【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2026年06月05日

【帰国レポート】バルト三国とポーランド北部の旅

<2026年5月26日(火)~6月5日(金) 添乗員:大阪支店 中島瀬七>

<2026年5月26日(火)~6月5日(金) 11日間 添乗員:大阪支店 中島瀬七>

このたび、バルト三国とポーランドの4カ国を巡る旅に添乗いたしました。バルト海の沿岸に寄り添うエストニア、ラトビア、リトアニア、そして隣国ポーランド。地図の上では肩を並べるように連なる4つの国ですが、それぞれが歩んできた歴史、大切に守り継いできた言葉、そして今なお息づく民族の文化は、驚くほどに異なる表情を見せてくれます。

北欧薫る おとぎ話のような中世都市 エストニア・タリン

旅の最初に訪れたのは、エストニアの首都タリン。バルト三国の中で最も北に位置するこの街は、フィンランド湾を挟んでフィンランドと向かい合い、最も近い場所ではわずか約80kmしか離れていません。古くから海を介して交流を重ねてきた両国は、エストニア人とフィンランド人がともにフィン・ウゴル語族に属することもあり、街並みや暮らしの中にも北欧らしい雰囲気を感じる場面が多くありました。

13世紀よりハンザ同盟の主要都市として繁栄したタリン旧市街は、戦火による大きな被害を免れたことから、中世の街並みが今なお美しく保存され、世界遺産にも登録されています。石畳の道やオレンジ色の屋根が連なる風景は「バルト海の真珠」とも称され、まるでおとぎ話の絵本の中へ迷い込んだかのような街並みでした。

高台から、オレンジ色の屋根が連なる旧市街と輝くバルト海を一望
タリン旧市街の中心・ラエコヤ広場

タリンより東へ約1時間、エストニア最大の国立公園であり、「エストニアの自然のすべてがある」とも称される、面積約747㎢を誇るラヘマー国立公園へ向かいました。「ラヘマー」とはエストニア語で「湾の地」を意味します。その名の通り、公園内には深い針葉樹林や神秘的な湿原など、多彩な自然景観が広がっています。整備された遊歩道を片道約20分、往復で散策しながら、中世都市タリンとは趣の異なる、豊かな自然に育まれたエストニアのもう一つの表情をご覧いただきました。

トレイルコースとして整備されている平坦な木道を歩きます
前日の雨を受け、湿原は一層みずみずしい表情を見せていました

そして、タリンからラトビアへ向かう道中、エストニア南西部に位置する港町パルヌにも立ち寄りました。パルヌは古くからバルト海沿岸有数の保養地として知られ、帝政ロシア時代には貴族や富裕商人たちが夏を過ごす避暑地として大いに賑わいました。現在も「エストニアのサマーキャピタル(夏の首都)」と呼ばれ、多くの人々に親しまれています。

20世紀初頭、ドイツ人商人の娘の結婚披露宴会場として建てられた美しいアール・ヌーヴォー建築で知られる「アメンデ・ヴィラ」
白砂の浜辺がどこまでも続く、バルト海屈指の保養地パルヌ

華麗なる建築美に彩られた ラトビア・リガ

バルト三国の2カ国目ラトビアへ。首都リガの街を象徴するのが、世界でも有数の規模を誇るアール・ヌーヴォー(ドイツ語では「ユーゲントシュティール」)建築群です。曲線を生かした優美なデザインや、花や植物、女性像、神話の生き物などをモチーフにした繊細な装飾が建物の外壁を彩り、青空も相まって、街全体がまるで屋外建築美術館のようでした。

女性の顔や花々、動植物の装飾が施されたユーゲントシュティール建築群
建てられた時代の違いを感じられる三人兄弟の家
リガ旧市街のシンボル「猫の家」。屋根に佇む猫の像には、今も街に語り継がれるユニークな物語が秘められています
大聖堂の塔からは、旧市街と悠々と流れるダウガヴァ川を一望

自由時間には、ダウガヴァ川沿いの景色を楽しみながら、リガ中央市場へ向かいました。リガ中央市場は、かつて飛行船の格納庫として使われていた巨大な5つの建物を活用した、約7万2,000㎡もの広さを誇る市場です。肉や魚、野菜、果物、乳製品、パンなど、豊富な食材や日用品が並び、観光客だけでなく、地元の人々が通う様子も垣間見ることができました。

雲一つない快晴のもと、心地よい風を感じながらダウガヴァ川沿いを歩き、リガ中央市場へ向かいました
あちこちで親しげに言葉を交わす姿が見られ、市民の暮らしに根付いた市場であることを実感しました
ホテルからほど近い公園で迎える朝。リガの穏やかな一日の始まりです
公園には本を読む人や会話を楽しむ人の姿が

芸術と祈りが息づく リトアニア・ヴィリニュス

リトアニアの首都・ヴィリニュスでは、まず「芸術家たちの共和国」として知られるウジュピスを訪れました。「川の向こう側」を意味するこの地域は、1997年のエイプリルフールに建国を宣言したユニークな「自称・共和国」です。入口の標識に描かれた笑顔のマークには「いつも笑顔を忘れずに」、制限速度20kmの標識には「ゆっくりと、この街の空気を楽しみましょう」という思いが込められるなど、ユーモアあふれる独自の憲法まで存在します。

川に架かる橋を渡ると、そこは芸術家たちが築いた小さなウジュピス共和国
丘の上から望む、赤茶色の屋根が美しいビリニュス旧市街

これまで訪れたタリンやリガが、城壁や商人の館が残るハンザ都市としての面影を色濃く伝えていたのに対し、ヴィリニュスは丘陵地形に沿って教会の塔や緑豊かな街並みが調和し、穏やかで開放的な景観が印象的でした。同じバルト三国でありながら、それぞれが異なる歴史や文化を育んできたことを、3カ国を巡ったからこそ、より深く感じていただけるひとときとなりました。

純白の漆喰彫刻が空間全体を覆い尽くしている「聖ペテロ&パウロ教会」
深い赤褐色の燃え立つ炎のような尖塔を持つゴシック建築の傑作「聖アンナ教会」

ホテル目の前に広がる広場には、世界各地の都市とリアルタイムでつながる大型モニターが設置されており、時間ごとに映し出される都市が入れ替わります。画面越しに、遠く離れた国の人々と手を振り合ったり、踊りを披露したり、笑顔を交わしたりと、言葉を超えた交流が生まれていました。滞在時にはインドネシアの女の子たちとつながり、国境を越えた温かなコミュニケーションを楽しむひとときとなりました。

リトアニア第二の都市カウナスにある旧日本領事館(杉原千畝記念館)も訪れました。第二次世界大戦中に日本領事として赴任していた杉原千畝が、多くのユダヤ人難民に「命のビザ」を発給した場所として知られています。ナチス・ドイツの迫害から逃れてきた人々に対し、杉原は本国の指示に反してまで通過ビザを書き続け、およそ6000人もの命を救ったといわれています。

世界の都市とリアルタイムで繋がるモニターを通じて、交流を楽しみました
杉原千畝氏の執務室。この机で「命のビザ」が一枚一枚手書きされました

リトアニアには「ピンクスープ」(現地名:シャルティバルシチャイ)と呼ばれる、鮮やかなピンク色が印象的な冷製ビーツのスープがあります。ビーツの色が生み出す美しい彩りと、爽やかな味わいが特徴で、夏の食卓には欠かせない国民的な郷土料理です。今回の旅でも味わったこの料理の季節の訪れを祝うイベントが、ちょうど滞在中の週末に開催される予定で、ホテル前の広場ではその準備が着々と進められていました。街全体が春から夏への移ろいを喜ぶような、リトアニアらしい温かな雰囲気に包まれていました。

「ピンクスープ」酸味が爽やかな、夏に親しまれる一品です
「ピンクスープ」を祝うイベントの準備が進む、ホテル前の広場

琥珀と海が育んだ ハンザ都市 ポーランド・グダニスク

旅の最後に訪れたのは、ポーランド北部、バルト海に面した古都グダニスク。かつてハンザ同盟の一員として栄え、琥珀の交易によって莫大な富と繁栄を築いた港町です。バルト三国では、赤茶色の屋根が連なる素朴で温かな街並みが印象的でしたが、ここグダニスクでは、色鮮やかな壁を持つ切妻屋根の建物が肩を寄せ合うように並び、旧市街に華やかな表情を添えていました。

グダニスクは、今回巡った街の中でもひときわ活気にあふれていました
右手に三叉の矛(トライデント)を掲げた海の神ネプチューンの噴水
約400段の階段を上がった塔から、規則正しく並ぶカラフルな切妻屋根の建物をご覧いただけました
琥珀の本物と偽物の見分け方をクイズ形式で楽しんでいただきました

エストニア、ラトビア、リトアニア、そしてポーランド。言葉や歴史、文化、街並みはそれぞれに個性がある一方で、ハンザ同盟の歴史やバルト海との深い結び付きなど共通点や、隣国同士だからこそのちょっとした違いに気付けるのは、一度に周遊するからこそです。10月発のツアーも催行が決定しております。バルト海沿岸の4カ国が織りなす多彩な魅力を、ぜひご自身の目でお確かめください。

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