【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2025年01月14日

【帰国レポート】民族にふれあう 南エチオピア探訪の旅

<2024年12月27日~2025年1月4日 9日間 添乗員:東京支店 酒井康行>

<2024年12月27日~2025年1月4日 9日間 添乗員:東京支店 酒井康行>

年末年始は南エチオピアを訪れ、様々な民族に出会って参りました。運にも恵まれ、偶然にもハマル族の牛跳びの儀式もご覧いただけましたので、その様子をご紹介します。

男性の通過儀礼として名高い「牛跳びの儀式」と女性の「鞭打ちの儀式」を見学

民族によって様々な通過儀礼がありますが、南エチオピアにおいて最も有名なのがハマル族の男性が行う「牛跳びの儀式」でしょう。このたびはトゥルミ2連泊中に、宿泊ロッジのすぐ近くで「牛跳びの儀式」が執り行われるとの情報を入手したため、一部、スケジュールを入れ替えてご案内して参りました。「牛跳びの儀式」が無事に終了すると、男の子は成人男性と見なされ、お嫁さん選びが始まります。ちなみに、「牛跳びの儀式」と同時に執り行われる女性に対する「鞭打ちの儀式」ですが、見ると痛々しいですが、コンソ族の女性は「強さ」=「美しい」と考えられており、彼女らは鞭打ちされても痛がるそぶりを見せず、むしろ喜び、再度鞭打つよう願います。

①ハマル族の既婚女性が迎え入れてくださいました
②未婚女性や子供たちが手や足に鈴を付けて鳴らしながら、笛を吹いたり歌ったりします
③未婚女性たちに対する「鞭打ちの儀式」が始まりました
④見ているこちらとしては「ぺちんぺちん」と音がするたびに痛そうです
⑤鞭打ちの儀式を執り行う男性陣は、お化粧タイムが始まりました
⑥緊張気味の主役の男の子がお父さんと一緒に挨拶をしに来てくださいました
⑦2時間近く歌や踊りや鞭打ちが続き、10分ほど歩いて会場を変えます
⑧牛が待つ広場に到着
⑩主役の男の子が牛を選んでいます
⑪引き続き女性たちが踊っています
⑫準備完了、皆が主役の男の子に注目します
⑬いよいよ、「牛跳びの儀式」開始
⑭今回は4往復していました。男の子は全裸のため、写真撮影にはなかなか苦労しましたが、こちらは奇跡の1枚(笑)

南エチオピアで出会った様々な民族たち

【アリ族(ジンカ周辺にて) モノづくりに長けた民族】

ジンカ周辺に暮らすアリ族の村を訪問。少女たちが歌や踊りで歓迎してくれました
アリ族お手製の蒸留マシーン。トウモロコシから造られる蒸留酒はほんのり甘い香りが漂っていました

【ツェマイ族(カイアファール周辺にて) 携帯用「枕」兼「腰掛」ボルコットを持参】

ツェマイ族の村を訪問。手に持っているのはボルコットと呼ばれる携帯用「枕」兼「腰掛」
ツェマイ族の女性はビーズや貝殻の装飾を首から掛け、動物の革で作られた前掛けのようなものを付けている人も

【バンナ族(カイアファール周辺やアルドゥバの火曜市にて) 竹馬が上手な牧畜民】

バンナ族の男性は竹馬が上手。家畜を見張りやすくするために身に付いた技能だとか 今は男の子たちの遊びになっています
アルドゥバの火曜市にて。家畜の売り手と買い手(写真左手の二人)は握手をしながら値段交渉を行い、契約が成立すると手を鳴らし、手のひらにキスをするというのが流儀 
アルドゥバの火曜市にて。女性が手に持っているのはカラバシュ(瓢箪)で出来たカバンです
ニワトリを売りに来た少女。貝やビーズの首飾りが豪華です

【カロ族(オモ川流域にて) ボディペインティングが得意】

この地域の天然資源である色付きの黄土、白いチョーク、黄色い鉱石、脂肪を混ぜた灰などを使って、自分の体に絵を描きます
穀物小屋が村のあちこちに点在しています

【コンソ族(コンソにて) 世界遺産の光景の中に暮らす石垣や段々畑を築く民族】

村の構造は、周囲を高い石垣で覆い、その中に木の柵で仕切られた民家が高い密度で林立しています。人が多くなると、石垣の外側にさらに石垣を築いて外部に拡大し、それでも対応できなければ他の頂きに枝村が作られます。中には築数百年の古い石垣もあります。

石垣が印象的なコンソ族の村の風景
コンソ族の通過儀礼は「石投げの儀式」 70kg以上ある石を持ち上げ、背中の後ろに放り投げます
「マカナ」と呼ばれるコミュニケーションを取ったり子供の教育を行ったりする建物
先祖の英雄を模った木彫り人形「ワカ」を飾る家 敵やライオン、ヒョウなどの動物を倒した人物が英雄視されます 

【ドルゼ族(アルバミンチ周辺ガモ高地にて) 象を彷彿とさせる家屋に暮らす民族】

ドルゼ族はもともとはもう少し南の地域に暮らしており、当時は棲息していた象を狩って生きていました。しかし、象が姿を消し、さらに彼らが北部へと移動するにつれ、ドルゼ族にとって象は関係ないものとなり、そこで、先祖がお世話になった象のことを忘れないようにと、いつの頃からか家を象の形にしたそうです。
彼らにとって欠かせない植物は、家屋を建てる際に使用する竹、そして綿。そもそも「ドルゼ」とは、現地の言葉で「機織りをする人」のことを意味します。ドルゼ族の伝統として、機織りをするのは男性の役目。それに使う糸を紡ぐ(スピニング)のが女性の役目です。
もうひとつ重要な植物がエンセーテ、別名フォルスバナナ(偽バナナ)の木。ドルゼ族が暮らす高地では標高が高すぎるため、エチオピアの代表的な主食「インジェラ」のもととなる「テフ」という植物が育ちません。そこで彼らは、このフォルスバナナ(偽バナナ)から作られる「ウンチャ」(ドルゼ語)あるいは「コチョ」(他の地域)を主食としているのです。
生地を地下約1~2mの場所に保存し、偽バナナの葉と石で覆い、3か月ほど土の中で寝かせ発酵させます。その後、この発酵した生地をこねていきますが、途中、何度も包丁で切れ込みを入れることを怠りません。これは繊維を砕くためです。そして、出来上がった生地をピザのように薄く丸く伸ばし、エンセーテの葉っぱにくるみ、蒸し焼きにします。

象に見立てたドルゼ族の家
色とりどりのドルゼ族お手製の綿製品
写真はフォルスバナナ(偽バナナ)の茎にある澱粉を削ぎ落している様子
間もなく焼き上がり 美味しくいただきました

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