【国内】帰着しました。添乗員レポート

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2021年11月10日

【帰着レポート】世界遺産仁和寺 夢の一夜

2021年11月7日~11月9日 3日間 添乗員:東京支店 矢澤高宜

<11/7発 添乗員:東京支店 矢澤高宜>

 秋の京都へ行ってきました。今回はグループ旅行というより、2組4名様の個人旅行タイプの旅。目的は、世界遺産仁和寺内の松林庵を貸し切り、宿泊すること。この一軒家を貸し切るのに1泊100万円します。2018年に始まったこの体験は主に欧米の富裕層に向けたものでしたが、コロナ禍により途絶。ならばと弊社が名乗りをあげ、このたび催行のはこびとなりました。この貴重な体験を、皆様にご紹介します。

地図に載らない一軒家 松林庵が一夜の宿

 真言宗御室派総本山・世界遺産仁和寺。大変格の高い歴史ある名刹の境内地図を見ても、松林庵の文字はありません。一般の目には触れることもない場所にひっそりとそれは佇んでいました。
 松林庵は寺侍/寺医を務めた久富家の旧宅として使われ、境内に昭和12年に移築され、僧侶の宿舎として使われていた歴史ある建物。2017年に1億5,700万円かけて改装され、2018年4月から宿としてオープンした数寄屋造りの2階建ての日本家屋です。1階と2階に分かれて宿泊いただきますが、滞在中は専属のバトラーさんが付かず離れずサポートをしてくれます。聞けば日本人の宿泊はこれで4例目で、見知らぬ二組同士が宿泊するのは初めてとのことでした。

松林庵が姿を現します
松林庵の入り口 期待が高まります
石畳のアプローチを進むと・・・
まずはお部屋で一服
庭の紅葉も色づき始めていました
1階の部屋から庭を望む

僧侶によるプライベートツアーで仁和寺を巡る(境内編)

 一服後、仁和寺総務部長の鴨井智峯さんが皆様をお迎えに。仁和寺ナンバー3の方と共に巡るプライベートツアーは通常立ち入ることのできない五重塔、経蔵、観音堂の内部まで見ることができ、大変貴重なものでした。何と経蔵内ではチベットのマニ車に似た巨大な八角形の経蔵を皆様で回すことができました(写真でお見せできないのが残念です)。また、観音堂では千手観音菩薩像や28部衆像など仏像好きにはたまらない数々の像を見せていただきました。ちょっと変わった体験だったのは、国宝の阿弥陀如来像を収める霊宝殿のナイトツアー。夕食後に訪れたのですが、夜の静けさの中特別に開けてもらった館内は昼より空気が凛としているように感じました。以上全てに鴨井さんが同行してくれ、つぶさに解説を加えてくださり、他では得難い見学となりました。

プライベートツアー出発前に僧侶が挨拶
僧侶ならではの解説でツアーが進みます
観音堂内部ではマニ車のような巨大な経蔵を皆さんで回しました
同じく通常非公開の観音堂では数多くの仏像をじっくり鑑賞

宸殿での夕餉 雅楽や声明と共に

 日が落ちた薄暮の中、皇族しか通ることのできない門をくぐり、南庭を通って宸殿へ。今宵の夕食は文化財の宸殿が会場です。4名様のために用意された席には創業160余年の老舗・西陣魚新の仕出しが並びました。庭や宸殿がほんのりとライトアップされる中、雅楽と声明もお楽しみいただき、昔日の宴もこのようであったかと思うような世界観の演出はやはり一連の体験のハイライトと言ってよく、大好評でした。庵に戻る途中、ライトアップされた二王門が浮かび上がります。もちろん門は閉ざされており、世界遺産のただ中を自分たちだけが歩いているのだ、という夢のような事実がいつまでも余韻として残りました。

夜、御殿へ
宸殿での夕食 雅楽の調べと共に
食事中、声明も披露いただきました
夜間は境内を独占 二王門も美しくライトアップされていました

僧侶によるプライベートツアーで仁和寺を巡る(御殿編)

 翌朝は国宝の金堂にて早朝勤行に参加した後、重文の茶室・飛濤亭にて精進料理の朝食。昨晩の夕食をいただいた宸殿と庭を見下ろす位置に建つこの茶室は江戸時代の光格天皇が愛したものです。その後、御殿のプライベートツアーへ。昨晩夕食をいただいた宸殿を中心に、歴代門跡の霊を祀る霊明殿や尾形光琳の茶室を移築した遼郭亭(非公開 重文)など昨日同様鴨井さんと巡りました。
 当初、1泊100万円の事業は「お寺がお金儲けをするなんて」と物議を醸したそうです。しかし京都に伝え残されてきた素晴らしい伝統や文化などを体感するために世界中から人々が京都を訪れ、それらが更に発展し、後世にも大切に伝えられるようになる。人々の手によって京都が持続的に守られ続けることを目指す仁和寺の先進的な取り組みは、これからも人々を驚かせ、そして日本の美を思い出させてくれるに違いありません。

光格天皇も弟と共にこの庭を愛でたのでしょうか
翌朝、重文の飛濤亭にて精進料理の朝食
奥より五重塔、中門、飛濤亭と3つの重文が連なります
昨夜の食事会場だった宸殿
霊明殿には近衛文麿の扁額が飾られていました
ここでも一般非公開エリアの遼郭亭へ
茶室にて鴨井さんの話を伺いました


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