新企画
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2022年03月11日
2022新シリーズ 日本遺産紀行
日本遺産認定は文化庁が平成27年から始めたもので、初年度に18カ所が認定されました。
従来の文化庁の認定事業は、文化財保護法として国宝・重要文化財などの有形文化財、無形文化財、民俗文化財、文化的景観、伝統的建造物群(重伝建)などに分けて日本の宝を保護することにありました。いわば、点として、そのものの保存を目的としていましたが、日本遺産認定に関しては点としてではなく、一つの面として、各地の歴史的価値や魅力をストーリーとして着目していることに特長があり、現在は104のストーリーが認定されています。文化財を単体としてではなく、そのエリアとして再評価することによって注目を促し、地域の活性化につなげて、日本の歴史的な価値ある文化を再発見してもらうという趣旨ですが、この日本遺産の認定を文化庁が行っていくことで、改めて日本各地に息づいている日本固有の価値を再認識する大いなるきっかけになっています。
日本遺産を旅することは、日本各地で、今もそこに住む人々の誇りと共に継承されてきた歴史と文化を楽しみながら、地域の魅力を再発見、再認識するものです。
文化庁は、単に日本各地の価値ある文化的遺産を紹介することにとどまらず、その物語を語れる人々の育成プログラムにも取り組んでいます。その地の日本遺産の番人ともいうべき語り部の存在は必要不可欠なものであり、大人だけでなく、子どもたちにも広げ、未来の語り部を育もうとしています。
「日本遺産紀行」シリーズでは、各地の自治体や観光協会などのご協力をいただき、うわべだけのものでなく、しっかりと、日本遺産たる価値を楽しんでいただける内容に仕立てています。
世界遺産は「卓越した人類共通の価値」を重視して登録されますが、日本遺産は「文化の多様性を大切に、その文化財が擁するストーリー」が重要視されています。海外のツアーがストップしている現状にあって、ぜひ日本各地の歴史、文化をお楽しみください。
2022年3月 第一弾発表
日本各地の伝統・文化のストーリーを求めて
1.祈る皇女斎王のみやこ 斎宮と奥伊勢の旅 4日間
皇女として生まれながら、生涯を神への祈りに捧げたおとめたち。「斎王」とは古代から中世にわたり、天皇に代わって伊勢神宮の天照大神に仕えた女性であり、皇女として生まれた未婚の女性の中から選ばれました。次の天皇の時代になるまでの間、人と神との架け橋として、都から遠く離れた伊勢の地で、国の栄華と繁栄を願い、神々への祈りを捧げる日々を送ったといわれています。この旅では「斎王」の物語を求めて、伊勢神宮から奥伊勢へと辿ります。最後の宿泊は「斎王」をコンセプトにした高級旅館「斎王の宮」をご用意しています。
2.洛南から宇治山城の文化的景観を訪ねて 3日間
京都市の南部、山城地区。古くから貴族の別業の地として栄え、建仁寺の栄西禅師が中国からもたらした茶の栽培方法が明恵上人を通じて伝わり、13世紀の頃から茶の栽培が始まりました。そして、庶民にもおいしいお茶を飲ませたいと、18世紀に永谷宗円(永谷園創業者)が革新的な煎茶製法を考案し、茶文化が発達、普及しました。フランスのワイン醸造と同じように、各地区で「畑変われば味も変わる」と茶畑が営まれるようになりました。山城地区の茶畑の景観は国の重要文化的景観に指定され、地区によっては京都府の文化的景観に指定されています。山城地区に新しく開業したホテルの、茶畑が見える部屋の宿泊もご体験いただきます。陽光を受けて、緑輝く初夏の茶畑の景観を愛で、その地で育まれた茶文化の真髄に触れる、新しい京都の旅です。
3.近代日本の教育遺産群 足利学校跡と旧弘道館・偕楽園を旅する 2日間
江戸時代に日本を訪れた外国人の多くが、あらゆる階級の日本人が老若男女を問わず、教養と礼節を身に着けていたことに驚き、記述を残しています。このような日本の教育水準の高さが、明治維新後の近代化の推進力となりました。近世の日本人が高い教養を身につける上で大きく貢献したのが、全国各地に建てられた学校です。その学校の始まりと言えるのが、イエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが「日本国中最も大にして最も有名な坂東の大学」と称した足利学校です。そして、教育によって人身を安定させ、国を興すことを目的に、水戸藩主の徳川斉昭らが設立したのが弘道館です。今回は東日本に残る2つの学校を旅し、日本の「学ぶ心」と「礼節」の本源を辿ります。
4.仏都会津の名刹と会津五街道 3日間
会津地方の観光というと、磐梯山や五色沼といった自然や幕末の史跡のイメージが強いかもしれませんが、会津は東北地方でいち早く仏教文化が開花した「仏都」でもあります。日本海側と太平洋側からの文化が出会い、東北の入り口でもあった会津は地政学的に重要であったことから、古墳時代から中央国家との交流があり、日本への仏教伝来とともに、この地に仏教が流入してきました。そのため、今も会津地方には平安初期から近世に至るまでの多くの寺院や仏像が残されています。特に恵隆寺では日本最大級の立木仏・千手観音、勝常寺では国宝の薬師如来、日光・月光菩薩など、貴重な仏教芸術と出会うことができます。「みちのくの仏都」として、会津の魅力を再発見する旅となっております。
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