【海外】帰国しました。添乗員レポート

【海外】帰国しました。添乗員レポート
2026年10月19日
【帰国レポート】民族にふれあう 南エチオピア探訪の旅
<2026年9月18日(金)~9月28日(月) 11日間 添乗員:中屋雅之>
<2026年9月18日(金)~9月28日(月) 11日間 添乗員:中屋雅之>
このたび、10年以上の歳月を経て、久しぶりに南エチオピアの添乗へ行ってまいりました。かつてこの地は「最後の秘境」と呼ばれ、宿泊施設やレストランは素朴そのもの、道路も大半が未舗装の悪路でした。しかし今回現地を訪れて、その進化に大変驚かされました。各地に洗練された高級ホテルが誕生し、主要道路の約半分が綺麗に舗装され、驚くほど快適に旅を楽しめる環境が整っていたのです。特にアワッサで滞在した4つ星クラスのホテルは、美しい湖畔に佇む絶好のロケーション。ホテルから直接プライベートクルーザーに乗り込み、穏やかな湖上の風を感じる遊覧へ出かける贅沢なひとときも堪能しました。
そして旅のフィナーレを飾ったのは、首都アジスアベバで体験したエチオピア最大の祝祭「マスカル祭」です。広場を埋め尽くす人々が手にした蝋燭の光を揺らしながら祈りを捧げ、夜空へ高く燃え上がる巨大な木の櫓(デメラ)を見つめる光景は、息を呑むほど幻想的で深い感動に包まれました。
太古の暮らしをいまに伝える「6つの民族」の村へ
今回の旅の一番の醍醐味は、独自の文化を守り続ける6つの民族との出会いです。
- ドルゼ族:標高の高い高原に暮らし、まるで象のような形をしたユニークな家に住む民族
- バンナ族:竹馬のような木馬を自在に乗りこなし、華やかな装飾を嗜む民族
- ハマル族:赤土とバターで飾った髪型と、美しいビーズ刺繍の革衣装が目を引く民族
- カロ族:体をキャンバスに見立て、鮮やかなボディー・ペインティングを施す芸術的な民族
- アリ族:土器作りや農耕など、巧みなモノづくりの技術を継承する民族
- エルボレ族:シックな黒を基調とした独自の民族衣装が凛とした美しさを放つ民族




彼らが身にまとっている色彩豊かな民族衣装は、観光客向けに見せる「演出」ではありません。車で村の周辺を走ると、道を歩く誰もが普段着としてこの伝統衣装を着用しており、太古から続く生活様式が今もそのまま息づいていることを実感できます。
赤土の美学と勇壮な儀式「ハマル族」の日常
ハマル族の村では、その独特な美意識と建築美に魅了されます。女性たちは赤土とバターを混ぜ合わせたもので髪を美しく固め、貝殻やビーズを惜しみなくあしらった革の衣装を纏っています。彼らの住居は木の枝を繊細に組み上げ、葉や赤土で覆った温かみのある造り。母屋のすぐ傍らには家畜の囲いがあり、動物たちと寄り添う優しい暮らしがありました。
さらに今回、大変貴重なことにハマル族の伝統的な成人儀式「牛跳び」に遭遇することができました。10頭ほど並べられた牛の背の上を走り抜け、無事に3往復できれば一人前の男として認められるという命がけの通過儀礼です。今回挑戦した青年が見事やり遂げた瞬間には、大きな歓声が上がりました。また、女性たちが自ら鞭打たれることで愛と絆を示す過酷な儀式もあり、伝統を守る彼らの強い誇りと覚悟をまざまざと見せつけられました。




歴史の渦中で生き抜く「ムルシ族」との出会い
本来、ムルシ族は最奥の地・オモ川流域に暮らしていますが、現在は地域情勢への配慮と政府の支援により、カイアファールの町近郊に用意された土地で生活を送っています。今回、私たちも彼らの仮住まいを訪ねることができました。ムルシ族といえば、世界的に有名なのが「デヴィニャ」と呼ばれる土皿の装飾です。女性たちは15歳前後になると下唇や耳たぶに切れ込みを入れ、土器や陶器で作られた大きな皿をはめ込みます。「お皿が大きいほど美しい」とされる彼らの独自の美意識は鮮烈で、実際に目にするデヴィニャの迫力には圧倒されるばかりでした。


聖なる炎が夜空を焦がす「マスカル祭」の感動
旅の最終日を彩った「マスカル祭」は、1月の「ティムガット祭」と並ぶエチオピア二大祝祭の一つです。「マスカル」とは「十字架」を意味します。4世紀、コンスタンティヌス大帝の母ヘレナが聖地エルサレムでキリストの真の十字架を発見した際、3つあった十字架の中から「どれが本物か」を確かめるため木の櫓に火を放ったという故事に由来します(2つの十字架は風下へ倒れ、本物の1つだけが風に逆らって風上へ倒れたと伝えられています)。
当日は午前中から各教会の大パレードが街を練り歩き、中心地の「マスカル広場」へと集結。美しい賛美歌と祈りが広場を満たしたのち、総主教の挨拶とともに中央の巨大な木の櫓へ火が放たれます。手に手に持った蝋燭の灯火と、激しく燃えさかる櫓の炎。人々の祈りがひとつになるその瞬間は、神聖で胸が熱くなる体験となりました。




秘境の面影を残しながらも、快適かつ安心に巡ることができるようになった現代の南エチオピア。 古き良き伝統と熱気あふれる文化にふれる旅へ、皆様もぜひ足を踏み入れてみませんか?
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