【海外】帰国しました。添乗員レポート

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2025年06月04日

【帰国レポート】トルクメニスタン周遊 3つのシルクロード遺産とふたつの絶景を訪ねて

<2025年5月16日(金)~5月26日(月) 添乗員:東京支店・山田周>

<2025年5月16日(金)~5月26日(月) 添乗員:東京支店・山田 周>

中央アジアの「トルクメニスタン共和国」に行ってまいりました。査証取得に約6週間かかり、近隣のウスベキスタンと比べると情報も少なく、空路での便数も少ないことから渡航しにくく、未だ「神秘のベールに包まれている国」のひとつかもしれません。しかし実際に訪れてみると、そこにはシルクロードの都市遺跡や、「地獄の門」「ヤンギ・カラ」といった絶景など、多くの旅行者を惹きつけてやまない「見どころ」があります。謎多き国トルクメニスタンの最新事情と、おすすめの「見どころ」をレポートします。

中央アジア最大の都市遺跡「メルブ」を訪ねて

メルブは紀元前よりアケメネス朝ペルシャ、セレウコス朝シリア、パルティア王国、ササン朝ペルシャ、中世のセルジュク朝トルコ、ホラズム・シャー王国など、長きに亘り、いくつもの王朝のシルクロード・オアシス都市として繁栄し、最盛期には100万人以上の人口を有する大都市でした。1221年チンギス・ハーンの来襲により町は完全に破壊されましたが、その後、何度も再建され、モンゴル人、ウズベク人王朝の時代にも新しい町が建設されました。かつての町の遺構の外に新しい町が建設され、広大な城壁に囲まれた町の外に城のような巨大な建造物が建てられるなど、謎に満ちているユニークな都市遺跡です。丘の上からメルブ全体を見渡すと紀元前の円形都市の遺構「エルク・カラ」、その外側に広大な城壁に囲まれた都市遺構「グヤウル・カラ」、神殿のような城「大キズ・カラと小キズ・カラ」、中世のイスラム王朝時代の建造物「スルタン・サンジャール廟」を同時に見渡すことができます。紀元前の古い時代の遺構は残念ながら保存状態が良いとはいえませんが、古のシルクロードの悠久浪漫を最も感じさせる唯一無二の場所でした。

セルジュク朝最後のスルタン・サンジャール廟も訪問
城壁の外に残された謎の城「大キズ・カラ(乙女の城)」
大キズカラの内部も見学しました
小キズ・カラから大キズ・カラを望む
丘の上の展望台に上りメルブ遺跡を一望
グヤウル・カラに残された仏教遺跡も丘の上から遠望

古のシルクロードの歴史に触れる「遺跡」と「博物館」を見学

シルクロードの中心地トルクメニスタンの歴史遺産「古代パルティア王国の都・ニサ遺跡」、「中央アジア最大のメルブ遺跡」はいずれも世界遺産に指定されました。この2つの遺跡の価値を飛躍的に高めたのは、歴史的重要性とともに出土品の考古学的価値の高さです。それらを知るためには「アシュガバード国立博物館」、「マリィ地域博物館」の見学は必須です。
東西を結ぶ交易路シルクロード。太古の時代から巨大な文明が宿り、破壊と再生が繰り返されました。ひとつの都市に同時期に複数の宗教(ソロアスター教、仏教、イスラム教など)や敵国から伝わった文明が融合・共存することも珍しくなかったということもよく理解できました。出土品だけでなく、古代都市の復元模型、地図、当時の人々の暮らしぶりの展示などを見ることで、シルクロードの歴史に触れる有意義なひとときとなりました。

古代パルティア王国の都・ニサの復元模型
古代ニサ遺跡から発掘された象牙のリュトン
メルブ遺跡の全体像もよくわかります
最盛期には100人以上の人口を有するメルブ
メルブ遺跡から発掘されたゾロアスター教の信仰の出土品
メルブの仏教遺跡から発掘されたミニ仏像

カスピ海沿岸トルクメンバシから絶景の地「ヤンギ・カラ」へ

カスピ海沿岸のトルクメンバシは石油、天然ガスの採掘・積み出し港、第二次世界大戦後に日本兵が抑留された町として知られています。ここでの最大のハイライトは、太古の時代には海の底だった絶景と奇岩の大地「ヤンギ・カラ」の訪問です。町も集落もない大地に広がる自然美を見るために4輪駆動車(1台に2~3名)に分乗、未舗装の悪路のドライブもございましたが、ラクダやヤギ、羊の大群を引き連れた遊牧民との遭遇、砂漠、卓状台地など、変化に富んだ風景に癒されました。ヤンギ・カラでは海底が隆起してできた不思議な色彩の山々、奇岩で覆われた深い谷などを展望台からご覧いただきましたが、写真撮影のシャッターを押す手が止まりませんでした。

ヤンギ・カラのクロコダイルヘッドを見下ろす絶景ポイント
太古の時代は海底だったヤンギ・カラの造形美
イスラム聖人のお墓に立ち寄りました(トイレもあります)
道中の景色も変化に富んでいました
4輪駆動車のドライブ(未舗装の道もあります)
トルクメンバシのバザールにてキャビア(ランプフィッシュ)を購入

50年以上燃え続ける炎のクレーター「地獄の門」へ

1971年に天然ガスの採掘中に洞窟を貫通、落盤により出現した巨大クレーターから天然ガスの流出を防ぐために火をつけたところ、すぐに消えると思われた炎が現在も燃え続けています。中央アジアで有数の観光名所となった「地獄の門」ですが、周囲には町や集落がありません。そのため、砂漠の真っ只中でテント泊をしていましたが、遊牧民のテントを模したユルト(ゲル)10室を有するツーリスト・キャンプが誕生。シャワーなし、トイレ共同は変わりませんが、テントよりははるかに快適に滞在できます。地獄の門だけでなく、満天の星や、砂漠の幻想的な日の出も印象的でした。

ダルワザのツーリストキャンプではユルトに宿泊
ツーリストキャンプから地獄の門を遠望
ユルトの設備は簡素ですがベッドと布団もあります
砂漠で迎える幻想的な日の出
ダルワザのツーリストキャンプで出会った天使
ダルワザの地獄の門(炎のクレーター)

1991年にソビエト連邦から独立、閉ざされた社会主義の国というイメージの強いトルクメニスタン共和国。実際に訪れてみると、人々は友好的で町は綺麗、ホテルも思いのほか快適でした。お食事は肉料理が中心となりますが、野菜や果物が豊富で、味付けも日本人にも食べやすいお料理が多かったです。道路事情、トイレ事情の悪さは相変らずですが、見どころや国そのものの面白さは折り紙付きです。皆様もぜひ、トルクメニスタンを訪れてみてください。

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