが、ここは特に陶磁器が数多く展示され、国宝も166点保有しております(期間展等もあり展示内容は時期によって異なります)。

香港の著名な建築家による外観を一歩、中に入ると伝統美と現代技術を融合させたデザインとなっており、テラスに出ると対岸に香港島のビル群を一望。まだオープンしたばかりで日本語のオーディオガイドはありませんでしたが、英語版をかりて、特別展を含めた9つのギャラリーをまわってきました。

香港故宮文化博物館
陶磁器のコレクションが豊富でした。

茶具文物館で茶器をみて、隣接する茶楽軒にて茶芸体験を。香港の茶文化に触れる

香港においての経済の中心である香港島の中環。湾沿いに林立する銀行のビル群を抜け、山の中腹に広がるのが香港公園(英国統治時代を色濃く残し、都会のオアシス、ロンドンのハイドパーク的存在)。緑溢れる敷地内に白亜のギリシャ復興建築の建物があります。中の展示には、茶器の歴史、さらには陸羽の「茶經」に遡る中国茶の歴史などが展示されており、茶文化の一端に触れることができるようになっています。隣には銘茶を扱う「茶楽軒」があり、店主と話しをし、見学前後に一間を借りて茶芸体験をできるようにいたしました。その後は、香港公園内を歩き、ステンドグラスが美しいゴシック様式のセントジョンズ教会から、英国統治時代の建物が残るセントラルへ下ってゆく英国統治時代の面影を訪ねる散歩へとご案内いたします。

茶器博物館
茶器博物館館内
色々な茶器が展示されています。
茶器だけでなく習字体験も。

「東洋の貴婦人」ペニンシュラ香港に連泊。優雅にアフタヌーンティーもお楽しみください。

香港島の対岸、九龍半島の突端にて90年にもわたり、著名人をもてなしてきたペニンシュラ香港。今回、新しくできたホテルだけではなく幾つか視察し議論を重ねた結果、旅行代金は高額となりますが、伝統や格式を有するペニンシュラ香港での連泊でご案内いたします。一度、建物の中に入ると洗練されたグランドロビー、公共スペースにある骨董品や品格、シンプルかつ落ち着いたデザインの客室など、総合点はペニンシュラに軍配があがりました。優雅にのんびりとした時間をお過ごしいただきたく伝統的な英国式アフタヌーンティーもこのホテルの魅力のひとつです。

ペニンシュラ香港
アフタヌーンティー(イメージ)

かつて小さな漁村に過ぎなかった香港が、170年にも及ぶ英国の統治から中国に返還されて26年。本土の影響を拒みながら独自のアンデンティティが育まれ、さらなる近代化の波が押し寄せる中、古き良き風景や文化がそこかしこに残っていました。時差はわずか1時間、日本から5時間半のフライト。査証も不要で安心して訪問ができるようになった香港の今を是非ご体感いただきたく、今ならではの旅の訪問地としておすすめ申し上げます。皆様にお選びいただければ幸いです。

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