歴史ある風景
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歴史ある風景
2021年06月08日
中世の都人が紡いだ文化が息づく島、佐渡島
本社 プランニング事業本部:乗田憲一
当社の旅行でも抜群の人気を誇るのが、離島への旅。「日本旅百景」として国内旅行を始めて以来、不動の人気を誇るのが佐渡島です。沖縄本島に次いで、日本で2番目に大きな島、佐渡。東京23区の1.5倍という広さでありながら、現在本土と結ぶ航空便はなく、船でなければ訪ねることができないことから、少し遠い旅先という印象が強いかもしれません。とはいえ、新潟からカーフェリーで2時間半、ジェットフォイルで1時間強。イメージよりはずっと近いです。
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中世の日本で、佐渡は遥か彼方の流刑の島。権力闘争に敗れた都の貴人たちは佐渡に配流され、京を偲び涙を流しました。しかし彼らは佐渡に雅な貴族文化をもたらします。そして佐渡には都由来の文化が根付き、日本の他の離島とは趣を異にする独自の文化が受け継がれ、醸成されていきました。
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佐渡文化の象徴は「能」。配流者には室町時代に能を完成させた、かの世阿弥もいました。島に能が広まったのは江戸時代。金山と北前船がもたらした富により、多くの神社仏閣が建立され、200を超える能舞台が設けられました。今も残る能舞台を備えた寺や神社は30以上を数え、人口約6万人の島に全国の能舞台の3分の1が存在するのは圧倒的です。
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当時、漁村や農村でも盛んに能が行われていましたが、今でもシテ、ワキ、囃子方など全ての役が佐渡の人々によって演じられており、初夏から秋にかけて開かれる薪能は、今でも島民にとって大事な空間です。
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農作業の合間に謡を口ずさむほど、能が生活の一部となっている地は、ここ佐渡ならではの文化性と言えるのかもしれません。
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